朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-02/09/09)

 

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9月9日号(第23号)  



 身近なビジネス 

「企業と環境適応」
 独身で親の支援で生活する若者は「パラサイトシングル」と呼ばれています。パラサイトとは「寄生」することです。しかし、これはある意味賢い生き方でもあります。

 現代の日本でリスク少なく効率よく所得を得ることができたのは、年功序列社会を無事生き抜けた人たちです。長い組織生活を耐え忍び、退職金と年金を受け取る権利を得ました。次の世代にとっては、若年期の低給料だけで便利さや欲望を我慢するより、そのような親に依存して生活するほうが「効率的」です。親も脛をかじられ大変ですが、子供との「きずな」を保ち続けることができます。
また、もう少しで同じような権利を確保できる45歳以上の人たちが職場の席を譲れないのも当然でしょう。その結果更に若者の働く場が生まれずパラサイト化するという分析もあります。環境に適応することは動物の世界では生存の条件です。こう考えるとパラサイトも悪くない・・・。その適応する環境が変わらなければ。

 日本を代表する大企業で不祥事が続いています。なぜ、隆々たる組織がみみっちい嘘や詐欺を行うのでしょうか?今まで企業が適応してきた環境が変わった結果とも考えられます。
 奇跡的と言われた日本経済の成長を支えた人々は、やがてみんなで安定的に果実を分けることに専念しだします。そのためにはお金が必要ですが、安定分配の財布役を果たしたのが政府でした。
補助金を出し、規制で守り、先人が作った既得権を安定化してくれる役所という環境は、形式的に例外やミスを許しません。先例どおりミスさえしなければ守ってもらえるのですから、ミスがなかったことにすればよいと考える人も出てきます。環境にちょっと過剰に適応したパラサイト組織の完成です。
しかし政府の財布にお金がなくなれば話は変わります。自立して歩きなさいと突き放さなければ共倒れです。しかし、理由なく保護を打ち切るわけにも行きませんから、ミスをしたところにより厳しくなります。すると、パラサイト組織であればあるほど一層ミスはなかったことになります。たとえ事故が起こったあとでも。

 動物と同じく環境に対応することがビジネス成功の秘訣ですが、環境の変化を見失うと痛い目にもあいます。    (かぴたん)


 パソコンで遊ぼう 
「もっとYahoo!3-ストレージ(倉庫)編」
 Yahoo!IDを取得されたみなさん、ヤフーを活用できていますか。好評にお応えしてもっとYahoo!の再登場です。今回はストレージ機能(ブリーフケースとeグループ)をご紹介します。
 「ストレージ」とは保存ファイルの予備を設けるためのインターネット上の倉庫(ストレージ)を示します。ほかにもFDやCD-Rなどの外部媒体にファイルを予備保存することを「バックアップ」といいます。PCに保存していたデータが破損したなど、もしもの時の予備は定期的に行うことをお勧めします。では各機能を簡単に説明すると、
「ブリーフケース」 ファイルをインターネット上の指定ファイルに保存する
 メリット:外出先など他のPCを使ってネット上からファイルを取り出したり、再編集ができる。
「eグループ」 無料でメールグループ(メーリングリスト)が作れる
 メリット:多人数への連絡をし合う。データの保存容量も大きいので、共有したいファイルを参加者が閲覧したり、参加の是非を問うなどの投票機能もついています。

 使い方としては、複数かつデータ量の多いファイルをメールで送る場合、受信者側のPCや通信負担が気になります。そこで相手先がYahooIDを取得している場合は、ブリーフケースに送りURLだけをメールで知らせれば、相手は任意にかつ自由にファイルを閲覧することができます。
「使い方ガイド」は左側にリンク表示されていますので、じっくりとご覧下さい。

【雑 記】
 近所の書店で「中国のインターネット事情」なる記事を目にしました。記事によると中国のPC普及率は5%と低いものの、保有台数は米国に次いで第2位だそうです。巨大人口のなせる技ですね。さらに教育とPCの関係で興味深い報告がありました。中国の小中学校では学業のエリートを養成する目的で普通校とは別に特別校を設置しています。成績レベルに応じて区で管理する「市重点校」と国が管理する「国重点校」の2タイプがあります。これらの特別校には1校にPCを50台設置するなど、積極的に授業に活用しているようです。生徒も授業の補足としてサイバースクール(インターネットを利用した通信教育)を利用するケースが多いようです。毎日3時間利用する生徒も多く、教育熱の盛んな都市部を中心に教育ツールとして貴重な存在のようです。
 日本では比較的PCの普及が進んできたこともあり、自宅ではメールやインターネットなどコミュニケーションツール的な役割が大きいのでないのでしょうか。
 中国の小学生曰く「メールは使いません、家でのコミュニケーションを大切にするから」と答えていました。物質的に豊かになるとは対極的に私達の心が希薄になっているのではと危惧を覚えた一言でした。  (ぱそもも)

 今週の話題 
「「挑戦」-「良い失敗」-「成功」の成長スパイラル」
 昨今、不況や倒産の話、企業不祥事の話など、暗いニュースが多いですね。90年代始めのバブル崩壊以後、特に事態が悪くなっているのは何故だろうか、このような状態から抜け出すためにはどうしたらいいだろうか、何か不況を吹っ飛ばす良いアイデアはないだろうか。誰もがこれらに対する処方箋を知りたいと思っています。これに手掛かりを与えるものとして、これらの負の状態すなわち失敗に至った要因を科学的に探求し、その欠点を是正して行こうする「失敗学」が各界で注目を集めています。
 失敗には「良い失敗」と「悪い失敗」があります。「良い失敗」は未知な分野への挑戦や災害時などの不確実な状態下で判断が求められる場合などに生じる失敗で、細心の注意を払っても防ぐことのできなかった失敗を指します。この「良い失敗」を、それを通じて「成功」への手掛かりを得るための必要な情報収集活動と位置付け、ポジティブに許容していこうとするのが「失敗学」の考え方です。

 個人も組織も経験することなしに成長することは出来ません。挑戦―良い失敗―成功―新たな挑戦―新たな良い失敗―新たな成功をスパイラル的に繰り返し経験していけば、必ずや大きな成果と成長が得られるでしょう。
 特に若い人は挑戦を忘れず、「挑戦」-「良い失敗」-「成功」の成長スパイラルに乗り、明るい未来をぜひ勝ち取って欲しいと思います。
 一方、「悪い失敗」とは、最近の狂牛病牛肉問題、数年前の雪印乳業集団食中毒や東海村JCOウラン臨界事故のように組織運営や安全管理のまずさから生じた例など、本来、やるべきことをやっておれば防げた失敗を言います。

 工学院大学教授の畑村洋太郎氏によれば、「労働災害発生確率についてのハインリッヒの法則(注1)が、設計における失敗の確率についても当てはまり、1件の”新聞種”になるような失敗の陰には29件の軽いクレーム程度の失敗があり、またその陰には300件のクレームではないがまずいと思った体験が発生している」としています。
 同様に、いろいろな分野で生じている重大失敗1件の背後には、沢山の軽失敗やヒヤリ・ドキリ・ハットした体験が隠されているだろうことは我々の経験に照らし合わせても容易に想像できます。

 上述のような企業不祥事は重大な「悪い失敗」の典型的な事例で、このような失敗を起こさないようにするには、その前の軽度の失敗が出て来た段階までに手を打つことが肝心です。そのためには、そのような手が打てる組織・仕組みづくりに成功することがポイントになります。これに対しるヒントとしては、組織論の立場から書かれ、失敗学の先駆けとなった名著「失敗の本質、日本軍の組織的研究」(著者:戸部良一、他/発行:ダイヤモンド社、(文庫本)中央公論社)を一読されることをお勧めします。      (Y.K)

(注1):労働災害発生確率についてのハインリッヒの法則
1件の重大災害発生の陰には29件の”かすり”傷程度の軽災害があり、また、その裏には300件のケガはないが、ひやっとした体験が存在している。         


 


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