朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-04/02/28)

 

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2月28日号(第152号)  



 身近なビジネス 

「MSCB」
 
 ここのところ、ライブドアのニッポン放送㈱の取得が話題になっています。このコラムでも2月14日号「ほりえもんポケットの秘密」で取り上げました。この話題について、証券会社に在籍していた経験をもとにライブドアの行った資金調達の面から見てみたいと思います。
 資金調達は、新株予約権のついた転換社債で行われていますが、内容を見ますと転換価格の修正が行われる、「MSCB」(Moving Strike Convertible Bond)の性格を有しています。通常の転換社債は、株式に転換する時の価格があらかじめ決められていて変更されることは原則としてありません(例外として増資などにより変更される事はある)。
  しかし、ライブドアの今回発行した「MSCB」の転換価格「450円」ですが、毎週見直され、下限「157円」まで下がる可能性があります。転換価格が下がるということは、転換社債を引き受けた先が、それだけ多くの株式を手に入れることができるということです。そうすると、株式の価値が希薄化してしまい、他の株主は面白くないですね。なんとなく今のうちに、売っておこうかという気分になるでしょう。ちなみに、ライブドアの株は、貸借銘柄では無いので、一般の投資家は、空売り(信用売り)することが出来ません。 一方、転換社債を引き受けた先は、ライブドアの株価が下がれば下がるほど手に入る株式が増えるわけですから、ライブドアに対する支配権が強くなります。また、転換社債引き受けの担保として、堀江社長の保有するライブドアの株式を提供するという条件が気になります。(担保として引き渡しを受けた株式の一部はすでに売られています)
 もちろん今の日本の証券市場は、株価操縦は厳禁されていますから意図的に株価を下げるなどということはできません。ただ、今までに「MSCB」を発行して企業の株価は、ほとんどの場合長期低迷(2桁)しています。そのうち、「北の家族」「ケイビー」は倒産に至っています。
 今回ライブドアの発行する「MSCB」の金利は「0」。つまり、引き受け先は利息では儲からないということですね。さらに、繰上償還条項があります。社債の保有者は、2年後の2007年2月には、一括で償還(返済)を請求できることになっています。そして償還期限は2010年の2月。株式に全く転換されなかった場合、800億円をどうやって返済するつもりなのか?いろいろ気になるところです。ちなみに現在(2月24日)ライブドアに株価は、「330円」です。    (田ノ上)

 パソコンで遊ぼう 
「携帯端末のゆくえ」
 
 ソニーが国内向けのPDA(携帯端末)生産を中止するとの発表を行いました。海外向けは既に中止しているので、PDA市場から完全に撤退することになります。年々市場が縮小しているPDA市場ですが、国内シェアトップのソニーが撤退を決めなければならないほどの厳しさということです。かつては、ビジネスマン必携の機器として注目されたPDAも終焉の時をむかえようとしているのでしょうか。  
 一方、携帯電話の世界ではどんどんと多機能化が進んでいます。カメラ機能を皮切りに、音楽配信、テレビ視聴、ナビゲーション等の機能取り込みが進み、電子マネー、JR定期券(乗車券)の機能取り込みも計画されています。PHS、携帯電話がデビューした当時に私が考えていた以上の速さで変化が進んでいる感じです。  
 半世紀前、私が小学生時代に好きだったSF小説では、小さな携帯端末(当時はそんな呼び方はしていなかったと思いますが)で、テレビ電話による情報交換、位置確認(ナビゲーション)、ID確認(個人認証)等を行う話が出てきて、夢を膨らませた記憶があります。現在の携帯電話は、私の子供時代の”夢の機械”を現実のものとする方向に進んでいます。  
 ビジネス用の機器として企画されたPDAの衰退と、”遊び”の要素を加味しながら成長する携帯電話、商品企画という側面からも興味深いものがありますね。     (妹尾)

 今週の話題 
「温暖化ガスの排出削減」
 
 2月16日に、温暖化ガスの排出削減を先進国に義務づけた京都議定書が発効しました。 これは、地球の気候を安定化させ環境の激変を防ごうという、100年、200年先の地球を見通した息の長い取り組みの最初の一歩です。1997年に京都で開催された国連の特別会議で採択されたことから「京都議定書」という名称が付けられていますが、なんと最初の一歩(発効)までに8年の歳月を費やしてしまいました。しかも、世界第1位のCO2排出国である米国は、まだこの条約に参加していません。自然環境の変化(劣化)は地球規模で進んでいるのに、人間社会が地球規模で合意するのには、こんなにも時間がかかってしまうのかと思ってしまいます。  
 この議定書発効によって温暖化ガスの排出を、基準年の1990年比で欧州8%、米国7%、日本6%、それぞれ削減しなければなりません。その達成時期は2008年から2012年の間です。他の先進国に比べ日本が負担する削減コストは割高だという試算がありますが、日本は何としても目標を達成しなければなりません。米国も政府としては議定書の批准に消極的ですが、米国内の35の州が各々に排出削減目標を設定して協力しています。
 ポスト京都議定書の目標課題としては、米国の早期正式参加は当然のこととして、米国に次ぐ世界第2位の排出国である中国を始めインドやブラジルなど発展途上国を巻き込んだ枠組みつくりがあります。地球環境の劣化速度よりも早いスピードで、国際社会が合意形成できることを願うばかりです。    (横山)

 


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