朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-06/06/5)

 

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6月5日号(第218号)


 身近なビジネス 
「不連続への挑戦?」
 ここのところまたまた企業の不祥事が問題になっています。損保ジャパンが6月12日から2週間の一部業務停止命令を金融庁から受けました。支払うべき保険料の不払い、契約の水増し、保険証の二重発行などが処分の理由です。こういった不正行為の原因として金融庁は、「営業偏重の企業風土にある」と指摘しています。さらに「実際の営業能力を無視した過大な売上目標を課した」こともあげています。
 「そうか、金融庁は企業に対してそこまで言うようになったか」と思いました。そして、かつて私が銀行に勤めていた時のことを思い出しました。 バブル発生前に私の勤めていた銀行で「不連続への挑戦」というキャッチフレーズを掲げたことがあります。当時収益力NO.1のライバル行においつくために、今までの実績からかけ離れた目標を営業店に与えたのです。今にして思えば金融庁のお叱りを受けるようなキャッチフレーズです。
 従来のやり方ではとても達成できない数字ですが、各営業店で知恵を絞り、汗を流せということです。本来そのような高い目標を与えるのであればそれなりの方策を考え、指示を行うのが本部の仕事ではないかと思っていましたが、まったくそれには触れられませんでした。私は急速に目標に対する意欲を喪ってしまいました。そして営業の現場では、定期預金証書の偽造、不正融資、過剰融資、投機資金への融資へと突き進み、大量の不良債権の発生へとつながっていったのです。
 まさに歴史は繰り返されるといったところです。企業の最大の目的は利潤の追求ですが、あくまでもそれは周囲との調和の取れた理にかなったものでなくてはなりません。
(田ノ上)  

 パソコンで遊ぼう 
「高速PLCの行方」
 昨年11月7日の本コラムでご紹介した「高速PLC」(高速電力線搬送通信)の実用化にブレーキがかかっています。一般家庭に配線されている電力線を利用する高速PLCは光ファイバよりも安価に、かつ電話回線を利用したADSLを上回る通信速度を実現できる技術として実用化のための検討が進められてきました。家庭内の電源コンセントに機器を接続することで簡単に家庭内のLAN構成を行うことができ、高画質の映像の送受信が可能となればパソコンのインターネット接続だけではなく、家電製品のモニタ、セキュリティーシステムへの応用等様々な用途が考えられます。しかし、電力線に信号電流を流すことにより雑音電波が発生し、アマチュア無線通信を妨害する等の問題が発生することから電力線に流す信号電流のレベルをどの程度に抑えるかが論争の的になっていました。昨年末には通信関係を管轄する総務省と機器メーカの間で電流の規制値(上限値)について合意に達し、機器メーカでは今年の秋の実用化を目指して機器の開発をおこなってきました。ところが最近になって現在の規制値ではアマチュア無線等への妨害が防ぎきれないという指摘がなされ、それを裏付けるデータも示されたことから信号電流の規制値を再度見直すことになってしまったのです。一方機器メーカ側では、これ以上電流値を下げれば高速通信に支障が発生するということで規制値の見直しには難色を示しているのが実情のようです。既に欧米諸国では実用化されている「高速PLC」ですが我が国での実用化にはもう少し時間がかかりそうです。    (妹尾)

 今週の話題 

「『阪神』タイガース」
 
 阪神・阪急経営統合問題が、村上ファンドとの関連もあり話題になっています。経営が統合されても、「阪神タイガース」のチーム名は残るようです。ここでは阪神タイガースというチーム名の持つ力について考えてみたいと思います。  阪神タイガースと言うチーム名は「阪神」電鉄+「タイガース」であると同時に、地域名としての「阪神」+「タイガース」でもあります。本来は社名である阪神ですが、その社名は地域名に由来しています。地域名としての阪神は、当然ですが大阪・神戸を指します。球団設立当初「大阪タイガース」を名乗っていましたが、ファン開拓を図り「阪神タイガース」に改称しました。本拠地である甲子園球場が、大阪市と神戸市の中間に位置する西宮市にあること、球場へのアクセス(阪神電鉄による)などを考えると自然なチーム名であると言えます。   
 Jリーグでは、企業名を外し「都市名+チーム名」を義務付け、ホームタウン構想を推進しています。企業名ではなく、地域名を名乗ることは多くのファンの愛着を掴むようです。  朝日大学のある岐阜県では「中日」ドラゴンズが最も人気のあるチームです。中日も、社名と地域名が重なっているチームです。ただ、「阪神」に比べて地理的範囲が広く、地域として認識されるには漠然とした名称のようです。  
 かつて、大阪を本拠地とするチームに「近鉄」(近畿日本鉄道)バッファローズや「阪急」ブレーブス、「南海」ホークスと言った球団がありましたが、「阪神」タイガースほどの人気を得ることは出来ませんでした。理由の一つは、地域性を表す名称にあったのではないでしょうか。  
 このように、阪神タイガースというチーム名には大きな力があります。経営統合が成立しても、阪神タイガースというチーム名を残すという判断は理解出来るものです。実際には、チーム名を変えることをファンが許さないでしょうが…。    (林)

 


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