朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-04/11/01)
身近なビジネス |
「ドンキに学べ」
今年も朝日祭にビジネス企画学科の1年生が出店しました。本格焼き鳥、創作デザート、本場中華、ダーツ駄菓子屋といったラインナップです。単なる学祭の出し物としてではなく、ビジネスとして過去のデータを参考に需要予測を行い、目標を自分たちで決めて取り組みます。仕入れ値を調べ、試作をし、原価率と消費者心理を考えた値付けを工夫して、競合店の動向を探りながら、仕入や価格を調整して、活発な営業活動で一人当たり利益を競います。 今年の学生も例年どおりゲンキンで、原価が固まって利益目標がはっきりしてくると、「やろうぜ」という気分が高まります。また、誰が言う出もなく、一人当たりいくらの儲け(の見込み)という声がかかります。しかし、いざ店を開けてみると、立地が悪く目につかない、他店とかぶる、値引き競争、天候の悪化、仕入れすぎ、メンバーがさぼる、勘定が合わない(誰だ、カネ払わずに店の商品食ったのは! )問題ばかりが起こります。 若者に人気のディスカウントショップ「ドン・キホーテ」の安田社長も、商売は見込み違いからはじまったそうです。最初の店「泥棒市場」を開いたもののお客が入らず、売れないため仕入れる金もなく、それでも一人で店を開けるためトイレも行けずギブアップ寸前。ところが、仕方なく夜中に看板の明かりで荷ほどきをしていると、まだ店が開いていると勘違いして買っていく人が意外に多いことに気がつき、緊急消費以外の深夜営業の可能性を発見しました。今でも22時から24時半が最も売れるとのことです。 大垣出身の安田社長はこのような失敗の中から流通の常識に逆らう手法を次々と見つけだし、圧縮陳列や各店舗独自の一環仕入販売などを駆使して売上げ2千億円を達成しました。見にくく、買いにくく、取りにくい店内は、劇団ひとりの独白のようなPOPと、まだどこかに面白いものが隠されているのでは、というRPGの宝箱的魅力に溢れています。名古屋では尾頭橋駅でおりて5分ほど歩いたところにあります。一度見に行ってみると、帰りには変なグッズを手にしているかも。 (岩崎)
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パソコンで遊ぼう |
「ナノテクの世界」
もう、すっかりおなじみとなった「ナノテクノロジー」という言葉について考えてみようと思います。ナノとは十億分の一という意味で、長さや体積、重量、時間などに対して使われますが、このナノテクノロジーといわれる微細加工技術が、また新しい世界を切り開こうとしています。 ナノメートルといえば10億分の1メートルを表しますが、それがどのくらいの長さなのか想像できますか? 1000分の1メートルは1”ミリ”メートルですね。その1000分の1が1”ミクロン”メートル、さらにその1000分の1にあたるのが1”ナノ”メートルです。 つまり1ミリメートルの長さを100万個に切断した長さを想像してみてください。これはもう人間の肉眼で見える世界ではありません。そこはもう高分子(プラスチックの分子相当)の大きさに匹敵する極小の世界です。 半導体(エレクトロニクス)の世界ではまさにこのナノテクノロジーの段階に突入しつつあります。最新のVLSI(Very Large Scale Integrated Circuit=超大規模集積回路)では配線を60ナノメートルというプラスチック分子大の線幅で電子回路を書く量産技術を確立するところまできました。 そして今、微細加工技術の進歩で急速なIT化が進み、社会を急速に変えようとしています。ユビキタス社会が現実味を帯びてきたのも微細加工に裏打ちされた高性能半導体の開発によることに他なりません。マイクロエレクトロニクスによって医療分野でも血管の中を移動し治療を行う超小型ロボットの出現もそう遠くない時期にあるといわれています。これからの時代の中心になる新しい技術は、人の目でみることができない世界で、静かに進行しているのですね。 (大山)
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