朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-04/04/18)

 

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4月18日号(第159号)  



 身近なビジネス 

「こころの知能指数」
 
 ライブドア問題は、何らかの形でフジテレビがニッポン放送の株を買い取る和解にむけて第二幕に入りました。まるで人質(ニッポン放送株)の身代金をフジが払うようにも見えます。業務提携という実際のビジネス推進の形を残したとしても、これでは昭和40年代の含み資産を持つ会社を狙った買い占め屋とそっくりです。このままでは、ホリエモンは起業家ではなくマネーゲームの虚業家として記憶されることになります。
 あるインタビューで彼は、90年代のフジのコンテンツと資金力からすれば単に日本のトップテレビ局ではなく世界一にも飛躍できたはず、それに挑戦せず小さくお台場にビルを建てる程度でお茶を濁しているのは本当に惜しい、もったいない、と話していました。規制業種に新しいビジネスチャンスを広げるという彼の最初の着眼が活かされないのであれば、残念なことです。
 心理学を得意とするジャーナリスト、ダニエル・ゴールドマンの『EQ』という本の中にロジャーという幼稚園児が登場します。ロジャーは、他の子が誰も気づかなかった、転んでけがをして泣いている子供にすばやく駆け寄り、『かがんで自分の膝をなで、「僕もけがをしちゃったよ!」と声をかけた。』そうです。ロジャーのような能力は、対人関係に重要な知性の4つの要素の一つとしての連帯力=他人に共感することができる力、とされています。後の3つは、ガキ大将のように人間のネットワークを作りあげる組織力、外交官のように利害関係の対立を予防したり調整したりする交渉力、女優のように他人の感情や興味などを見抜く分析力です。このような対人関係の知性など、自分の情動と相手の情動をコントロールする能力を彼はこころの知能指数(EQ)と名付けました。またEQは訓練で向上させることができるとも説いています。  
 EQを高めていけば、相手に納得させつつ自分の要求を通すことも可能です。こう考えるとフジサンケイグループの人から不信の目で見られているライブドアの堀江社長は、IQは高いもののEQはロジャーにかなわないことになります。率直すぎて方便が言えない不器用な人ということです。(もっとも、彼は最初に無理難題(経営参加)をふっかけ、あとで本当の狙いの頼み事(お金)を受け入れてもらいやすくする心理的駆け引き(ドア・イン・ザ・フェイス)を駆使していた、という見方をすればEQの問題ではなくなります。)
 ゴールドマンは本のまえがきで『思いやり、自制、協力、調和を重んずる価値観は、日本人の特質だ。ある意味では、「こころの知性」に注目しはじめた世界の変化は、世界の国々が日本社会の安定や落ち着きや成功を支えてきた中心的な要素に気づいた兆候とも言えるだろう。』とも書いていました。今後このことも考えてみたいと思います。(岩崎)

 パソコンで遊ぼう 
「音楽ソフト交換に損害賠償」
 
 WinMXやWinnyなどのファイル共有ソフトを使い、パソコンに取り込んだ音楽データを違法に交換していたとして5人の個人ユーザーが損害賠償を求められました。  
 日本レコード協会加盟のレコード会社が、プロバイダ責任制限法に基づいて、繰り返し音楽ソフトの違法交換を行っていた個人ユーザーの開示をプロバイダ各社に依頼し、この情報開示によって特定された5人に対してレコード会社が損害賠償を求める交渉に入ったというもので、日本国内でこの様な処置が執られたのは始めてです。
 音楽ソフトの違法交換や海賊版の販売は世界的にも大きな問題とされており、海外では1万件を越える個人ユーザーに対する訴訟が行われています。
 日本国内では1998年から2004年までの間に音楽ソフトの売上げが30%以上減少していることが報告されていて、今回の賠償請求を発端にして、悪質なユーザーに対する処置が加速することは当然でしょう。  
 新人歌手を発掘し、デビューからヒットまでに膨大な投資が必要な音楽業界で、売上げが低迷し、新人も、新曲も出せない状況になって困るのは誰なのか、良く考えて欲しいものです。    (田村)

 今週の話題 
「政府開発援助」
 
 この度、2004年の各国の政府開発援助(ODA/Official Development Assistance)の実績が明らかになりました。日本の援助額は4年連続して減少し、米国についで2位でした。ちなみに、3位フランス、4位英国、5位ドイツの順でした。かっての日本の援助実績をみると、1991年から10年間連続で世界のトップだったのですが、近年は財政難から援助額の縮小を余儀なくされています。  
 また、援助を行う先進国には、国連が2000年に決めた「ミレニアム開発目標」の達成が求められているのですが、その点がいまの日本には大きなジレンマになっています。その「目標」とは、2015年までにODAを自国の国民総生産(GNP)の0.7%まで引き上げるというものです。2004年の日本のODA実績は、GNP比で0.19%でした。ちなみに、米国は0.16%、フランス0.42%、英国0.36%、ドイツ0.28%でした。  
 巨額な財政赤字を抱え、財政再建に取り組んでいる日本にとって、0.7%という目標達成は夢のように思われます。国連常任理事国のフランスは12年までに、英国は13年までに目標を達成するとしています。いま日本は、ドイツとともに先進国として国連の常任理事国入りを目指していますが、ドイツは14年にはこの援助目標を達成すると宣言しています。日本も何らかの方針を示さなければなりません。どのような達成目標なり増額方針を発表するのか、気になるところです。   (横山)

 


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