朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-05/10/03)

 

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10月3日号(第183号)


 身近なビジネス 
「世界の中心でソニーは叫ぶ?」
 先週テレビで映画「世界の中心で愛を叫ぶ」が放送されていました。昨年の大ヒット純愛小説映画ですが、15年ほど昔の高校生の主人公と初恋の相手を結びつけるのはソニーのウォークマン(当時はカセット)です。ウォークマンは現在でも時空を超えて主人公と初恋の人を結びつける重要な役割を担っていました。映画の中心的小道具となるほどその時代、時代の若者のあこがれをリードしてきたソニーに、最近元気がありません。  
 先月ソニーは、2006年3月期の連結純損益は100億円の赤字となる見通しであることを発表しました。同時に中期経営計画として1万人規模の人員削減、事業本部制への移行、不採算事業見直しによるコスト削減を行うそうです。赤字に転落するのは95年以来です。  
 11年前赤字に転落したのは、映画会社を買い取る映像コンテンツビジネスへの挑戦が裏目に出たためでした。しかしその後、アイボ、パソコンVAIOシリーズ、平面ブラウン管WEGAシリーズ、プレイステーション2などソニーらしい製品群で業績を支えてきました。しかし最近はプラズマ・液晶テレビで出遅れ、パソコンでも特色が消え、ウォークマン以来の伝統であった携帯デジタルオーディオプレーヤーでも、iPodに大きく遅れをとりました。日本人にとって未来志向の誇らしい存在であったソニーという会社の何が変わってしまったのでしょうか。  
 今から20年前、仕事でウォークマンの生みの親であったソニーの部長さんに、お客様の会社の液晶技術を売り込みに行ったことがあります。現在に比べると鮮明さや輝度がやや足りないものの当時では最先端の液晶技術に対して、その方は「当社が欲しいのはネアカな液晶です。」とおっしゃいました。ソニーのターゲットは十代でソニーに目覚め、二十代三十代とソニーファンである若者ファミリーである。そのために、デザイナー、技術陣マーケティングの3部門を集めて部を作った。その部の中ですべてのスタートはターゲット顧客層が受け入れるデザインである。ソニーの名を冠して明るい室内で使用されるなら、若者が浮き立つようなネアカさが必要なのだ。と、丁寧にお断りになったのです。
 当時ソニーが狙っている顧客層はくっきりと鮮明で、ソニー製品は世界中で、「ソニーはこれです。」と若者ファミリーに向かって叫びつづけていました。今のソニー製品も叫んでいます。しかし、ハードディスクに何でもとりあえずテレビ録画する若年層のニーズをHDDレコーダーで最初に探りだしながら、最終保存のためのDVDとのセットで他社に出遅れるなど、叫び続けると言う点ではパワーが落ちています。 
 再度、鮮明なマーケティングで叫び続けるソニーの復活を祈っています。    (岩崎)

 パソコンで遊ぼう 
「放送と通信の融合」
 放送事業者及び関連団体が来年の4月1日から携帯電話端末向けの地上波デジタル放送を開始することを発表しました。これに合わせて、NTTドコモとKDDIでは地上波デジタル放送の受信が可能な携帯電話端末を開発、放送開始までには発売することを発表しています。携帯電話端末向けの地上波デジタル放送及びそれに合わせた携帯電話端末の開発計画は以前から進められていたのですが、携帯電話サービスを提供している通信事業者には悩みがありました。というのは、携帯電話端末を使って利用者がテレビジョン放送を視聴してくれるだけでは通信事業者の収入にはつながりません。むしろテレビジョン放送を視聴している間は自分たちの提供するサービスを利用してくれない可能性もあります。またデジタル放送の強みを活かした双方向のデータ通信サービスも放送事業者に主導権を握られてしまう心配があります。通信事業者にとっては自社の利益に繋がるサービスを企画することが重要な課題になっています。新機能を活かしたサービスとは・・ 企画担当者のセンスが試される局面ですね。
 KDDIではテレビ番組で紹介された場所を地図で案内する機能等の搭載を考えているとのことですがまだまだ満足のいく提案ではないような気がします。ユーザの立場で言えばこれからは放送事業者と通信事業者の壁を越えてサービス提供を検討して欲しいと思います。ともあれ、放送と通信の融合は着々と進んでいます。    (妹尾)

 今週の話題 

「国の競争力」
 
 2005年世界競争力ランキングが、世界経済フォーラムという団体から先日発表されました。日本は昨年の9位から12位に後退しました。ちなみに1位~5位の国々は、フィンランド、アメリカ、スウェーデン、デンマーク、台湾でした。この順位づけの基となる「成長競争力指数」は、「マクロ経済環境」「技術力」「公的制度の効率性」という3つの柱で構成されています。日本はこの中の「マクロ経済環境」が大きく後退したことが、今回のランキング低下の要因でした。このマクロ経済環境を後退させた最大の要因は、「政府債務 (117カ国・地域中の114位)」と「財政赤字(同113位)」が世界最悪の状況にあることでした。  

 では、いったい日本の財政赤字はどのような状況にあるのでしょう。2004年度の予算でみると、歳出のうち税収でまかなったのは55%で、残りの45%は国債発行という借金によるものです。つまり、日本国という家計は、収入とは不釣合いのぜいたくな暮らしをするために、毎年支出の半分近くを借金しているのです。こうして膨らんだ日本の借金(国債発行残高)は、2004年度末で約490兆円にのぼります。これは、国民一人につき390万円、4人家族なら一世帯で1560万円という借金を抱えていることになります。1年後の消費税アップはどうも避けられそうにない様子です。今後の財政運営に注目しましょう。(横山)

 


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