朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-02/06/24)
今週の話題 |
「ワールドカップ雑感(1)」
 サッカーのワールドカップ戦で日本は決勝トーナメントに進みましたが、18日の対トルコ戦に0-1で破れてしまいました。優勝しない限りいつか必ずやってくる敗戦なのですが、こんなにも「くやしい」「残念無念」な心境は、考えてみると久しぶりに味わったような気がします。私の気持ちとしては、「もうワールドカップは終わった」ようにさえ思えるのです。それでも、またワールドカップのことをこの欄で取り上げようと思っている...一体、「ワールドカップ」の魅力って何なんでしょうね。ワールドカップ・イベントを通して感じたことを、思いつくままに今週と来週に渡っていくつか述べてみます。
(1)日本敗戦の翌日の新聞各紙の見出しには、「ニッポン夢をありがとう」「惜敗、胸張れ日本」などと日本選手の健闘をたたえる表現が目につきました。社説も「大健闘に拍手を送ろう」といったのが主流。日本各地のサポーターたちも「一人で応援するよりも大勢で応援したい」「ピンチになれば焦り、攻めれば興奮する。こんなに熱くなったのは初めて」「オリンピックや次回の大会が楽しみ」といった声が表しているように、ワールドカップ・サッカーを通じて日本人としてのアイデンティティを無意識のうちに確認していたように思います。世界のスポーツ・イベントで、こんなに興育と感動を与えてくれるスポーツは他にあるでしょうか。いや、これはもはや単なるスポーツの次元を超えたものになっていたことは確かです。
(2)19日に日本代表チームが解散しました。トルシエ監督は強烈な個性で日本代表チームを4年間引っ張ってきましたが、その間日本サッカー協会や中田英寿選手との間で軋轢がありました。そんな思いも頭をよぎったのか、彼の最後のメッセージは「これからの道はさらに難しくなる。日本がさらに強くなるにはまだ多くの壁を超えなくてはならない。協会もクラブも現在の方針を継続し、歩みを止めてはいけない」でした。また、中田選手のコメントに「監督には多くを教えてもらった」という言葉があったことが印象的に思えました。フランス人であるトルシエ監督にとって、日本での仕事には、少なくない「文化摩擦」があったことは確かでしょう。それを乗り越えてきたことで、日本のサッカー界とトルシエ監督の両者が共に、一回りも二回りも大きくなったと思います。 さて、ワールドカップは最終局面を迎えています。決勝トーナメントの戦いは一次リーグとはまったく別物です。引き分けがありません。今日もテレビから目が離せません。 (コツキ)
|
パソコンで遊ぼう |
「もう辞書なんていらない(1)」
21世紀初、アジア初、初の2カ国共催という歴史的なワールドカップは、本当に歴史に残るようなドラマをいくつも見せてくれました。日本代表が敗退した瞬間に燃え尽き、カサカサの灰になってしまった方もいらっしゃるでしょうが、ワールドカップはまだこれからが本当のクライマックスです。
にわかサッカーファンでも、ディープなファンに負けない一味違ったワールドカップドラマの味わい方があるのをご存知ですか。外国の人たちの反応を直接、インターネットで見に行きましょう。外国語はわからないという人でも大丈夫、強い味方をご紹介します。日本国内のワンパターンな報道とは全然違った見方に、簡単に触れられます。
この翻訳サービスで韓国の放送局の反応を日本語で楽しみましょう。韓国の公営放送局 KBS(韓国放送公社)のホームページにアクセスします。 画面中央のURL:の入力窓に「 http://www.kbs.co.kr/ 」と入力して、「韓日」を選択します。そして、「訳文のみ」か「訳文と原文を表示」を選択し、[ウェブページ翻訳]ボタンを押してください。TOPページは画像が多いため翻訳されない部分が多いのですが、さすがに「ワールドカップ」のページは盛り上がっています。「訳文のみ」にすると韓国のホームページであることを全く意識せずに情報収集をすることができます。 韓国には、ご紹介したKBSの他に次の放送局がありますのでアクセスしてみてください。どの局もワールドカップに熱く燃えています。
次に、英語のホームページで情報を探してみましょう。英語のホームページを日本語に翻訳してくれるサービスは、先ほどご紹介した「OCN翻訳サービス」以外にもありますのでご紹介します。特徴がありますのでお好きなものをお気に入りに登録してください。
英語圏のサッカー強豪国というとイギリスですね、BBC(英国国営放送)からも情報を探してみましょう。同じ英語圏でもアメリカの反応は全く異なり、3大ネットワークのどこも報道が無いか、小さくしか扱っていません。さすがにCNNはバランス良く取材しています。各国、各メディアの反応を知ることも重要です。
こんなに簡単に世界の情報が手はいることに驚かれると思います。先週ご紹介しましたGoogleなどで海外の有力な情報サイトを探し、そして翻訳してみてください。 来週も翻訳サービスの2回目をお送りします。 (ミンミン)
|
身近なビジネス |
「法人税の税負担」
ワールドカップは、日本チーム残念でした。しかし前回の大会に比べても大幅に力をつけているようですから4年後の大会は大いに期待しましょう。
ところでNHKの大河ドラマ「利家とまつ」の影響を受け、金華山頂上の岐阜城に行ってきました。まず麓で日本三大仏の一つと言われる正法寺の大仏様を拝観して、切符売り場のお婆さんに岐阜城への登山道を聞きました。(もちろんロープウェーには乗りません)「いくつもあるけれど、ここからだと百曲と七曲の登り道が近いよ。だけんどお客さんは、七曲いったほうがええ。百曲は、えらいから」と言われ、なにくそと、百曲に挑戦しました。確かにきつい道で、何度か手を使ってよじ登らなければいけませんでした。また、途中どう見ても道とは思えない処に出てしまいました。道に迷ったかなと思いながら登っていくと「スズメ蜂に注意」という札に出会い、道は外れていなかったと、ほっとするやら恐ろしいやら複雑な気持ちで登っていきました。 途中3組の下山するグループに出会いました。山登り(???ハイキング)で清々しい気分になるのは、見知らぬ人でも「こんにちは」「もう少しですよ」と声を掛け合うことが、ごく自然にできることです。そうこうするうちに無事リス公園にたどり着きました。約二十数分の山登りですが、登り終えた後の爽快感は格別です。岐阜城から見る景色は、眼下に長良川を見下ろし、岐阜市内を一望し、はるか東海道線の線路の彼方に、幽かに我が穂積が見え、それは素晴らしいものでした。
景色を眺めるうちに、四百三十年前に、織田信長が当時の井ノ口(岐阜の旧地名)で行った、楽市楽座に思いを馳せました。楽市楽座は、中世以来の特権商人の力を削ぎ、自由経済による経済の発展を求めた政策といわれていますが、そのいくつかの施策のなかで、諸役、商業税の免除が大きく経済の発展に貢献したのではないかと思います。時あたかも今、政府内や財界で、法人税の実効税率の引き下を巡り、喧々諤々の議論がされています。
法人税の実効税率とは、国税、地方税を合わせて企業が実際にどれだけの税金を支払ったかを示す税率のことですが日本は、約41%になっています。これはアメリカにようやく並んでいるとはいえ、欧州、東アジア諸国と比べますとまだまだ高く、国際競争力の点から見ると、日本の企業にとって不利だといえます。企業が帳簿上利益を計上しても、その利益は、在庫とか設備などに形を変えており、現金の形で残っているケースは、まれです。それでも税金は現金で支払わなければならず、重い税負担は、企業のキャッシュフローを圧迫し、事業拡大の意欲を削ぐことになります。日本経済の活力回復のために、企業が安心して利益を出せるようにするため、法人実効税率の引き下げは不可欠と考えます。
信長は、後から矢銭(やぜに・・・天下統一の戦を遂行するための税金)と称して、ちゃっかり商人から税金を取って辻褄を合わせています。「豚は、太らせてから食べろ」ということでしょうか。 (韋駄天)
|
|
|
|