朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-06/03/13)

 

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3月13日号(第206号)


 身近なビジネス 
「ジニ係数」
ここのところ所得格差の拡大が問題になっています。背景に小泉内閣の下で進められている規制緩和による競争社会の推進が、格差の拡大に拍車をかけているのではという危惧があります。
 格差の状況を見る指標のひとつに「ジニ係数」があります。ジニ係数とは、収入や所得の集中度を示す指標で、何パーセントの世帯が、何パーセントの収入なり所得を占めているのかということを示しています。ジニ係数「0」は、まったく格差がない状況を示し、ジニ係数「1」は、1つの世帯が、全ての収入や所得を独占している状態を表します。ジニ係数「0.5」は上位25パーセントの世帯が全体の75パーセントの収入あるいは所得を占めることを表します。つまり数値が「1」に近づくほど、格差があるということになります。そして、ジニ係数にはいろいろな算出の仕方があるのですが、総務省で発表している平成16年の世帯別年間収入のジニ係数は0.308で、昭和54年以降一貫して上昇してきています。つまり格差が拡大してきているということです。
 格差拡大反対派は、ジニ係数の上昇は勝ち組と負け組みという言葉に代表されるように、富の2極分化になり、落ちこぼれ層が増えることで社会不安につながると言います。 しかし市場経済には競争がつきもので、競争があればこそ経済が活性化され、より高いサービスの提供や商品開発が行われ、私たちの生活の向上に役立っています。一生懸命働いて、その結果富を得るということは市場経済において極めて当然のことです。一方で、額に汗せずインチキで金儲けをして、30億円の自家用ジェット機を乗り回すなどという輩を放置すれば、世の中の人々の不平不満が高まることは必至です。     (田ノ上)

 パソコンで遊ぼう 
「わが身を守る(2)」
 春休みを利用して学生の皆さんのパソコンのセキュリティー関連のチェックを行っていることは本コラムの2月20日号で紹介しました。メールサーバでのウィルスチェックを行っていることで、メールから感染するマスメール型ウィルスは見つかりませんでしたが、何台かのパソコンからスパイウェアが検出されました。ウィルス対策ソフトメーカーからの情報によると、最近はウィルスメールを勝手に送信するマスメール型の被害報告は減少していますが、スパイウェアあるいはアドウェアの被害が増えてきているようです。信頼できないインターネットサイトへの接続には注意が必要ですね。  
 今回のチェック作業を機に、学生用パソコン全てをWindows XP Service Pack2にアップグレードするとともに、ファイアウォールの設定、Windowsの自動更新設定について全てのパソコンの設定内容を統一してあります。特に自動更新については完全な自動更新ではなく、学生の皆さんに「意識して更新作業を行ってもらう」ことを考えて設定しました。パソコンに表示される警告や更新作業を促すメッセージの見方、対処方法等については、4月の授業を使って説明しますが、安全を他人(パソコン)任せにするのではなく、自分自身で意識して身を守るトレーニングを行ってもらいます。必要な更新作業を怠っている人にはこれまで以上にうるさく指導を行っていくつもりです。学生諸君、覚悟しておいてください。    (妹尾)

 今週の話題 

「グローバリゼーション(追記)」
 
 3週間前のコラム「グローバリゼーション(3)」を読んでくださった方から質問をいただきました。「行き過ぎた市場原理をチェックするために、公正原理に基づく有効性のある制御装置が必要だということですが、それにはどんなことをすればいいのですか?」というご質問でした。
 私は、「制御装置(コントロール・システム)」という言葉を使いましたが、実際にはいろいろな考え方、対策、仕組み、組織、法律、条約さらに国際機構など、様々なレベルでの装置が考えられると思います。既に機能しているものとしては、世界的連携の下に「スロー・フード」や「フェア・トレード」を推し進めている各国NGO,NPOによる運動があります。インターネットが普及したことにより、世界中の市民が居ながらにして意見交換することができるようになり、結束が図れるようになりました。NYに拠点を置く「Public Citizen」とかパリに拠点を置く「Attack」などのNGOは、その活躍がよく知られており国際的影響力も大きいので、大企業や政府、国際機関などもその行動を無視できなくなっています。こうしたNGO、NPOによる一層の連携運動に期待したいと思います。  
 もう一つは、やはり国際機関や各国政府による制度づくりが必要です。弱者が保護されない社会(国際社会)には、どんな未来もありません。例えば、1970年代に国連貿易開発会議の場などで議論された「共通基金」構想(一次産品の価格変動によって産出国が受ける影響を緩和するための国際基金の創設)は成立しませんでしたが、それに類するような「新国際経済秩序」づくりは、「公正原理」を機能させるために必要な装置だといえます。こうした制度づくりでの国連や各国政府による一層の努力を期待したいものです。   最後に述べたいことは、「市場原理」を追求する市場のプレイヤー達(主として企業)のことです。利益追求のためなら手段を選ばずというやり方は、本当の資本主義の姿ではありません。マックス・ウェーバーは、[資本主義の精神は、宗教的倫理観に裏打ちされたものでなければならない]ということを言っています。日本資本主義の父である渋沢栄一も、[富を成す根源には、仁義道徳や正しい道理がなければならない]ということを言っています。つまり、「市場原理」を追求する上で、手段を選ばずというやり方は許されるものではないのです。正しい倫理観に裏打ちされた手法や行動でなければなりません。資本市場のプレイヤー達には、人一倍強い倫理観、道徳観を求めたいものです。   (横山)

 


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