朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-05/10/24)

 

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10月24日号(第186号)


 身近なビジネス 
「誰がために鐘は鳴る」
 仕事で早朝タクシーに乗ったら、初老の女性運転手さんがなぜ仕事を始めたのかを問わず語りに教えてくれました。「ずっと専業主婦だったけど、7年前会社員だった主人が定年退職したとたん、気が抜けたように家でうだうだと毎日昼から酒を飲んでるの。趣味もなく会社のつきあいの中だけで生きてきたのね。そんな主人と一日中一緒にいるのが耐えられなくなって、タクシーの仕事を始めたのよ。今では、私にとってはこの仕事で色々な人とふれあえるのが収入よりありがたい。昼間仕事明けでうちに帰ると、私が帰るまで我慢していた主人がいそいそとビールを冷蔵庫から持ち出すの。男なんてかわいいもんよね。あと5年は働き続けたいわ。」
 今年の就職は、4年生の活動状況を見ても例年より良好です。採用をずっと押さえてきた結果、技術を継承してくれる人や団塊の世代後の営業職での正社員採用ニーズは高いと、岐阜で面談した企業の方が口々に語ってくれました。日本全体としても正社員の雇用改善は景気に良い影響を与えそうです。日本国内の会計規則や会社制度などのアメリカ風の規則への変更も徐々に進み、新たな基準で業績をあげる準備も整いました。外人評論家が「見えない革命」が進行しているとして今後の日本を持ち上げる理由の一つです。
 しかし、アメリカでは1980年代以降ご主人だけが働いている世帯の平均年収が20年以上横ばいなのに対し、女性も働く共働き世帯の平均年収だけが増加傾向を続けています。アメリカ風の制度の中で冒頭の話のような経験を持つ人が増えているとすると、今後日本でも目的意識をしっかり持った女性の職場進出が進み、その地位や処遇の向上が景気全体を底上げするかも知れません。女性の社会進出が進めば、以前「アットホームダッド」で取り上げたように世の中の仕組みも大きく変わっていくでしょう。こちらのほうが「見えない革命」ではないでしょうか。
 もちろんうだうだお父さんも、ずーっと企業戦士として仕事命の努力を続け、僕たちの生活を支えてくれていたのです。だだし、従来日本の男たちはまわりを過度に信頼するあまり、外の権威に弱く自分では考えない癖が染みついてしまっていたようです。実際90年代後半には、海外の自称カリスマ投資家の言説を真に受け、怪しげな投信や債券、派生商品を買って大損失を出した企業が続出しました。個人でも、社内だけの評価に気をとられ、自分の社会生活も趣味も気を配らなかった人も多いでしょう。この点女性は、子育てや姑問題を含め、自分の頭で考えながら常に現実と向き合う環境におかれているのかも知れません。  誰のために鐘が鳴っているのか、自分の頭で考える習慣を身につけることが、うだうだお父さんの轍を踏まない第一歩です。そのためには、テレビのキャスターや予想が当たった評論家や占い師などの言葉を鵜呑みにせず、自分の見聞を活かして自分で考え、自分が満足できる道を、タクシーの運転手さんのように探ることができるといいですね。(岩崎)

 パソコンで遊ぼう 
「東京モーターショー」
 今回で50周年を迎える東京モーターショーが幕張メッセで催されています。
 ガソリン高騰、環境問題などから次世代エネルギー開発で各社が鎬をけずり、燃料電池、水素エンジン、ハイブリッド等の模索が続いています。トヨタが一歩先んじているハイブリッド方式も「ガソリン+モーター」だけでなく「新型デーィゼル+モーター」という、より一層エネルギー効率の良い方式が提案されるなど、今後の展開でどのメーカーが主導権を握り、基本技術の特許を持つことになるのか、大変興味深い戦いが続くでしょう。
 今回のモーターショーで発表されたおもしろいものとしては、事故防止と安全運転支援システムです。車内に取り付けられたカメラが運転者の顔を認識し、わき見運転や居眠り運転を、顔の角度やまぶたの閉じ具合によって検知するというものです。また、車外に設置したカメラやレーダーで、壁などの障害物や前方の車との距離などの情報によって危険を検知し運転者に知らせます。ブザー音や音声による警告だけでなく、シートベルトを「ぐっと」締め付けるものや、エアコンから冷風を吹き付ける等の方法で運転者に知らせるものなどいろいろな方法が考えられています。各社とも数年以内に実用化を目指しているとのことですが、あまり頻繁に警告を出したのでは運転のじゃまになったり、運転者を不快にさせてしまいます。
 小泉首相ではありませんが「適切に判断して」警告してもらえたら、とても良いシステムなのですがどうなるのでしょう。  車のIT化はますます進みます。でも、ドライブは楽しいものであってほしいと私は願っています。 (田村)

 今週の話題 

「世界の人口」
 
 世界人口白書の2005年版がこのほど出ました。それによると現在の世界人口は64億人に達していますが、これが2050年には91億人に増えると予測しています。この増加の大部分は、貧困と闘っている発展途上国で起きるとみなされるので、事態は深刻です。
 現在でもこの地球上には、極度の貧困や飢餓に苦しんでいる人々が大勢います。それなのに 90億人以上という人口を養う力を、我々はどうしてもてるのでしょう。食料は?水は?住宅は?などなど、さまざまな難問が頭に浮かびます。
 この地球には、理論的には160億人の人口を養う力があるという説があります。しかし、それは地球全体がシステムとして最適状態で機能することが前提となっています。世界各地で起こっているテロ、民族紛争、宗教紛争をはじめ地球温暖化が原因と見られる旱魃(かんばつ)やハリケーンなどを考えると、最適システムを望むことは難しいようです。
 人口増加を減速させることは、いま人類が直面している最大の課題の1つです。解決のためには、発展途上国の貧困対策が欠かせません。国連を中心とした先進国の役割は重大です。(横山)

 


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