朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-06/12/4)

 

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12月4日号(第244号)


 身近なビジネス 
「涼宮ハルヒの発見」
 「涼宮ハルヒシリーズ」というライトノベルが静かにヒットしています。シリーズ8巻合計で250万部以上売れているそうです。高校生の娘に聞くと、「オタク向けのツンデレだよ。父ちゃんが読むの? オヤジが買うにはかなり恥ずい表紙だし、読んでるところを人に見られたらイタイよ。」とのたまうので、意地になって若い友人に借りて読みました。    表紙は萌え系の美少女、中にもコスプレっぽい挿絵がいっぱいです。軽い調子でコミックのようにサクサク読めるのですが、読み進むうちに引き込まれました。萌えだけでなく、ギャグ、恋愛、SF、推理、冒険、薀蓄、多様な読者をひきつけるツボが山盛りで、ライトノベルの宝石箱です。さらに、世の中こんなもの、とさめて傍観者でいたい若者が自立していく成長物語、人と人とのコミュニケーションの難しさとその克服の物語としても読めます。ありえない非現実的なお話なのに、傷つくのを恐れてコミュニケーションを避けがちな僕たちのマンネリ化した日常生活でも、何か動いてみれば面白いことありそうじゃない、と思わせる生き生きしたバイタリティを吹き込んでくるのです。普通、物語は現実のように夢を描くものですが、夢のように描いた今の現実をうまく織り込んだお話は、久しぶりでした。  
 しかし、多様な読者を取り込める作風だけでは一部で話題になるだけでしょう。今回は、日本ではじめて小説と映画と広告を初めて組み合わせて売り出した歴史を作った角川書店が仕掛け人です。今年になってローカル局の深夜番組として放送されたアニメ、そのテーマソング、同時に発売されたコミック、手の込んだオフィシャルホームページ、いずれもが相乗効果を発揮しています。どれも一定以上のレベルで、特にアニメのクオリティは高いそうです。典型的なメディアミックスの成功例です。  
 若い人に何かを伝えるのにメディアミックスを使ったこの手があったのかと膝を打つと同時に、何かを伝えやすい伝達方法(メディア)は時代とともに変わっていくのだと痛感しました。明治大正時代の若者は小説を読むと大人に不良と叱られ、戦前時代の若者は映画を見ると叱られ、戦後はマンガを読むと叱られました。しかし、その時代の年寄りが怒ろうとも、若い人の隠れたニーズにフィットしてヒットするメッセージはどの時代も同質のものを含んでいます。ただ、伝達方法が、スタイルが異なるだけなのです。そして、ニーズにフィットした内容でも、受け手が受け取りやすい伝達方法を選ばないと伝わらないのです。手塚治がマンガで僕らの世代に吹き込んだ生命と人間の成長のメッセージは、倫理の教科書より鮮明に記憶されています。  
 ヒット商品を生み出そうとすると、ともすればニーズを満たす商品を考えだすことで頭がいっぱいになりますが、買い手にどうやって伝えるのか、その伝達方法が同じくらい大切です。クリスマスに恋人に告白したいなら、伝え方の工夫も考えてます? プレゼントだけじゃだめなんです。     (岩崎)

 パソコンで遊ぼう 
「LEDカンバス」

 今年もはや師走を迎えました。ついこの間、新しい年を迎えたと思ったのも束の間、一年が速いなと感じるのは私だけでしょうか。そしてまもなくクリスマスがやってきます。例年、このお祝いのために電飾による光のページェントが欠かすことができないようになりました。神戸のルミナリエが発端となり、今や名古屋駅前など多くの電飾ディスプレイが街を飾り、人々の目を楽しませてくれています。  
 電飾には、面電飾、電球、ネオン管などが一般的ですが、最近ではLED(Light Emitting Diode)がいろいろな場所で使われはじめました。LEDは、赤、緑、黄、橙など、様々な色を発光させることが可能です。また、高輝度でありながら消費電力がきわめて少なく、寿命も蛍光灯に比べて数十倍長く使えるなどの特徴があります。このため身近なところでは自動車のストップランプや表示灯などのほか、自転車のヘッドランプや懐中電灯、信号機にも広く使われるようになってきました。  
 近年、青色LEDが実用化され、これによって光の3原色の赤、青、緑が揃い、白色を表現できるようになり用途が格段に拡大しました。代表格は屋外用大型テレビジョンでしょう。名古屋駅南出口前に横幅10mを超える超大型LEDテレビが設置されて列車待ちの乗客を退屈させないように、また、野球場のバックスクリーンに設置され、観客サービスのために選手のファインプレイなどを大写しにたり、ギネスブックに認定される横幅70m巨大テレビジョンも開発されました。  
 現代生活の中で映像が不可欠となった今、映像表現ツールとしてLEDの存在がますます高まるように感じます。微細加工技術が向上して超小型のLED arrayが実現したとき、液晶に代わる自発光型の平面薄型表示装置が誕生するかもしれません。    (大山)

 今週の話題 

「来年トヨタは世界一か」
 
 トヨタグループ(トヨタ自動車、日野自動車、ダイハツ工業の3社)の2007年世界販売計画は、940万台前後になる見通しのようです。好調な海外販売を背景に欧米や中国などで、大幅な伸びが見込まれています。自動車メーカーで販売が900万台を突破するのは、業界最大手の米ゼネラル・モーターズ(GM)以外で初めてとなります。
 07年には、今年11月中旬に創業を始めた米テキサス工場のフル生産が見込めるほか、中国やタイでも新増設が相次ぎ、生産能力が50万台程度増える見通しになっています。主力の北米では約280万台と二位の米フォード・モーターに迫る販売台数を予想しています。昔のようなジャパンバッシングを避けるために、トヨタの対米戦略は現地生産と社会貢献を2つの柱としております。初の対米進出となったGMとの合弁工場「NUMMI」が稼動してから20年余りになります。トヨタはこの間カナダ、メキシコを含む北米での現地生産を拡大し、六番目の車両組立工場となったテキサス工場をあわせると、生産能力は年間175万台以上になります。
 北米での直接雇用は約4万人、関連する部品メーカーや販売店などの間接雇用を含めれば約40万人に達しています。効率的なトヨタ生産方式は今や世界展開する米軍が物資補給や調達方法として取り入れるなど、米国社会に根を下ろしつつあります。米国事業を統括するニューヨークの北米トヨタで06年5月、初の米国人トップが就任しました。テキサス工場の生産準備では、ケンタッキー工場やインディアナ工場の米国人従業員が応援に駆けつけるなど「米国人による米国人のためのトヨタ車造り」が総仕上げの段階です。
 日本車の強みであります高品質と低燃費を武器に、トヨタは小型車や高級乗用車などで販売を伸ばしてきました。しかし、世界中で伸びきった生産現場で、トヨタの高品質を維持するのは大変な努力と知恵が必要です。来年トヨタの販売台数は世界一になるかもしれませんが、それを継続できるかどうかは「高品質」が鍵になると思います。   (亀井)


 


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