朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-06/01/16)

 

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1月16日号(第198号)


 身近なビジネス 
「豆腐ヘンーーシン!」
 今年の岐阜は例年より寒くなりました。夜は鍋物が恋しくなります。あつあつの豆腐と熱燗の一杯は最高です。ところで最近はめっきり小さな豆腐屋さんを街で見かけなくなりました。豆腐の手作り感は消えうせ、スーパーで2個100円なんて値段で売っています。豆腐屋さんも絶滅種に指定されそうです。世の中に豆腐好きは決して少なくないと思うのですが。  
 1年ほど前、東京のスーパーで変な豆腐を見つけました。30センチほどのミニチュアのサーフボードのような細長い楕円のパッケージに入っていて、ブルーの筆文字で大きく「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」と書かれています。300円もしたのですが、パッケージに惹かれてつい買ってしまいました。食べてみると、チーズケーキのように濃厚で、とろける舌触りです。シロップをかけるとお菓子にもなりそうです。ますます気に入ってしまいました。パッケージと味両方の強烈なインパクトで、そのスーパーに寄るたびに買います。最近は東海地区でも手に入るようで、ネットでも色々なブログに紹介されています。  
 作っている三和豆友のホームページを訪ねると度肝を抜かれること請け合いです。他にも男前豆腐、喧嘩上等やっこ野郎、厚揚げ番長などユニークな商品がそろっています。関西にも進出し、男前豆腐店という屋号で豆腐だけでなくストーリー仕立てのユニークなイラストで社員を紹介しています。  
 一発屋のようにも見えますが、この会社が豆腐という成熟・衰退商品に工夫を加えヒットを生みだしたのは5年も前からです。豆腐屋の桶で固まったばかりの豆腐をお玉ですくい上げ豪快に盛りつけた風情の「おたま豆腐」が爆発的に売れ、その後パッケージにも味にも工夫を続け、新製品を続々送りだしています。デザインなどの付随的な価値と味という本質的な価値両方を徹底して追及することで、豆腐という商品にもう一度新しい生命を与えました。  
 豆腐という古い商品を生き返らせようとしている経営者は全国に何人もおられます。「三代目茂蔵」のブランドを創った篠崎屋は、やはり味に工夫を凝らし、豆腐や、豆乳などを使った独自商品を街の酒屋さんに独自コーナーを設けて販売しています。スーパーでの安売りを避け、年齢50歳以上で地元の酒屋のオーナーからじっくり商品の良さを伝えて広める工夫です。同時に、地元の酒屋の売上げも安定し、高齢者の活性化にもプラスです。また、東京の野口屋野口博明社長は、昔ながらの行商で勝負しました。自宅の前をゆっくり通るリヤカーの若者は、会話の少ない独居老人には豆腐以上の喜びをもたらします。  
 以前取り上げたように、ダメだ、見込みがないと思ったビジネスや人生でも、常識や着目点を動かすことでイメージチェンジが可能です。さらに商品、パッケージ、販路を工夫すれば、差別化の効果で高めの価格設定でも売れます。高いことが逆にお値打ちに見えて来るから不思議です。    (岩崎)

 パソコンで遊ぼう 
「デジタルカメラ」
 大手カメラメーカーの「ニコン」は、1月11日デジタルカメラ事業に一層の経営資源を集中し、フィルムカメラ製品のラインアップを大幅に縮小すると発表しました。  
 フィルムカメラ市場は急速に縮小しており、経営資源をデジタルカメラ事業に集中するためで、フィルムカメラは、最高級機である「F6」と、入門機である「FM10」の2機種を除き生産を終了し、在庫がなくなり次第販売を終了するそうです。  
 デジタルカメラは、1980年代末に開発され、非常に高額にもかかわらず画素数が少なくフィルムカメラには性能的に遠く劣るものでした。1995年に発売されたカシオ製の液晶モニター付きデジタルカメラ「QV-10」がコンパクト・デジタルカメラ市場拡大の引き金になったと記憶しています。
 撮影したその場で写真を見ることができることから市場は急激に拡大し、現在ではフィルムカメラに劣らない性能を実現しましたが、同時に販売価格も急激に下落していてメーカーは対応に苦慮しています。  
 急激な市場の変化に対応できなかった京セラは、フィルムカメラ/デジタルカメラの両方の市場から撤退します。ドイツのCarl Zeissとの提携によって復活された「CONTAX」ブランドも終了となり愛用者であった私としてはとても寂しい気持ちです。
 カメラ専業メーカー、家電からの新規参入など乱戦が続いていますが、カメラ付き携帯電話という強敵を前にして、魅力ある商品力という点で明暗がハッキリ出てきていることも事実であり、メーカー間の売上げ格差が大きく分かれています。また、高額商品である一眼レフ型のデジタルカメラもメーカー間の競争が激しくなっており、こちらも低価格の波が押し寄せてくることは、ユーザーにとっては嬉しいことです。デジカメで撮影した写真を印刷するカラープリンターも高性能・低価格化が進み、新しいカメラの楽しみ方、写真の楽しさをユーザーが見つけたのだと思います。    (田村)

 今週の話題 

「中国の貿易黒字」
 
 2005年の中国の貿易黒字は1018億ドル(対前年比317%増)に達し、世界第2位の貿易黒字国となりました。ちなみに、第1位はドイツの1437億ドル(同7%増)、第3位は日本の568億ドル(同36%減)の黒字額でした。中国の輸出は、安さが売りの衣料品だけでなく、ハイテク製品が急拡大しており、これが黒字急増の原動力になったようです。  
 ところで、中国の貿易黒字は、米国をはじめ日本や西欧諸国による対中輸入の急増によってもたらされた側面が大きいのです。米国の貿易赤字に占める対中赤字の比率は26%にも上っています。中国の輸出にハイテク製品が急増しているのは、先に外国企業による対中投資と技術移転があり、その結果として生産されたハイテク製品が、投資本国を中心とした先進各国に引き取られているという背景があるからです。  
 中国の急激かつ大幅な貿易黒字によって、再度の人民元切り上げ圧力の強まることが予想されます。しかし、昔よくあった一触即発的な、戦争にも似た「貿易摩擦」の発生について誰も心配していないのは、投資と貿易が一体化していて、投資国と輸入国が同一国だという側面があるからなのです。グローバル化時代になって、国家間の関係はこのように益々ボーダレスの度合いを増してゆくものと思われます。   (横山)

 


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