朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-05/10/10)

 

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10月10日号(第184号)


 身近なビジネス 
「独立請負人」
 先日、求人のチラシで、「作業スタッフ募集 委託料 1日7,000円」という広告を見つけました。このように労働者でなく、個人事業主として作業を行う人を独立請負人(インディペンデント・コンダクター)といいます。
 現在、この独立請負人が増えています。企業が人件費の流動化を図り、雇用形態が多様化していることが背景にあります。本来、この独立請負人は大工さんやプログラマーなど独立して仕事ができる技能が必要です。しかし、この事例のように特別な技能がない人が独立請負人となる場合も多く、企業が雇用者の責任を逃れるために活用されています。
 この独立請負人は、労働者としての権利が法的に十分保護されません。そのため、独立請負人やパート・アルバイトのほとんどの人は正社員になるのを望んでいます。労働者としての保護がいかに大きいか、「自己責任」がいかに厳しいかを感じさせられます。
 「自己責任」の時代では一人一人が自分で自分のみを守る必要があります。そのためには、世の中の仕組みをよく知り、的確に判断していかなければなりません。学生のみなさんにはビジネス企画学科で社会の仕組みをよく知り、「自己責任」の世の中で活躍してほしいと願っています。     (村橋)

 パソコンで遊ぼう 
「一太郎特許訴訟に思うこと」
 9月30日、知的財産高等裁判所でジャストシステムと松下電器産業との間で争われていた、通称「一太郎裁判」に判決が下りジャストシステムの勝訴となりました。
 この訴訟は、松下が1989年に出願し1998年に特許として認められ登録された「情報処理装置及び情報処理方法」(特許番号第2803236号)をジャストシステムが特許侵害しているとしてワープロソフト「一太郎」などの製造販売停止を求めていたものです。
 ポイントは、「ヘルプ」機能で、「?」マークのボタンを押してヘルプモードをONにし、マウスなどで他の機能ボタンを押すと各機能の説明文が表示されるというもので、裁判で争われたのも、「?」マークが「アイコン」か「文字・記号」であるのかという点でした。
 今回の判決は、まず「?」マークを松下が発明した「アイコン」であることを認定。しかし、その上で松下の特許はその当時外国の出版物に掲載されていた発明と類似しており、「進歩性を欠き、特許は無効とされるべきもの」と結論づけたのです。これによってジャストシステムが勝訴、松下は判決を不服とすれば上告できるのですがどうするのでしょう。
 今回の判決で特許の難しさを再度考えさせられました。まず、松下は1989年に特許出願を行い、1998年に特許として認められるまで、特許庁との間で次のようなやり取りを行ったはずです。特許出願がそのまま認められることはほとんどなく、特許として認められないと門前払いされるケースがほとんどです。特許庁から送られてくる拒絶理由を覆す書類を再提出するなど、特許庁との間で何度もやり取りが行われます。当然、弁理士と呼ばれる特許の専門家の力を借りなければいけませんからお金もかかります。今回のケースでも松下は特許取得に9年を要していますから時間も人もかかっています。
 特許は、例え素晴らしいアイディアであっても新聞雑誌などで発表されたものは「周知の事実」として特許の対象から外されます。その上、「同業のものであれば容易に思いつく」様なものは進歩性がないとして認められないなど特許の取得は簡単ではありません。
 今回の松下の特許はこの様な特許庁の審査を通過し特許登録され、毎年特許料を支払っていても、知的財産裁判での判決によって「無効とされる」ケースがあるということを改めて知らされました。特許が無くては利益を守れない時代。でも特許で利益を上げるのは本当に難しいことです。    (田村)

 今週の話題 

「北極海の氷が無くなる」
 
 北極海の氷は9月に最小となり、冬に拡大するサイクルを繰り返します。夏場に北極海を覆う氷の面積が今年の9月、人工衛星による観測が始まった1978年以来、最小を記録したことが分かりました。今年の夏は氷の面積が平均より約20%(約130万平方キロ)小さく、日本列島3個分が消失した計算になります。氷が減って海が太陽熱を多く吸収することで、氷の縮小に一層拍車をかける悪循環に突入した恐れが大きいとNASA(米航空宇宙局)などの共同グループが発表しました。この勢いでで氷の縮小が進めば、夏場の氷の消失は21世紀末よりかなり早い時期に起こると、警告しています。  
 氷の縮小には複数の原因が考えられていますが、地球温暖化の影響が最も注目されています。  
 一方、地球温暖化の影響で、秋の味覚秋刀魚の体長が21世紀末には、30センチから20センチへと10センチも小さくなってしまうとの研究結果が、北大の山中助教授より発表されています。海水温上昇の影響で、植物プランクトンの増殖規模が小さくなるためで、小型化で泳ぐ力も落ち、回遊路が日本近海から離れ漁場が遠くなる可能性もあるそうです。  
 また、大気中のCO2がこのまま増えると、海水が酸性化し、100年以内に南極海や、北太平洋で貝類の殻や珊瑚が溶け出すことが、日米欧豪の国際研究チームの予測で分かりました。殻を持つプランクトンが激減し、魚類や鯨が餌を失う可能性もあるという。CO2の増加は地球温暖化だけでなく、海の生態系に深刻な影響を与える恐れがあります。  
 世界中が協力して、人類の叡智を集めて、地球温暖化・CO2増大を防がないと、子孫の時代には警告が現実のものとなり、悲惨な結果となります。   (亀井)

 


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