朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-05/12/26)

 

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12月26日号(第195号)


 身近なビジネス 
「日本の安心」
 景気回復傾向が明らかとなった年の暮れに気になる事件が起きました。証券会社での大規模な発注ミスや建築耐震偽装問題です。
 証券会社のミスは、単純に株数と金額を入力ミスしたものです。極端に安い価格1円で大量に売るという注文を間違って出してしまい、後で買い戻したために400億円近い損害が広がりました。同様のミスは、インターネットでの商品販売でも発生します。2004年にはヤフーショッピングでは27万円のパソコンが2787円で売りに出され、一億台の注文を受けました。ネット販売の場合は、極端な価格設定の場合『錯誤に基づく契約無効』を主張できる場合もあるようですが、証券ビジネスでは、プロ同士の間では一度口に出すと取り消せない諾成契約が一般的で損害は避けられません。
 価格を入力する仕事とは一瞬の気のゆるみで気の遠くなるような損害を被ります。では、今までこのようなミスは起こらなかったのでしょうか。日本でも海外でも度々このようなミスは起こっているのですが、従来は大きなミスが起こらないための心理的な枠組みが存在していました。ただしその枠組みは、日本とアメリカでは微妙に違っていたようです。
 アメリカでは多くの場合、小さなミスでも注文者個人の責任とされます。もともとその人自身が会社に席を借りているような契約型の社員であることも多いのです。このため自分の損害を最小に防ぐため、注文には細心の注意を払います。職業倫理や勤勉性の問題とは関係なく、社員個人の利害損得としてコントロールする枠組みです。
 一方日本の場合多くの社員は、会社や仲間に支えられて会社を中心に生きている感覚を強く持っていました。そのため際だって倫理的でない人でも一種の会社への責任感が生まれます。意地悪く言えば、仲間や会社の信頼を裏切れば、組織の中で村八分にされるだろうという恐怖感が、仕事の品質を下支えする枠組みです。
 過去大きな発注ミスを起こした国内外資系証券会社2社と銀行系証券会社の場合、注文事務を低レベル=低賃金の仕事と位置づける成果主義型の体制でありながら、責任を個人に帰属する枠組みは不十分だったと推察されます。同時にドライな成果主義型運営は日本的な組織帰属の枠組みも働きづらいため、注文者、管理者とも業務になれあう傾向がでやすいでしょう。管理規則の厳重化だけでは解決できない心理的問題です。
 一方、耐震偽装問題には、日本的安心感を逆なでする底意の悪さを感じる人も多いでしょう。今後米国型市場主義で行くのなら、個人の能力評価(資格評価)と同時に、意図的か過失かを問わず信頼を裏切る行為に対する罰則強化が不可欠となります。また、責任の帰属を個人に問うか、組織に問うかのバランスも調整する必要があり個人の責任が今まで以上に問われる社会になります。医療の世界では、インフォームドコンセントを始めとして少しずつこの傾向が広がっていますが、がん告知に見られるように、日本人のメンタリティからはしんどい世界になります。
 市場主義でも村社会でもない、新しい日本スタイルの形成が急務です。(岩崎)

 パソコンで遊ぼう 
「検索ワードランキング」
 恒例となったYahoo!JAPAN「2005年検索ワードランキング」が発表となりました。総合部門1位は「2ちゃんねる」、2位「Google」、3位「楽天」となっています。
 「2ちゃんねる」は、巨大掲示板サイトで1日100万件近い書き込みがあると言われ、大手企業のオフィスでは社内からのアクセスが禁止設定されるほどの超人気サイトです。書き込みは匿名で行われるために自由な発言や活発な論議を行っている反面、中傷や名誉棄損など問題を起こすケースもみられます。「Google」は、ロボット型と呼ばれる検索エンジンで情報量が多く、Yahoo!JAPAN最大のライバルです。「楽天」は、インターネット通販最大のサイトでプロ野球球団所有やTBS株の大量買い付けで話題となり、昨年の4位からワンランクアップとなっています。
 その他で目につくものは昨年32位から9位に急上昇した「ライブドア」は、ニッポン放送株買収や堀江社長の衆院選出馬でも話題となりました。また、全国で始めて大垣市にOpenした「ライブドアオート 大垣」はローカル的にもニュースでした。
 また、ネット関連で昨年のランク外から12位になった「mixi」も注目です。ソーシャルネットワーキングサイトと呼ばれる新しい会員制のブログで、会員のプロフィールを公開することが義務づけられていて、匿名ではなく素性を示すことで信頼できる相手同士がコミュニケーションできるということで人気が急上昇しています。ところが、同様のソーシャルネットワーキングサイトで、会員情報に偽りのプロフィールを書き込み信用させ、現金を騙し取る詐欺事件が発生するなど、今後の問題点が浮き彫りになりました。
 これ以外のランキングは下記をクリックしてご覧ください。 (田村)
           Yahoo!JAPAN「2005年検索ワードランキング」

 今週の話題 

「日本人の宗教心」
 
 今年もクリスマスがやってきました。近年は12月に入ると各地の商店街やデパートなどで電飾のクリスマス・ツリーを飾ることがめっきり多くなってきました。24日のクリスマス・イブの日は全国のケーキ屋さんが大忙しになります。子供たちとなると、サンタクロースの存在を疑っている子でも、サンタさんのプレゼントだけは期待しています。日本におけるキリスト教信者は大体150~250万人程度だと推定されています。しかし、この季節になると、日本国民の大多数がキリスト教信者の行事であるクリスマスに、何の疑問もなくかかわりをもちます。考えれば、とても不思議な現象です。
 
 それから1週間もたたない12月31日の大晦日になって、各地のお寺から108つの煩悩を払う除夜の鐘の音が聴こえてくると、みんな仏教徒になり神妙な気持ちになります。そして1時間もすると、日本国民全部が神道の信者になったかのように、近くの神社へ初詣にでかけます。考えれば、1週間のうちに3つの宗教を乗りこなしているのです。恐らく、こんな不真面目な宗教心をもった国民は他にいないと思います。世界には宗教(信仰)に命をかける人が沢山います。外国からすれば、日本人のもつ宗教心はとても理解しがたくて、日本国民が不可解に見えるだろうと思います。この問題は、グローバリゼーション時代に、日本人の前に立ちはだかった大きな壁です。 (横山)

 


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