朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-04/11/22)

 

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11月22日号(第138号)  



 身近なビジネス 

「それでもドンキ」
  
 前回ディスカウントショップ「ドン・キホーテ」の話題を取り上げたら、タイミング良く? 同社を独占禁止法違反容疑で公正取引委員会が立ち入り検査をしたという記事が出ました(http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20041106AT1G0501F05112004.html)。
独占禁止法は優越的な地位を利用した不公正な取引を禁じていますが、善悪の問題とは別にドンキもずいぶん大きくなったのだなあ、というのが偽らざる実感です。
 そもそもディスカウントショップとは、投げモノと呼ばれる資金繰りに窮して売られる商品を、現金で安く買いたたいて仕入れて売るバッタ屋と呼ばれる商売が大きくなったものです。売り手と買い手、どちらかより必要に迫られたほうが、短期的には不利な取引条件での契約を了解するのは、社会の常、商いの常識であり、もともとそれを活かしたビジネスなのです。
 10年ほど前までは全国各地に数多くの独立ディスカウントショップがありましたが、最近はめっきり少なくなりました。もちろんやりすぎは問題ですが、それでも、他のディスカウントショップが消えていく中でドンキだけが残ったのには、やりすぎ以外の何か秘密がありそうです。
 従来ディスカウントショップ経営の秘密は、この商品がいくらで売れるか、どのくらい売れるかを読みとる力=目利きでした。通常この力を持つ人だけが経営者となり、そのため小規模のところが多かったとも言えます。全国的に有名だった城南電機というディスカウントショップは、社長が亡くなられた途端に倒産してしまいました。
  ドンキは前回取り上げたように、失敗から常識に逆らう手法を生み出したのですが、それは販売面だけではありません。最初、販売要員として採用したスタッフはなかなか新しい手法に納得せず社長がいなくなると陳列も元に戻ってしまったそうです。業を煮やした社長は、やけくそで、スタッフに販売だけでなく商品種類毎の仕入も任せ、スタッフ同士でそれぞれの商品の収益を競わせることにしました。人にものを売るより、自分で買う(仕入れる)ほうが楽しく身が入るだろうということと、若い人はゲーム的に競争させたると元気が出るのでは、と考えたのだそうです。
 この一人で仕入れて販売する方式は結果大成功となり、常識に反した販売手法もそれで売れるのであれば実行するスタッフが増えました。スタッフの仕入と販売の力量があがるにつれ、他社と違って多店舗の展開も可能となったそうです。 失敗してもただ起きないところが真骨頂の会社であれば、今回のことから何を学び取るのかが、楽しみです。 
(岩崎)

 パソコンで遊ぼう 
「地下水ビジネスと地球環境」

 最近地下水ビジネスが注目されています。特に水を多用する事業者や病院などにおいて水の費用を減らしたいというニーズが高まってきています。水の供給には生活用水や工業用水などにおいて地方行政が主な役割を果たしてきましたが、最近、ちょっとした異変がおきています。
 それは、地下水を汲み上げ、販売するという民間の新しいビジネスが現れ始めたことです。今まで地下水利用は農、工業用やクーリングタワーなどの空調利用など飲用以外に限られたものでしたが、水の濾過技術の急速な進歩で、今までは不向きであった飲用の領域にも利用を拡げ、また、大量消費者ほど割高な料金体系になっている現在の上水道システムを逆手にとり、地下水利用が2割以上のコスト削減になることをセールスポイントに、この新ビジネスが急速に全国拡大をしはじめました。
 利用者にはコスト削減は大変大きな魅力です。地下水ビジネスの仕組みは、地下水を汲み上げ、濾過した水を利用者へ供給するまでの設備投資を水の供給業者が負担し、利用者は使った水の料金のみを負担するだけ、しかも上水道より2割以上コストセーブになるという、利用者にとって願ってもないシステムになっています。
 しかし、このシステムはプラス面ばかりとはいえず、行政がおこなっている上水道システムと直接バッティングし、大口需要家の上水道離れによって自治体の水道事業収益が悪化し、個人向けの水道料金値上げにつながるおそれもありますし、他方、地下水を無制限に汲み上げることによって地盤沈下を起こし、住民生活を脅かすであろうことは過去に私たちが経験してきたことでもあります。企業のコスト削減、地盤沈下防止当事者にとって、いずれも大変重要なことですね。しかし、何を優先して考えるべきか、皆さんならこの課題をどう捉えられるでしょうか。   (大山)

 今週の話題 
「西武鉄道の上場廃止」 
 
 東京証券取引所が西武鉄道の上場廃止を決断しました。これは、東証が、西武が上場廃止から逃れるために40年以上に渡って組織的に大株主の持ち株比率を過少記載していたと判断したことによるものです。従来より見られる経営破綻によるものではなく、不適切な情報開示で企業が上場廃止になる、「極めて異例」の事態となっています。  
 西武株は現在、整理ポストに移行、12月16日まで売買され、12月17日に上場廃止となります。銀行団は協調支援体制を再確認しているものの、西武グループの信用力の一段の低下は避けられないものと思われます。さらに重要なことは、上場廃止後に、西武株の流動性が確保されなくなる一般株主にとっての影響が甚大なものになることです。同社は、一般投資家のために、ジャスダックへの上場を打ち出していますが、その前にまず何をすべきかの順番が違うのでは、と感じます。  
 西武鉄道が現在、成すべきこととして経営刷新はもとより、これまでの一般株主軽視の姿勢を正して、コーポレート・ガバナンス(企業統治)体制の構築を行うことだと思います。コーポレート・ガバナンスにおける最初の課題は、「企業は誰のものか」という問いから出発します。西武の場合、恐らくこの問いに対する答えが、社会の公器である上場企業にもかかわらず、一人のオーナーのものになっていたものと思われます。  
 金融庁と東証は、西武鉄道だけではなく、上場企業の間で有価証券報告書の虚偽記載が相次いでいることを受け、情報開示強化策を発表しました。東証は、有価証券報告書の適正さにつき、「宣誓」を義務づけることになりました。これは、米国の企業改革法と同様の措置で、コーポレート・ガバナンスの観点からは、一歩前進と言えるでしょう。 
(階戸)

 


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