朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-05/07/18)
身近なビジネス |
「微妙の罪」
若者を中心に「微妙」ということばがよく使われているそうです。はっきりした答えを出せないとき、「微妙」と返事をするのです。学生がよく使うのを私も耳にしますが、意外に年配の人も使っているようです。 私はこのことばが好きになれません。というのは、「微妙」という一言で話題を最初から取り上げずに強制終了させてしまおう、という意思を感じるからです。 大量の情報が扱えるようになって、むだな話題はできるだけ考えずに自分が関心のあることだけ考えたい、という欲求が大きくなっていると思います。しかし、いつもそういう対応では人間は成長しません。いろいろな課題を「自分はどう思うか」と考えることによって経験、知恵が蓄積されます。「微妙」といって考えることを放棄するのでは、チャンスがあっても逃がしてしまうと思います。 経営者には決断が要求されます。いろいろな仕事上の課題に「微妙」といって解決を先に延ばしていては問題を大きくしてしまうし、ビジネスチャンスも失います。思考を停止せずにできるだけYES、NOと返事することが大切だと思います。 (村橋)
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パソコンで遊ぼう |
「携帯で居場所がわかる?」
最近、携帯電話業界は加入者の伸びが鈍化し、顧客獲得競争は熾烈化の一途をたどっていますが、その競争に先んじようと、 KDDIから新しいサービスの第3世代携帯電話機が発売されました。 その新しさとは、通話相手の居場所を特定し、確認できるサービスです。このシステムは今や常識となったGPS(Global Positioning System)を使い、相手の位置検索が行えるもので、居場所を携帯電話機の地図画面に写しだして確認でき、さらに、学校や駅などの特定の場所を設定しておけば、探したい相手がその領域に入った場合に自動的に知らせる機能も持っているという”スグレモノ”です。 このサービスの利用料金は、一回あたり3円という大変リーズナブルな設定になっており、若者層を中心に利用が広がりそうに思えます。最近の若者には新しさを求める傾向がより顕著で、新サービスの利便性を確実に使いこなす技も持ち合わせており、いろいろな利用シーンをしっかり開拓していくことでしょう。 勿論、最近の個人情報保護法や、プライバシー保護に対してしっかりと対応されており、通話相手の居場所特定には、当然”相手の了解が必要”とのガードはしっかりとなされているようです。 (大山)
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今週の話題 |
「トヨタ渡辺社長の所信表明」
トヨタ自動車の新役員体制がスタートしました。いろいろ話題性に富む新トップ体制です。7月の社内報「クリエイション」に渡辺新社長の所信表明が載っていましたので、トヨタのこれからの方向性を示すものとして、概略をご紹介します。 「トヨタの存在意義」というものを考える時に、今後トヨタが活動の中心に据えるべき項目が3つあると言っています。まず第一が「環境・安全・品質・原価の4つの観点で他社を大きく凌駕する商品の提供」です。言い換えれば、「世界一良いモノを、世界一早く、世界一安く、お客様にお届けする」ということです。モノづくりの夢としては「一度満タンにしたらアメリカ大陸を横断できる車」、「乗ると健康になる車」が渡辺社長の夢だそうです。 2番目が「各国・各地域の経済への貢献」です。今トヨタは日本を含めて27の国と地域で生産を、そして160以上の国と地域で販売を行っています。すべての現地事業体が、「愛される企業市民」にならなければなりません。 3番目が、「広く社会全般への貢献」です。国・産業界を代表した活動、芸術・文化・科学技術の振興、地球環境の保全、福祉・地域社会・ボランティア活動の支援など広く社会に対する貢献を行うことが必要と考えています。 以上3つの活動を通じ、世界の人々の生活を豊かにすることが、これからのトヨタの最大の「存在意義」であり、結果として「すべてのステークホルダーから誇りに思ってもらえる会社」という、これまでとは次元の違うトヨタを作り上げたいと考えています。 夢を実現するために、次の4つのチャレンジを全社員に訴えかけています。
1.
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意識の改革
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「気概と誇りを持つ」、「身の丈を知る」
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2.
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足元固め
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「モノづくり基盤の構築」、「兵站線の見直し」
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3.
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スピード
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大企業病の芽を摘み、意思決定・アクションのスピードを早める
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4.
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連帯感
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一体感の実現、情報は出来るだけオープンにし、判断力・行動力で勝負して下さい
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最後に、「明るく楽しく、元気良く」そして「愚直、地道、徹底」の2つが渡辺社長のモットーだそうです。 以上がトヨタ渡辺社長の所信表明のエッセンスです。なんとなくトヨタの進む方向が見えてきませんか。 (亀井)
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