朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-05/09/12)

 

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9月12日号(第180号)


 身近なビジネス 
「小泉自民党のヒミツ」
 今頃はもう衆議院選挙の結果があきらかになっているでしょうが、今回の小泉自民党の選挙の進め方は、多くの人の関心を集めるという意味で効果的でした。郵政民営化への賛否という形をとりましたが、その裏には「今のままでよいのか?」という国民各自が感じていながらもどかしく思っている危機意識に再度火をつけたというポイントが隠れています。
 色々な企業改革の失敗例を調べた経営学者コッターは、変革を失敗させないには八段階のステップ(1.危機意識を高める。2.変革推進チームを作る。3.適切なビジョンを掲げる。4.ビジョンを周知徹底する。5.自発的な行動を促す。6.短期的な成果を実現する。7.気を緩めない。8.変革を根づかせる。)を踏む必要があるとしています。また、各ステップでは細かく分析するやり方より、参加者に見えていなかったものを見せて、感じさせて心を動かし、その結果行動を変化させるやり方が有効だとしています。
 今回の自民党に当てはめると、手続きはともあれ郵政民営化反対派と妥協しない姿勢を示すことで緊張感を高め、その緊張感を見えやすい「今のままでよいのか→いやいけない!」という図式に持ち込むことで、様々なレベルの反対派や他党を一気に抵抗勢力という敵として明確にまとめあげ、大きな行動のパワーを生み出していました。
 小泉さんは永年郵政民営化を唱えてきましたが、変人とも呼ばれる主張への執着だけが力を発揮したのではなさそうです。このようなパワーが結集できた裏側には新しい自民党の中に変革推進チームとも呼べる若手議員の意識変化があったように感じます。国会での議決から選挙までの間に幹事長などの党三役の発言態度や姿勢は、従来の酸いも甘いもかみわける政治家的なものからテクノクラートを感じさせるものに変化していきました。「今のままの自民党では国民の支持を集められない→逆に対立軸を明確に出せば、支持を得られる。」という新しいビジョンを共有していったかのようでした。
 大学生の多くは、自分はいったい何者なのだと考える時期(思春期)に大学の門をくぐります。つまり危機意識は高まりうる状態にあるのですが、そんな悩みを抱えているのは自分だけで恥ずかしいことのように感じ、またどのように新しい自分を見つけだしていけばよいのか分からず、漫然と学生生活を過ごしてしまうことになりかねません。サークルや資格取得の勉強会など(変革推進チーム)に参加したり、この人はすごいと感じる師匠や考え方に出会ったり(適切なビジョン=ロールモデル)すると、比較的楽に次のステップに進むことができます。
 大切なのはロールモデルを見つけること。ビジネス企画学科の教員は、潜在的危機意識を持っている学生に、ロールモデルとしての適切なビジョンを見えるように示すことを使命としています。  (岩崎)

 パソコンで遊ぼう 
「携帯音楽ソニーの追撃」
 9月8日、携帯音楽プレーヤーでしのぎを削るアップル・コンピュータとソニーが同じ日に新製品発表というニュースが流れました。
 今や携帯音楽プレーヤー大手となったアップルは「iPod mini(ミニ)」よりさらに薄く小さい「iPod nano(ナノ)」を発表し、音楽管理ソフトiTunesもさらに磨きをかけたそうです。一方ソニーも新型ウォークマンAシリーズを発表し、従来の音楽管理ソフトと異なる「CONNECT Player」と呼ぶソフトに一新しましたが、新型iTunesの使い勝手に迫ることができているのか大変興味があります。(iTunesに関しては8月22日号を参照ください)
  パソコンやデジタル家電関連の市場調査を行っているBCN総研が8月中旬に行ったアンケート調査結果を発表していて、ハードディスクやメモリーに音楽を記録するタイプの携帯音楽プレーヤーを所有する人の比率が57.6%に達し、MD(24.6%)、CD(11.3%)、カセットテープ(3.8%)を大きく引き離していることがわかります。
 また、メーカー別でもアップル(35.7%)、ソニー(10.9%)とアップルが圧倒的な数字を誇っています。数年前までソニーのウォークマンの人気はどんなに頑張っても崩せない強固な市場と思われていたことが何だったのだろうと思うのは私だけでしょうか。
 新商品の話題をもう一つ、携帯ゲーム機ニンテンドーDS用ソフトで東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修の「脳を鍛える大人のDSトレーニング」が大人気となっています。このソフトは、脳の前頭葉の一部「前頭前野」と呼ばれる部分を活性化させることで、創造力や記憶力、コミュニケーション力などを鍛えることができるというビジネスマンに最適なトレーニングマシンですが、さすがにオフィスでゲーム機をいじっているわけにもいきません。そこで、シャープから「脳を鍛える計算ドリル付き電卓」が発売になりました。これならどう見ても電卓でなにやら一生懸命計算しているように見えて、脳が鍛えられる2,000円なら買ってもいいかな?とおもわせる新商品ですが、成熟商品である電卓の市場に新しい風をふかせることができるでしょうか。   (田村)

 今週の話題 

「ガソリン価格の高騰」
 
 ガソリン価格が高騰しています。石油情報センターの発表(7日)によると、1リットル当たり130円になりました。この価格は、1992年1月以来ですから、13年8ヶ月ぶりの高値ということになります。この影響は、当然のことながらわれわれ自家用車ドライバーに及ぶだけではありません。物流や航空業界をはじめ直接的間接的にあらゆる産業に波及することは明白であり、結局はわれわれの生活コストに転嫁されることになるのです。こうした石油価格の高騰は、日本だけのことではなく、北米でもEU諸国でも同様の状況にあります。アメリカではこの価格高騰の影響で、デルタ航空会社が数週間以内に破綻するだろうとさえ云われています(米国のある格付会社の発表)。
 では、こうした石油価格の高騰をもたらした原因はどこにあるのでしょう。よく云われる原因は、①中国の開発・発展にともなう急激な石油需要の高まり、②アメリカの強固な石油需要、③OPEC(石油輸出国機構)による石油供給能力の非弾力化、などです。今や、メジャーといわれる世界的石油企業だけでなく、ロシア、中国そして中東産油国でも、石油・天然ガスの開発・増産に向けて投資を活発に行っています。その効果はいつか現れるでしょうが、所詮、石油も天然ガスも有限な化石燃料です。使い切ってしまえば、この地球上から永久に無くなってしまうものです。石油価格の高騰を機に、ここで石油以後の世界を考えてみることは意味のあることだと思います。  (横山)

 


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