朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-06/07/24)

 

コラムに関するご意見はこちらへ→
7月24日号(第225号)


 身近なビジネス 
「青い鳥」
 つい最近まで散歩が大嫌いでした。まず歩いて出かけるなんて面倒くさい。その気持ちを乗り越えて散歩をはじめても、せっかちな性分から早くノルマをこなすように家に帰りたいと思います。自分でも嫌になるほどの不精者です。ところが、ある日嫌々犬と散歩しながら何気なく近くの川辺に目をやると、金属光沢の青い陰がすばやく横切るのが見えたのです。ひょっとしたらカワセミ? 街中の汚れた川にいるのかなと、ちょっとわくわくしました。家に帰って家族に話しても、それは幻だよと信じてもらえません。
 それから犬の散歩のたびに川岸を見渡すと、今までスズメだとばかり思いこんでいた地味な黒っぽい鳥が、色とりどりの個性のある野鳥であることに気がつきました。家にあった古い双眼鏡でのぞき図鑑を調べると、鶯色のメジロ、クリーム色のシジュウカラ、羽に黄色い筋が入ったカワラヒワ、シマウマ模様でかわいいキツツキのコゲラなど、毎日発見が増えていきます。
 次は何を見つけられるだろうというときめきで、あんなに嫌いだった散歩が苦にならなくなりました。鳥を探し続けていると、むしろ犬のほうが早く家に帰ろうと綱を引っ張る始末です。求めるカワセミは3ヶ月近く見つかりませんが、幻のおかげでゴロ寝のテレビやゲームでは味わえない興奮と、愛すべき世界が身近にある幸福感を覚えました。鳥の小さな違いや鳴き声を区別できる知識もいつのまにか身につきました。
 日常の中の小さな違いに気がつき、それを大切にすることで世界が広がることは、ビジネスの世界でも良くあります。湿気の高い部屋の中で生干しした洗濯物の嫌な匂いは、独身者なら皆知っています。こういった場合、外国ではより強い刺激で匂いを消すのが一般的です。香水はこの目的で発達しましたし、胡椒は腐った肉を食べるための匂い消しでした。全部を黒く塗ってしまうような発想です。しかし「部屋干しトップ」や「ファブリーズ」などの商品は、嫌な匂いの元になる雑菌の繁殖を抑える商品です。日常のかすかな愛しい香りは大切にする逆転の発想です。ヒット商品になるのもうなずけます。
 小雨の中、今日も見つからないだろうとあきらめかけた先週の日曜日、橋の上でじっと目をこらすとすぐ目の前の川岸の枝から小さなカワセミが水面をみつめていました。青い鳥は、本当に僕たちのすぐそばにいるのです。 (岩崎)

 パソコンで遊ぼう 
「Zune」
 デジタル音楽市場は現在、Apple社のiPodとiTunes Music Store(iTMS)が独走状態にあります。以前の携帯音楽プレーヤは、Sonyのウォークマンが圧倒的な首位を誇っていましたが、あっさりとAppleが抜き去り、その後のSonyの追撃も全く刃が立たない状況が続いています。  
このデジタル音楽市場に巨人マイクロソフトが進出することが明らかになりました。マイクロソフトは、Apple社のiPodに対抗する、「Zune」というブランドの専用の携帯音楽プレーヤを提供します。発売は今年中ということで、クリスマス商戦がターゲットになるものと思われます。
 マイクロソフトはすでに、パソコン用音楽映像再生ソフト「Windows Media Player」と連動するオンライン音楽映像販売サービス(MSNミュージック)を展開しており、専用携帯音楽プレーヤの発売により、Apple社と同じ統合された音楽ビジネスモデルによって、同社を追撃することになります。
マイクロソフト社は、家庭用ゲームマシンXboxに続く家電商品進出第2弾となりますが、マイクロソフトと「デバイス・パートナー」として共同歩調をとってきた東芝や日本ビクターなどの携帯音楽プレーヤメーカとの関係もどうなるのでしょうか。  
 マイクロソフトとApple社の戦いは来年が本番となりますが、動向を注目したいと思います。   (田村)

 今週の話題 

「単位の捉え方」
 
 楽しい夏休みに入る前に、学生の皆さんは前期講義の総決算として期末試験を受けます。試験直前の講義では、多くの教員が試験概要について説明します。この際、学生からの質問を受けますが、その内容は決まって「どこを勉強しておけば良いか?」「どこまでが出題範囲か?」などに集中します。期末試験は、期間内の講義に対する理解度を測るために実施されるのですから、出題範囲が前期の講義テーマ全般に及ぶのは明白です。それにも関わらず、学生が同じ質問を繰り返す背景には、問題特定による学習時間短縮など、「なるべく楽をして単位を取りたい!」との意図を見透かすことができます。しかし、もし事前に出題される問題が特定され、その部分だけを学習するのであれば、もはやそれは「学習」ではなく、単なる「暗記」に過ぎません。講義を全欠席しても、試験に受かる可能性が生じるわけです。これは、学生が講義への出席を積み重ねることで得られる要素を、全く無視して単位が与えられることを意味します。  
 単位は、ある時点における実力の測定基準ですが、そればかりをクローズアップして考えてしまうと、どうしても上記の論理に陥ってしまいます。そもそも大学は、自らの実力を伸ばし、ノウハウを蓄えるために活用する機関です。大学生活を通じて、それが着実に実現できていれば、その成果として当然単位も取得できるはずです。「単位取得のための直前暗記」ではなく、「学習成果としての単位取得」が本来の姿です。  
 また、単位は大学卒業には不可欠かもしれませんが、卒業後にそれ自体が役に立つことはほとんどありません。社会に出た後は「単位を取った」という実績よりも、「現在進行形の実力がどの程度あるのか」という実態が重視されます。実力を伴った単位取得でなければ、社会では全く通用しません。試験期間だけでなく、日頃の講義についても、時間をただ浪費するのではなく、着実な実力向上やノウハウ蓄積の場として、有意義に活用してもらいたいものです。    (常川)

 


戻 る

関連記事

  1. 朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-02/09/02)

  2. 朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-07/05/28)

  3. 朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-03/11/17)

  4. 朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-02/09/23)

  5. 朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-07/04/23)

  6. 朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-03/06/30)

  7. 朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-03/09/22)

  8. 朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-09/3/30)

  9. 朝日大学ビジネス企画学科~Webマガジン(News&コラム-12/10/08)

最近の記事