朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-05/05/30)

 

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5月30日号(第165号)  



 身近なビジネス 

「100あったら○○へ行こう」
 
 上の○○を埋めるとすると、みなさんなら何を入れるでしょうか。真剣に考えると百円ショップやガチャポンが入るのではないでしょうか。日本マクドナルドの新しいキャンペーンが始まっています。テレビなどで見た方も多いでしょう。主力商品9点を100円にしてマックと入れてほしい同社の思惑は、残念ながらいまだ満たされないようです。
 日本マクドナルドは、以前「定番の努力」で触れたように2002年度から安売りで苦戦を強いられ続けています。高級化など様々な施策を試してきましたが十分な回復には結びついていません。今回は特定の商品の期間限定値下げ(Hi-Lo戦略)ではなく、主力商品群を値下げしています(エブリデーロープライスEDLP戦略)。これによって、特定の商品の安物イメージを生むことなく、良い品質の商品がいつも安く提供されている信頼できる店というイメージを生みだそうという作戦でしょう。
 しかし同じ百円でも、マクドナルドに行く理由と百円ショップに行く理由は一緒にならないような気がします。百円ショップには宝探しの楽しさがありますが、定番であるマックの主力商品はただ「安かった(得した)」というイメージしか生まないからです。そのうち、「安かった(得した)」が「安い」という評価に変わると、店の雰囲気や客層とあわせて「安物」というイメージに至るまではあっという間です。規模の大きい日本マクドナルドは、売上げやシェアという陣取りで他社と戦わなければならずやむおえない面もあります。しかし日本にハンバーガー文化という価値観を伝えた会社としては、もったいない奮闘ぶりのようにも感じます。
 前回はビジネスを戦争ではなくダンスにたとえると見える世界が変わってくる、という事に触れました(『Shall we dance?』)。僕は更にダンスより舞台=ショウビジネスにたとえるべきではないかと思っています。舞台では一人ひとりの俳優やダンサーがお客さんに感動を与えようと腕を磨き、お客さんと共通の場作り(文化)を広げようとします。本当にお客さんがノッテくれたときには、サービスの売り子である俳優もお金では得られない大きな感動を得ます。そしてもっといいものを提供しようと考えるようになります。この考え方は価格競争だけでなく新鮮組の問題にも対応できる可能性を持っています。ユニクロの美脚パンツに始まったサマーボトムズキャンペーンは、新鮮さに美脚という価値を示すことで方向感を統一しています。
 舞台にたとえる考え方は米国のコンサルタントの「経験経済」というアイデアにも見られます(過去の経験の意味ではなく、経験させることによって次回も味わいたいと感じさせるマーケティング、ディズニーランドがその実例)。また古くから日本の営業の実務家の間でも語られてきたことです。たとえ営業が苦手な人でも、営業現場ではふだんの自分とは違う「スーパー営業パーソン」を演じていると考える。すると不可能に挑戦する意欲がわき感動も味わえる、という考え方です。「コーラスライン」でも見て気分を高め、役者に変身してみませんか。    (岩崎)


 パソコンで遊ぼう 
「Pentium D発表」
 米インテルは、5月27日ディスクトップパソコン向けの新型CPU「 Pentium D」を発表した。Pentium Dは、現行のPentium4の後継モデルで、一つのCPUパッケージの中に2個のCPUコアを並べた構造になっています。  
 Pentium Dは、EM64T(インテル・エクステンテッド・メモリ64テクノロジ)に対応しており、Windowsの64ビット版である「Windows Server 2003 x64」を使用することで、その性能が発揮されるものと考えられます。  
 Pentium Dには、2個のCPUが入っていますが、現行のPentium4の2倍のスピードが出るのかというと大きな間違いです。現行32ビット版のWindowsでWordやExcelの様なオフィス向けソフトを使っているのではスピードを感じることはできないかもしれません。しかし、3D画像でのレンダリングと呼ばれる処理や、動画編集でのエンコード、マルチタスクでの並行処理などでは、その能力を発揮してくれるでしょう。  
 Pentium Dの2.8GHzタイプは、すでに秋葉原などのパーツショップで入手できるのですが、1個約3万円とPentium4の2倍ぐらいの価格です。また、Pentium D対応のマザーボードは、ハードディスクが新規格である「シリアルATA」で、グラフィックカードもAGPから「PCI Express」に進化しています。今持っている主要な部品が流用できないし、グレードアップはもう少し待った方がいいかなと、私は思っています。  

 もう一つ、5月15日に次世代DVD規格統一に関する事業トップによる会談が行われ、残念ながら統一交渉は決裂したと報じられました。  
 この交渉は、HD DVD陣営の東芝がソニー、松下のBlu-ray Disc陣営側にアプローチすることで始まったのですが、両者は最終局面で歩み寄りを断念したようです。規格の乱立は利用者にメリットを持たせず、メーカーにとっても消耗戦を強いられることになってしまうと思うのですが、交渉再開は無理なのでしょうか残念です。   (田村)

 今週の話題 
「自由貿易協定」
 日本とマレーシアとの間で行われていた自由貿易協定(FTA/Free Trade Agreement)の交渉が5月22日に合意に達しました。これにより両国間の経済連携協定(EPA)の締結交渉は、全分野で決着したことになります。経済連携協定というのは、FTAを核に、特定の国や地域間で幅広く経済的な結びつきを強めるための協定のことで、人の移動や知的財産権のルール作り、経済協力なども含み、人、モノ、カネの移動をさらに自由化、円滑化することを目指すものです。
 本来、特定国間同士でFTAやEPAを締結することは、自由貿易を標榜するWTO(世界貿易機関)の原則にそむくことになります。しかし、WTOの加盟国や地域が合意するには長い時間がかかるため、利害の深い国や地域では機動的に締結できるFTAやEPAを使って相互関係を深める流れが、近年強まっています。世界的に見ると1990年代に入って締結件数が増加し始め、2000年以降さらに大幅な増加がみられるようになりました。東南アジアではシンガポールやタイが世界の多数の国々と締結していて、既にさまざまな面でそのメリットを享受し始めています。
 日本は、主に農水産品などで「守るべきもの」が多く、なかなか交渉を進められないのが現状です。これまでに、マレーシアのほか、フィリピン、シンガポール、メキシコの計4カ国とのみFTAやEPAを締結しました。フィリピンとのEPA締結によっては、日本で不足気味であった看護士や介護福祉士などをフィリピンから迎えることができるようになったことは、過日マスコミで報道されていた通りです。高齢化と少子化が急速に進んでいる日本にとって、メリットを享受することになるのでしょうか。   (横山)


 


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