朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-04/02/09)

 

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2月9日号(第97号)  



 身近なビジネス 

「新鮮組」
 
 エンパナーダという南米の料理をご存じでしょうか。揚げ餃子とピロシキのあいのこのような家庭料理ですが、地方によって包む具材や味付けが千差万別、日本人の味覚にも合います。もし、日本が南米にあったら、ラーメンブームの代わりにエンパナーダブームが生まれていたかもしれません。といっても、食べたことのない料理の味はわかりません。当然ブームも起きないわけですが、もし、東京にあるエンパナーダを出す店がテレビのうまいもの特集で大々的に取りあげられるとどうなるでしょうか。とりあえず、その店の前には行列ができそうです。
 しかし行列が続きエンパナーダの店が増えるかというと、かなり疑問です。そればかりか、その店がつぶれてしまう確率は着実に高まります。実際テレビで紹介されたばかりに、一時的ににぎわってもそのあと閑古鳥が鳴く店は多いのです。(近くの店がテレビで紹介されたら、1年後に訪ねてみることをお奨めします。)

 消費者は残酷です。行列するお客さんは本当のお客さんではありません。その店の味を覚えて食べに来たわけではなく、その店で食べたという経験が欲しいだけです。結果お店は混み、忙しくなれば従来のサービスや手間をかけた味を維持することが難しくなります。もともとおいしいから食べに来ていた常連さんは待たされ、店が気づかないうちに落ちた味にも幻滅して離れていきます。しばらくたつと、食べた店を自慢したくても知っている人も減るので、経験しに食べに来る客も減ります。
 このサイクルを抜け出す方法は二つ、常に目新しいものを提供するか、味やサービスを覚えてもらうまで時間をかけて努力を繰り返すかです。後者は手間暇の割に成功するかどうかおぼつかないため、いきおい世の中は前者で勝負する人が増えてきました。商品が本来持っている価値を消費者に伝えるのではなく、めずらしいもの目新しいものを常に消費者に届ける新鮮組の誕生です。消費者は商品のネームバリューを消費していきます。(タレントさんと似ています。)
 一度新鮮組になるとそこから抜け出すのは大変です。うちの学生がバイトしているファミレスでは、去年の春ロースカツを1枚1枚店で衣をつけて揚げ、味でお客さんを呼び戻そうとしました。格段においしいのです。でも手間の割にはお客は増えず、この冬から半完成品を揚げるだけに戻ったそうです。メニューは3ヶ月ごとの総取っ替えで、あとは厳しい価格競争にどこまで耐えられるかです。

  新鮮組は一度始めるとやめられず、規模を必要とし、どんどん加速します。ほとんどの商品は1回売れるとその後は売れません。通販業者は全国中の特産品という特産品を試し尽くした感があります。新鮮組が時代のあだ花なのか、新しい日本の夜明けを生み出すのか、マーケティング研究所では調査中です。   (かぴたん)

 パソコンで遊ぼう 
「交通渋滞」
 毎年、夏休みと年末年始には各地の高速道路で渋滞が発生しています。私も故郷の実家への帰省に車を利用していまh すが、渋滞に巻き込まれてしまい400Kmの行程に10時間を要したこともあります。「お金を払って、高速道路を走っているのに・・・」と文句も言いたくなりますよね。この渋滞を解消するために渋滞個所の車線数を増やしたりバイパスを作ったりと対応が図られています。  
 今、情報ネットワークの世界でも同じように「交通渋滞」が発生しようとしています。現在主力となってきている光ファイバーを用いた高速回線(高道路)でも、5年後にはその容量が不足し、通信に障害が発生するとの予測が発表されました。一般電話回線、ISDN、ADSL、光回線と情報の通り道(道路)は短期間で進歩してきましたが、そこを通る情報(自動車)の量はそれ以上のスピードで増えているのです。インターネット上では大量の動画情報が行き来しており、今後はさらに増えていくことでしょう。  
 高速道路の渋滞は、「帰省の分散化」等によって緩和することもできますが、情報の世界では必要な時に瞬時に情報が入手できることが大切ですから「利用時間を分散化」することはできません。回線の増設(バイパス化)、情報の圧縮・多重化を進める(自動車の相乗りで台数を減らす)等の技術的な対応が必要でしょう。  
 自動車のための高速道路の新規建設にはいろいろと論議がありますが、重要な生活基盤である情報ネットワークについては「渋滞」が起こらないよう十分な対応が望まれます。     (MAGGIE)

 今週の話題 
「破顔一笑、中村教授」
 
 1月30日、東京地方裁判所は、青色発光ダイオード(LED)訴訟判決で、日亜科学工業に請求全額の200億円の支払いを命じました。翌朝、各新聞トップ一面の報じたカリフォルニア大(サンタバーバラ校)の中村教授の笑顔は正に破顔一笑といえる清清しいものでした。新聞も各方面の声として、「サラリーマン研究者に大いに夢を与えた」「理系志望者が増えるのでは」等、判決に対して、好意的な評価が目立ちました。
 根っからの文系人間である私は、会社の業務命令にまで背いて青色発光ダイオードの発明を続けた理系の方の熱意に、報酬に対する羨ましさはもとより、そこまでやれる頑張りに対して、素直に感心してしまいます。海外の研究者より、会社のスレイブ(奴隷)と揶揄された教授としては、溜飲が下がった思いでしょう。
 一方、ビジネスの観点から見ると、大いに気になることがあります。東大の玉井教授もご指摘されていますが、わが国特許法の「相当の対価」という規定です。今回の判決で、200億円と決まった是非については、私はコメントする立場にはありません。ただし、企業にとっては、現状の特許法では、いったいどのようにこの対価が決められるのか、が定かではないのです。米国では、発明者と企業が契約すれば、それが、ほぼ全面的に認められます。日本の場合、裁判所が事後的に相当の対価を決めるため、企業は、対価について、予測が不可能な状態に置かれているのです。競争力の低下に通じかねないような、日本における研究拠点の海外移転の動きが出ないか、と心配です。      (山上憶良)

 


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