朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-2009/4/6)

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「実社会への想像力」 <ファイナンシャル・コース>
新入生のみなさん、おめでとうございます。みなさんが入学されたビジネス企画学科は、社会での実際のビジネス感覚を授業などから体験してもらうことを売りとしています。ビジネス感覚はどちらかといえば快感であり、みなさんが今まで体験したことの中では、スポーツの試合、ステージやイベントに向けて必死で何かを仲間と準備する感覚に似ています。是非大学時代に様々なステージを経験して下さい。しかし、学科が提供する売り以外にみなさんにも準備してもらいたいことがあります。それは想像力です。 大学1年のクラスメイトに二人の中京地区出身者がいました。この二人は学生時代から面倒見が良く人格的にも尊敬でき、50台になってもつきあうのが楽しい友人です。二人の実家はそれぞれ関連する業種の会社を経営しており、大学卒業後いったん企業に就職して仕事を覚えた後、20台後半には将来父親の会社を継ぐため地元に戻りました。一人は父親が病気となったためそのまま社長となり、もう一人は父親のもとで仕事を覚え最終的には40台の後半で社長になりました。 家族思いで似た業種で同じような経歴をたどった二人ですが、一人の会社は倒産し、もう一人の会社はこの不況期にあっても売上を伸ばしています。同じようなタイプで技術と知恵を持っていても、タイミングや取引先や組織内の人の組み合わせによって全く別の結果になるのがビジネスです。これはWBCの決勝戦で、もしダルビッシュが9回にサヨナラを許したら、もしイチローが10回のチャンスに凡打したら(どちらも十分起こりえました)侍ジャパンがどうなっていたかを考えると良く理解できます。 一方、今回優勝できたのは偶然ではなく両選手とも今まで万が一の時を常に想像して、その時のために技を磨き続けてきたからこそとも言えます。こうした心がけを日頃から切実に感じていれば、万が一結果が出なくても僕の友人のように次に気持ちを切り替えられ、自らの良い持ち味を失うことはないでしょう。 クラブ活動での小さな挫折、友人や教員とのちょっとした違和感など、大学での新しい経験は心躍る瞬間ばかりではないかも知れませんが、すべての経験が皆さんの実社会への想像力を鍛え上げる材料です。そこで残酷な想像から逃げず、人生の万一の場合のために今何をしておいたら良いか自分なりに考え続けることが、これからの山あり谷ありの人生60年間を幸せにマネージするための奥義です。 (岩崎)
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