朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-02/12/16)

 

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12月16日号(第37号)  



 身近なビジネス 

「協調行動の習性」
 道路公団民営化委員会は、バランスを考慮した今井委員長が辞任し、高速道路新規建設抑制案を多数決で決めました。新聞の論調は、日本には問題先送り調整型ではなく決断型の意思決定が必要、リーダーシップの発揮を、と言った感じです。
しかし、ちょっとした疑問もわきます。民主主義のルールは多数決だったのでは?また今井氏が単に頑迷な人であれば、厳しい組織内競争を勝ち抜いて経済界のトップに立てた可能性は少ないのでは?

 民俗学の調査によると昔の村の決め事をする「寄り合い」は、皆意見を言うでもなく、用事があれば黙って抜けしばらくすると戻ってくる調子で何日もだらだらと続き、そしてある時、部外者からは何がどう決まったか見えないまま、決着したそうです。僕が社会に出てからも、ビジネスマナーなどで説明される米国ルールの会議より、寄り合い的運営が一般的で、どう決まっているかわかるまで時間がかかりました。
主張の違いをはっきりさせるには言葉で質疑することが必要ですが、日本の組織では言葉を主にして説明と確認をしあうことは、察しが悪いとして退けられやすいのです。現に、日本の学生のみならず、社会人も教員も質問しないのはこのためでしょう。質問すれば「なんだ」という目で見られ、質問した人以外は皆「高レベルの質問以外するな」と思っています。「察し」のよい人はその空気がわかるので質問しないか、当り障りのない質問をします。良い質問者は質問しないのです。
一方日本型良いリーダーは察しの達人で、質問しない人たちの心象を些細な表情や態度から読み取り妥協点を探っていきます。この方法は、外部環境の変化が緩やかで協調するメンバーが多いときは、万人の万人に対する争いを生まず理想的です。「持ちつ持たれつ」は、結果として効率的な分配を導き出す長期的、互譲の関係であり、日本社会の美徳でもありました。傷つく人を作らず、仲間内の意欲ややる気を維持する効果もあります。

 さて、僕たちが多かれ少なかれ持っている察しという協調行動の習性を急激に変えることができるでしょうか。強力なリーダーの決断力に頼らなければ社会を変えられないという主張は、ある意味強烈なパラドックスです。

 習性を活かす解決策を探す必要があります。トヨタ自動車には、小さな問題が起こっても強制的に製造ラインが止まる「見える」仕組みがあります。止めた人の居心地の悪さをその後の改善主体になることで埋め合わせています。達人の「察し」を誰にでも見えるように工夫すると、僕たちの協調行動の習性はまだ使え、自信の源泉になります。工夫は日本人の特技ですよね。  (かぴたん)


 パソコンで遊ぼう 
「自分の身は自分で守る(4)」
 寒くなり、空気が乾燥するこの時期は風邪がはやります。教室の学生たちも風邪で欠席が目立ち始めました。健康管理はビジネスマンの第一歩だと先輩たちからやかましく言われたものでした。さて、インターネットの中でもウイルスが蔓延しています。今回も「自分の身は自分で守る」パソコンの健康管理の基本を確認してみたいと思います。
 
 パソコンウイルス感染ルートのトップは電子メールです。知らない人からのメールには特に注意してください。もし、添付ファイルがある場合には絶対に開いてはいけません。
添付ファイルを開いたとたんにパソコン内の主要なプログラムを書き換えて勝手な動作を始めます。古典的なものは、クリスマスの夜にパソコンを開くと犯人からのメッセージが表示されるというユーモアのあるものもありましたが、最近のものは、パソコンの中のアドレス帳を使い、仕事相手や友人になりすましてウイルス付きメールをばらまくタイプが多くなっています。この様な悪質なウイルスメールに対抗するためには次のポイントを守ってください。
1. 知らない人からのクリップマークの付いた「添付ファイル」付きのメールは特に取扱注意です。メールを見ただけで添付ファイルを自動展開する超悪質なものがありますから、メールの内容も見ずにマウスの右ボタンで「削除」してください。その上で「[削除済みアイテム]フォルダを空にする」も行って完全に消し去ってください。
2.たとえ親しい友人から送られてきた様に見えるメールでも、添付ファイルが有って、標題が不審な場合や、メールの内容に不審な点がある場合は、添付ファイルを絶対に開かずに本当に友人が送ったものなのか確認しましょう。そのくらいの用心深さが必要です。

 ちょっと大げさじゃないのと思う人もいるかもしれませんが、自分のパソコンの中の重要のデータが全く知らない人たちにばらまかれたり、必要な文書ファイルがすべて削除されるなどの被害が報告されています。甘い一瞬の判断でEnterキーを押してしまうことと、何ヶ月もかかってやっと使い慣れた状態になったパソコンをすべて最初から再インストールし、その上で失ったデータの再入力作業をする時間と労力を引き替えにできますか。
それからもう一つ、ウイルスに感染したと気づいたら「ただちに、インターネットや電話線などの回線コネクターを抜き、接続を切ってください。」これが2次被害を防ぐ方法です。あなたとパソコンの健康管理はビジネスマンのたしなみです。    (ミンミン)


 今週の話題 
「温室効果ガス」
 日経新聞社がこのたび行ったアンケート調査によると、日本の大手製造業は京都議定書に基づく温室効果ガス(温暖化の原因となるCO2など)の削減目標を達成する見通しであることが分かりました。2010年度を目標とするCO2削減計画を聞いたところ、1990年度比で12.9%減となり、日本政府が産業界に求めている削減目標7%を上回る回答があったのです。日本の産業界(とくに製造業)に課せられた7%の削減目標は難しいとされていただけに明るいニュースといえます。

 地球環境はいま大きな変化に見舞われています。世界中いたるところで、異常気象がおこり、大洪水と大干ばつが交互にあり、オゾン層が破壊され、酸性雨が降り、地球上の多くの生物を絶滅の危機に追いやろうとしている現象が見られます。こうした地球的規模でおこりつつある環境の変化は、極論すれば地球温暖化という現象に集約されます。温暖化の原因となる大気中のCO2濃度は、産業革命当時に比べて25%上昇しています。温室効果ガス全体でみると、実に50%も上昇しています。

 これは、産業革命以降、われわれが大量生産、大量消費、大量廃棄を旨とする産業社会を構築し、そうした中での生活に安住してきたからに他なりません。現代人の経済活動には必ずCO2の排出が伴い、経済発展にはCO2排出量の増加が不可避であることを前提にしてきました。しかし、もうこれと同じ軌道上では21世紀の発展を展望することはできません。その先には地球の破局があるだけです。これからは地球環境と調和した「持続可能な発展」が重要なのです。

 10月末、インドで開催された地球温暖化防止会議では、先進国と途上国の利害対立から具体的な成果を上げることはできませんでした。しかし、英国では今年4月から産業界と政府が協力してCO2の排出権を売買する「排出権取引制度」をスタートさせました。また、
 米カリフォルニア州では7月、一段と厳しいCO2排出削減を狙った「温暖化ガス排出規制法」を成立させました。日本でも環境省が三重県と協力して、温室効果ガスの排出量を企業間で売買する「国内排出量取引制度」(2005年以降に正式創設する予定)づくりへ向けた試行として、来年1月に30社程の参加を得て取引市場をスタートさせます。これからは、こうした各国・各地域の取り組みが徐々に広がりを見せ、実際的成果がたとえ少しづつであっても着実に積み上げられていくことを期待したいものです。   (コッキ)


 


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