朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-04/06/21)

 

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6月21日号(第116号)  



 身近なビジネス 

「リコール隠し」
  
 最近、三菱ふそうトラック・バスと三菱自動車のリコール隠しが問題になっています。リコールすべき不具合案件を43件隠し、その結果、2名の死者を出した事故を含め105件の事故を発生させてしまいました。元社長などトップの逮捕が相次ぎ、会社ぐるみの犯罪の様相を呈しています。
 会社は営利団体ですから「利潤の追求」は当然の使命です。しかしその前に社会の役に立つ、ということが大前提です。今回のリコール隠しは、社会の役に立つ、どころか走る凶器を世に提供し続けていたことになります。
 リコール隠しの理由が三菱ブランドの失墜を防ぐことにあったそうですが、この件の発覚で、三菱東京フィナンシャル・グループや三菱重工など他の三菱グループの株価まで引き下げてしまいました。自社の信用を失墜したどころか、歴史のあるスリーダイヤのブランドにまで傷をつけてしまいました。
 経営のトップに望まれるのは、企業が重大な危機に面した時、いかに的確な判断を下すかということです。そのためには私心を捨て、公の利益を優先させなければなりません。問題を先送りすることでは何の解決にもなりませんし、さらに状況を悪化させることになります。悪い情報ほど早く開示することが被害を最小限に食い止める最善の方法だ、と認識すべきでしょう。鳥インフルエンザ問題で浅田農産の会長夫妻が自殺されたことは本当に痛ましく思いますが、もう少し早く情報を開示していれば命まで失うことは無かったのではないかと残念に思います。  (田ノ上)

 パソコンで遊ぼう 
「やっぱり来ました」

 ロシアのウイルス対策ソフト会社がノキア製の携帯電話に感染し、短距離無線通信機能「ブルートゥース」を使い他の携帯に被害を広げるウイルス「Cabir」を発見したと発表しました。感染の恐れがあるのは、多機能携帯電話の事実上の標準となっている英国シンビアン社製の基本ソフト(OS)を採用している携帯電話です。

携帯電話の多機能、高性能化にブレーキがかかる気配はありません。携帯電話+携帯情報端末(PDA)+デジタルカメラですからパソコンを超えています。こうも多機能、高性能機化が進む中で開発の効率化を求めると技術屋さん達はOSが欲しくなります。信頼できるOSを使用すると開発期間を大幅に節約できるからです。
だから心配していたんです私は、携帯電話ちょっと危ないなと。パソコンもWindowsというOSの独占がウイルス被害を大きくしている原因となったように、携帯電話も同様にシンビアン社製OSが広く使われる傾向にあり、クラッカーたちの標的になりやすい状況だったのです。
 今回発見されたウイルスは携帯電話の電波やメールを通じてではなく、ブルートゥースを通じて感染します。そのため、これらの携帯電話を持って人混みの中を歩くなど数メートル以内に近づかなければ感染しません。また、ウイルス感染しても電池の消耗が増える程度で実質的に被害はありません。このウイルスはクラッカー達にとっては試作品みたいなものです。今後はパソコンと同様に悪質なウイルスが出てくるかもしれません。便利なネット社会を乱す愉快犯には腹立たしい思いですが、新しいネット社会の秩序を形成するためにはウイルス対策技術だけでなく、エチケット、倫理、法整備など広範囲な合意が必要だと考えます。   (田村)

 今週の話題 
「プランB」
 
 地球環境が劣化し続けていることを考えると、人類は進歩・発展の道を歩んでいるのか疑問に思わざるをえません。産業革命以降、われわれ人類は大量生産、大量消費、大量廃棄を旨とする産業社会を構築し、その中での生活に安住してきました。その結果は、CO2
を始めとするもろもろの温室効果ガスを大気中に放出し、地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、異常気象、砂漠化などの問題を引き起こし、地球上の多くの生物を絶滅の危機に追いやろうとしています。これからも同じことを続けていけば、その先には地球の破局が
待ち受けています。

 地球環境問題について警鐘を鳴らし続けているワールドウオッチ研究所長のレスター・
ブラウン博士は、近著『プランB』の中で次のように述べています。大昔の人々は、いわば地球の自然資源という資産から生じる利子だけで暮らしていた。しかし、現在のわれわれは、この資産そのものを取り崩して生活している。これは「プランA」の経済生活であり、この生活の先には前述したような破局があるのみです。

この破局を回避するのが「プランB」です。その主要な取り組みは、①水資源の利用効率を1.5倍に高める、②土地の生産性を高める、③炭素排出量を半分に減らす、④社会的課題に果敢に取り組む、などです。とくに人口増加の抑制、貧困の解消、気候の安定化は、緊要課題ですが、こうした課題を処方する「プランB」は唯一の実行可能な選択肢なのです。われわれに残された時間はわずかです。世界規模で「プランB」への取り組みを訴えるブラウン博士に心から賛意を表したいと思います。    (横山)

 


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