朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-06/05/22)

 

コラムに関するご意見はこちらへ→
5月22日号(第216号)


 身近なビジネス 
「やりくり」
 最近、小遣いのへり方がはやいなと感じることはありませんか。岐阜近辺の学生は自動車通学が多く、ガソリン代の値上がりがみなさんの財布を直撃しています。レギュラーガソリンの給油所での小売価格全国平均は先週136円、4月より5円の値上がりです。昨年の5月は124円、一昨年は108円でしたので、2年間で25%以上上昇したことになります。この間アルバイトの時給は横這いなので、やりくりに工夫が必要になっているはずです。  
 ビジネスでもみなさんの財布と同じ事が起こります。ガソリンに限らず石油は多くの工場を動かすエネルギーであり、同時にプラスチック等さまざまな化学製品の原材料です。原油価格の上昇は今までと同じ製品を作るための経費、原価を押し上げますが、製品の価格をすぐに値上げすることは取引関係から難しい業界が多いのです。この結果、企業の利益は原材料のもとである原油価格の値上がり分だけ圧迫されます。つまりやりくりが厳しくなります。  
 学生時代やりくりが厳しくなると、やることは皆同じです。贅沢を減らすことを考えます。携帯代やドライブを控えたいのですが、一度便利さを覚えた贅沢はなかなか削れません。このため、勉強に必要な本などの購入をしばらく先延ばしする、食費を削る、など別の出費を抑えるでしょう。  
 ビジネスでも同じく、まず贅沢を減らすことを考えますが、日本経済は長い不況を抜け出して間もないため、各企業はかなりスリムになっています。このため将来に必要な出費の先延ばし(設備投資の抑制)や、食費の削減(総人件費の抑制)を行うかもしれません。
 ガソリン価格の値上がりはまだまだ続きます。実は今回のガソリン価格の値上がりは1年前から予想できました。原油価格(WTI)は、1昨年は1バレル(159リットル)40ドル台でしたが、昨年は60ドル台に上昇、今年は70ドル台で推移しています。原油価格上昇に比べ国内ガソリン価格は取引慣行や競争もあって遅れ気味となっているので、今後もガソリン代に悩まされそうです。  
 バイト代が増えればなあ、と考えるかも知れませんが、時給が上がったときは今よりもっと苦しくなっている可能性が高いのです。色々な製品への原油価格上昇の価格転嫁が行われれば賃金も上がる可能性がありますが、この時にはガソリンだけでなくバイト代で賄う多くの商品の値段も上がっているはずです。収入と支出のいたちごっこがインフレーションやスタグフレーションが起こった時の怖さです。原油価格の上昇は、5%の消費税が更に上昇したのと同じようにみなさんの財布や企業に影響していきます。やりくりで賢く対応した人(企業)と、そうでない人(企業)の格差が広がる時期なのです。   (岩崎)  

 パソコンで遊ぼう 
「携帯電話とインターネット」
 Vodafone日本法人を傘下に納めたソフトバンクと携帯電話国内2位のKDDI(au)が18日にほぼ同時に記者会見を開き、ソフトバンクの孫正義社長は英国Vodafoneと共同で携帯サイトのグローバルプラットフォームを構築し、パソコンで成功した「Yahoo!」のポジションを携帯電話でも実現したいと話しました。また、KDDIも、携帯電話用ポータルサイトに「Google」を採用すると発表しました。これらの発表が同日に行われたのは偶然といっていますが、これによって携帯電話とインターネットの融合に一層加速度がつくことは明白です。
 19日総務省が発表した2005年末時点の「通信利用動向調査」によると、携帯電話やPHSなどのモバイル端末からインターネットを利用する人の数が、パソコンからの利用者数を初めて抜いてしましました。調査によると、個人のインターネット利用者数でモバイル端末からのものが1098万人増加し推定で6923万人に達したことで、パソコンからの利用者数の推定6601万人を上回ったのです。利用率から見ても、モバイル端末からの利用率が71.9%で、パソコンからの利用率56.7%を15%も上回っています。世代別でみても携帯電話を持たせてもらえない「6~12才」だけがパソコンの利用率が高いのを除くと全世代でモバイル端末の利用率がパソコンより高くなっています。
 PHSのウィルコムや携帯電話に新規参入するアイピーモバイル、イーモバイルともにインターネット接続に重点を置く方針が明かになっています。大御所であるNTTドコモが今後どの様な方針を打ち出してくるのでしょうか。今年秋にスタートする「携帯電話番号ポータビリティ制度」(携帯電話の事業者を変えても番号が変わらない制度)によって事業者間のサービスや料金競争が、より激しくなります。
  今年秋以降の携帯電話市場がどのように動くのか、どんな新サービスがスタートするのか、パケット料金の低価格化がどこまで進むのか、今からとても楽しみです。 (田村)

 今週の話題 

「まちづくり三法の改正」
 
 第164回通常国会で審議中の法案のひとつに「まちづくり三法の改正」(衆議院で可決、参議院審議中)がある。いわゆる、中心市街地活性化法、都市計画法の改正によるゾーニング(土地利用規制)、大店立地法の三法に関する見直しである。中心市街地は、まちづくり三法が制定されて以来、8年が経過するものの、衰退が深刻化しており、その解決は喫緊の課題となっている。
 今回の改正は、商業地、住宅地の郊外への拡散に一定の歯止めをかけ、公共公益機能、商業機能等の多様な都市機能を中心市街地に呼び戻すこと、街の活力の源泉である居住を街中に促すことを主旨としたものである。いわゆる、「コンパクトシティ」の考え方を背景とした街づくりの将来ビジョンを示したものといえる。
 中心市街地活性化法の抜本的な改正で注目すべき点は、①国による「選択と集中」の仕組みの導入(多様な都市機能の増進と商業等の活性化に意欲的に取り組む市町村に重点支援すること)、②民間主導による多様な関係者の参画(中心市街地活性化協議会を法制化して、基本計画に民意を反映させること。特に、商店街の地権者の参画)である。この2つが盛り込まれたことから、中心市街地への「都市機能の集積」と「街なか居住の推進」に向けて国の一歩踏み込んだ政策対応が見てとれ、一定の評価はできる。
 規制緩和が推進されるなかで、流れに逆行しているともとれるが、決してそうではない。街づくりの考え方の根幹となる今回の法改正は、近年における急速な少子高齢化の進展、消費生活の変化など、社会経済情勢の変化に適応するために必要不可欠である。人口減少社会を迎えた転換期にある日本にとって、今まさに、国が、そして、それぞれの都市が主体となって街づくりをどうするかに知恵を絞らなければならない。 (中畑)

 


戻 る

関連記事

  1. 朝日大学ビジネス企画学科~Webマガジン(News&コラム-2013/10/28)

  2. 朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-07/11/12)

  3. 朝日大学ビジネス企画学科~Webマガジン(News&コラム-12/2/13)

  4. 朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-02/08/26)

  5. 朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-03/06/30)

  6. 朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-07/09/03)

  7. 朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-05/11/14)

  8. 朝日大学ビジネス企画学科~Webマガジン(News&コラム-2014/6/23)

  9. 朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-04/12/20)

最近の記事