朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-04/02/14)

 

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2月14日号(第150号)  



 身近なビジネス 

「ほりえもんポケットの秘密」
 
 プロ野球進出で話題になった堀江社長のライブドアが、ニッポン放送の株式を35%取得したと2月8日に発表しました(現在は38%)。ニッポン放送はフジサンケイグループに属す関東圏のラジオ放送局で、フジテレビの株式を22%以上保有しており、堀江社長はフジテレビの経営に参画できる足場を築いたことになります。新しいことを始めるのは常に若者ですが、若手の経営者として彼は十分に目立っています。  
 やり方への好き嫌いはともかく、この1年間で野球以外にも笠松競馬等公営ギャンブルサポート方針を打診しています。実際に傘下におさめた企業も日本グローバル証券をライブドア証券とし、会計ソフト会社の弥生を230億で買収するなど多数です。2月には大手と組んで出版事業への進出も決定しています。単なる話題作りだけではなく2004年9月期連結決算は、売上高で前期比2.9倍の308億円、経常利益で3.8倍の50億円と一応結果を伴ったものにもしています。このような彼の行動力の源泉は3つあるように思えます。   一つ目はサービスを提供する仕事のやり方の変化を見逃さないことです。野球もギャンブルもテレビもサービスを提供する仕事ですが、サービスとその対価のもらい方が最近大きく変化しています。携帯電話事業では携帯電話自体はほぼ無料で提供され電話代ですべてが請求されるように、野球も球場に行くお客さんだけがサービスの対価を払うわけではなく、行く手だてを持たないファンやスポンサーやテレビ局からもお金を取りうるところに注目しています。新しいやり方を進めれば、今までと違ったお客と利益が生まれると考えており、ライブドア証券では今のところうまくその流れに乗れています。  
 二つ目は、日本的な規制業種のゆがみと既得権益への照準です。Jリーグが収益のあがるビジネスに変化したように、野球もやり方によってはスポーツビジネスとして再生する可能性がありますが、古い体質と慣習に縛られた世界であることが昨年のどたばたで広く知られるようになりました。パチンコでわかるようにギャンブルは巨大産業です。ギャンブルを主催する権利は世界中どの国でも認可による既得権で、インターネットビジネスの最初の成功の一つは既得権に縛られないネットギャンブルでした。テレビ局も規制業種ですが、番組作りによる視聴率のみならずエンターテイメント全般からや物販と、もっとも先進的に経営を進めていたフジテレビに照準があわされたのは皮肉な話です。
 最後にスピードある財務の意志決定です。ニッポン放送株取得のための投資額は約700億円と、西武球団買収に提示している100億円から見ても巨額です。堀江社長はこの資金を私募債で調達したようですが、従来の日本的な財務運営からは調達が不可能か、可能としても長い時間がかかるものです。海外では珍しくない敵対型のM&Aが可能なのは、彼の実績に基づいて外資系証券会社のサポートがあるからです。今まで老人の間では暗黙の了解で無視されていた財務的な合理性を徹底して追及する動きが広まれば、日本の企業社会はドライな世界に急速に変わっていくのかもしれません。    (岩崎)

 パソコンで遊ぼう 
「携帯プレーヤー」
 大容量のハードディスクに大量の音楽を入れて持ち歩く「iPod」が大人気となり、業績が大きく改善したアップルコンピュータから、今度は半導体メモリー型の「iPod shuffle」が発売され、またまた大人気で売り切れ続発の状態が続いています。
  手に取ってみると、真っ白な本体、使い勝手の良い操作パネル、約240曲収録可能な1GBモデルが1万7千円以下と売れる要素が詰まっていることが良く理解できます。
 「iPod shuffle」は、その名の通り録音した順番で曲を聴くというよりは、iPodが勝手に曲をシャッフルしてラジオを聴く感覚で音楽を楽しむスタイルを提案しているもので、音質も悪くなく、私もとても好感が持てました。 それに対して、Sony陣営は、ハードディスクタイプのNW-HD2が改良されmp3対応となったり、MDウオークマンが45時間の長時間記録が可能になったりと担当セクションは頑張っているのだろうが何かしっくりこない。と、思っている中で、いくつかの雑誌が12月に発売されたSonyの携帯型ゲーム機PSPで動画再生の方法を紹介していました。
 約2万円のPSPに256MB以上のメモリースティックPRO Duo(約6千円)と動画コンバータソフト「Image Converter2 Ver2.1」(1500)を下記で購入すると、 http://www.jp.sonystyle.com/Nws/Software_dl/Pc/Software/Haa/2105710294200.html 3万円弱でPSPが携帯動画プレーヤーとして使用できるのはちょっと魅力的かもしれませんね。    (田村)

 今週の話題 
「米国2006年度予算教書」
 
 前回の「(日本の)人口減少と財政赤字」に続き、今回は、世界の関心事である米国の財政赤字、特にそのベースとなる米国2006年度予算教書を取り上げてみたいと思います。
 2月7日、歳出総額2兆5000億ドル規模の2006年会計年度(2005年10月から2006年9月)の予算教書が、ブッシュ大統領により議会に提出されました。その内容は、厳しい歳出抑制を議会に求め、財政再建に取り組む強い姿勢を示すものでした。具体的には、国防費・国家安全保障費を除く、政策的経費(裁量的支出)を前年度に比べて、0.7%削減することを目指し、2005年度の過去最大となる4270億ドル(約44兆円)の赤字を2009年度までに、半分に減らす目標を立てています。一方、イラン駐留経費やブッシュ大統領が訴えている年金・税制改革の負担が今後の財政を圧迫するとの見方は根強くあり、私自身としても、赤字半減の目標達成はかなり不透明という感じは否めません。  
 この発表を受けて、ニューヨーク・タイムズ紙は、「社会的支出より安全を優先」、ウォールストリート・ジャーナル紙は、「レーガン政権以来の大幅歳出カット」と若干異なったニュアンスの一面を掲げました。英国のファイナンシャル・タイムズ紙は、「歳出削減」と淡々とレポートしています。また、為替市場では、ブッシュ大統領が財政赤字削減の姿勢を強く示したことを受け、発表後の直後の反応としては、他通貨に対してドルの買い戻しが優勢になっています。  
 正直な所、米議会(+米国民)、欧米マスコミ、為替市場を初めとするマーケットも米国の財政削減(2009年度には半減)の実現には、まだ半信半疑で受けとめている状況ではないでしょうか。ただ、省みると、米国以上に財政赤字が増大し、GDP対比で米国を上回る我が国(OECD/エコノミック・アウトルック、2005年見込6.4%、一方、米国は同じ社会保障基金を除くベースで、4.1%.実際には、税収の自然増もあり、3.5%まで下がるとの見方もある)の現状を見ると、米国よりひどいだけではなく、財政赤字削減の道筋もはっきりしていない日本の現状に対し、急に寒くなった冬がさらに寒く感じられてきます。(階戸)

 


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