朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-05/12/5)

 

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12月5日号(第192号)


 身近なビジネス 
「投資の達人」
 ホリエモンのように起業するより、証券会社で働けばあなたも簡単に成功できます。
 まず担当しているお客様を二つにわけ、半分のお客様には日経平均株価は上がりますといい、残りの半分には下がりますと言いましょう。しばらくたって、実際の株価の上下が当たった予言をしたグループの客を更に二分し、片方には上がります、他方には下がりますと言います。これを、5回繰り返すと、5回続けて相場を当てたことになり、あなたはそのお客様から投資の達人、天才と思われるはずです。2×2×2×2×2で32人のお客様がいればうち一人が天才と信じてくれます。300人くらいのお客様を担当していれば約10人があなたの相場予知能力を信頼してくれることになります。そして、あなたを神とも信頼してくれるお客様が10人いれば、あなたはNo1セールスマンになれます。  
 そんなバカな、と思うかも知れませんが、実は人間はしばしば頭の中でこの例と同じような操作をやって自分自身を欺いています。ある証券会社で株を扱っていない社員30人に、「あなたの相場の上げ下げの相場観はよく当たるか?」という質問をしてみたところ20人の社員が半分以上の確率で当たっていると答えました。全員の平均でも70%位の的中率になりました。その後1年に渡り毎月、翌月に日経平均がどうなるか予測してもらったところ、上昇下降の方向感の正解率は4割を切ってしまいました。  
 証券会社の人はみんな嘘つきだと言うわけではないのです。実は、人間は自分が当たったときのことしか記憶していなかっただけなのです。自分で売買していない限り、外れたときのことは比較的すぐ忘れます。一方、当たったときのことはだんだん話が大きくなって記憶するのです。  
 同時に人から聞いて興味を持った相場観も、結果として当たったものはよく記憶しています。そして自分も、もともとそう思っていたと思いこみがちです。釣りのがした魚は大きくなるのです。この特性をうまく使うと、冒頭の例のような証券ビジネス必勝法が生まれます。  
 では、投資のアドバイスは大抵信用できないのでしょうか。短期的なものはそう考えて下さい。投資で大切なのは自分の頭で考えることです。相場が良くなってくると自分自身を騙してしまった妙なフィナンシャルプランナーや専門家ヅラをした人たちが増えます。冒頭の話はもちろん冗談ですが、意識的にしゃれにならない形でお客様と取り引きしている人もいます。戯言に惑わされず、あなた自身が、良い経営をしていると実感した会社の株を長期で買うことです。  
 どうしても人のアドバイスを聞きたいのなら、いつまでに、いくらまで上がるのか、それは何故かも必ず聞きましょう。これに答えられない人は100%インチキです。株でも為替でも債券でも土地でも商品でも、この鉄則は常に成り立ちます。投資の達人とは売り時を押さえている人のことです。    (岩崎)

 パソコンで遊ぼう 
「iPod課金見送り」
 デジタル携帯音楽プレーヤー、いわゆるiPod型の携帯音楽プレーヤーを所有する人が大幅に増加し、MDやCD、カセットテープ型を大きく引き離していることは9月12日のコラムでご紹介しました。
 文化庁文化審議会著作権分科会は、いわゆる「iPod課金」の問題について結論を急がない方針を確認したと12月1日のニュースは報じています。このニュースは、以前のアナログ時代は音楽や映像を個人的利用目的で録音・録画することについて著作権の制限は受けないとされていました。しかし、世の中はデジタル時代となり音楽・映像のコンテンツ供給側にとって大きな問題が起きてしまったのです。それは何度コピーを繰り返しても音質や画質が悪くならないと言うことです。カセットテープ時代のテープヒスノイズという「シャー」という雑音を聴いたのはずいぶん昔のことでした。アナログ時代はコピーすれば必ず雑音が増え品質は劣化したのです。しかし、デジタルは違います、そこで「私的録音録画補償金制度」がスタートし、デジタル・コピーによる著作権者の利益損失を補償する方法としてMDやCD-Rディスクなどに一定の金額を加算して販売されるようになりました。  しかし、iPodなどのデジタル携帯音楽プレーヤーはMDやCDの様な音楽記録媒体を使用しないため、補償金の収入も減少してしまったのです。ハードディスクやメモリカードへの課金も、他の業界から音楽や映像を記録しない人にも課金することは反発を招きます。パソコンによって音楽・映像とデータ記録の境界が無くなってしまったために生じた問題なのです。
 音楽や映像のインターネットを使用したオンラインショップも始まったばかりで今後の動向はまだわかりません。著作者保護を優先しながらも、著作権管理技術と市場の両面を見ていかないと音楽関連市場が縮小してしまします。結論は平成19年度まで延期されましたが今後の動向を見たいと思います。    (田村)

 今週の話題 

「東アジア共同体構想」
 
 東アジアの地域統合をめざす「東アジア共同体」構想のことが、最近よく話題になります。12月にマレーシアで開かれる「東アジアサミット」での主要テーマにもなっています。サミットに参加するASEAN諸国や日本、中国、韓国など計16カ国が軸となり、何らかの地域統合を進めることになれば、31.6億人をカバーする市場が誕生することになります。 これは、EU(欧州連合)の4.5億人、NAFTA(北米自由貿易協定)の4.3億人をはるかに凌駕して、世界人口のほぼ半分を占める巨大な地域統合になります。  
 もちろん、この統合構想の進展が容易でないことは分かっています。域内各国には、経済発展段階に大きな格差のあることも重要な問題です。統合によって大きな利益を得る国とそうでない国とが出るからです。しかし、現在は域内の各国が、それぞれの思惑からモノやサービスの自由貿易を求めて二国間でFTA(自由貿易協定)を締結する動きが盛んになっています。各国がこうした二国間でのFTA網を充実させるよりも、もっと広くて大きな地域を対象として制度的統合をする方が、自由貿易の原理にかなっているというのがこの統合構想を推進する考えなのです。  
 しかし、前述したとおり国や地域によっては、統合による利益を受けられないだけでなく、逆に不利益さえこうむる場合もあるはずです。そうした国や地域に配慮し、その問題解決を優先して考えるのは、公正原理を追求することになります。「自由原理」と「公正原理」の対立ではなく、双方が融和できるような着地点を見つけてほしいものです。 (横山)

 


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