朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-07/02/26)

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2月26日号(第256号)


 身近なビジネス 
「職場の品格」
 我が家では今テレビドラマ「ハケンの品格」が人気です。あらゆる資格を持ったスーパー派遣社員の大前春子さんが正社員の失敗の後始末を一手に引き受けるが、派遣社員への正社員の差別意識はなかなか改まらないというドタバタを描いたコメディーです。ただし、就職に不安を抱える学生にはコメディーに見えないそうです。では実際の職場はどうなのでしょうか。
 岐阜県内のホテルの高級中華料理では正社員のマネージャーが恭しく個室に挨拶に来ます。でも部屋にいるウエイトレスはお客の要求がなければ取り分けることもせず、マニュアル通り壁に目立たないように控えているだけです。一方、気持ちを伝えたい友人やお客様がみえたとき、よく利用する小さなイタリア料理店が自宅のそばにあります。アースマジックというその店は野菜を中心とした料理もおいしいのですが、アルバイト店員を含めた店内のスタッフ全員の本音の笑顔と気配りがとても心地よく、穏やかな気持ちで食事と人との交流を楽しめます。  
 近所のスーパーのレジ係の女性は、暇なときでも黙々とレジを打つだけです。わずか数個の総菜を買ったおばあさんがしんどそうにお財布からお金を出すあいだ、目線を下げてマニュアル通りポリ袋をカゴにおくだけです。その間に総菜を袋に入れてあげても損がないばかりか、お互い気持ちよくなれそうです。一方、以前紹介したお菓子屋さんのパートのおばさんは、レジを打つだけでなくお客様が実際に商品を食べる時を想定して対応してくれます。  
 このような違いは、皆さんがなかなか観察できないホワイトカラーの職場にもあります。ポイントはその職場が「人」を単なる経営資源と考えているか、それとも金や物と違って人だけが唯一成長する資源と考えているかです。機械は当初の性能以上のものを職場にもたらすことはありません。人は仕事から学びその結果仕事に精通してくれれば、職場が当初期待した利益以上のものをもたらす可能性があります。そして成長した人はもらう給料以上の満足感を時に感じます。ただし、人を成長させその果実を職場も本人もが味わうには時間と職場内の共感、つまり品格が必要です。  
 就職活動は、普段は見られない各職場の品格をかいま見る機会なのです。大企業や、「ご利用は計画的に」と良心的な宣伝をテレビで繰り返している企業が将来幸せに仕事ができる企業とは限りません。人を育てることで利益をあげようとしている職場なのか、人から労働を買い取ることで利益をあげようとしている職場なのか、実際に見て感じるチャンスは今だけです。    (岩崎)

 パソコンで遊ぼう 
「次世代コンビニ戦争」
 徳島の自宅で何気なくテレビ放送を見ていたときに、コンビニ戦争勃発のニュースにくぎづけにされてしまいました。四国地区は全国より早くコンビニ成長にかげりが出始めた地域ですが、なぜかその四国にコンビニ大手が新しいスタイルの店舗を次々に出店しているのです。
 コンビニは、住まいに隣接し、いろいろな生活必需品をそろえた小型百貨店で、近接の住人にとって手軽で便利、そのうえ24時間営業でいつでも必要なものが手に入る大変ありがたい存在です。しかし最近では過剰出店により、成長に陰りがみえはじめ、そのような状況下にありながら、四国という過疎地でファミリーマートとローソンが新たな戦略をとり始めたとのニュースだったからです。 “次世代コンビニ”との紹介でしたが“次世代”とは“次の世代を担う若者”のことではなく“次に訪れる高齢化社会”を見据えた意味でのシニア世代をターゲットにした、したたかな戦略のことのようです。
 ファミリーマートでは福祉サービスを事業に取り込むために店長に介護資格を取らすための教育や、高齢客を意識した通路幅の拡大や、照明を明るくして商品確認を楽にする工夫や、また、商品・価格ラベルの文字を大きくして読みやすくするなどいろいろな試みをおこなったり、他に新店舗ローソンPLUSがシニア層に向けて健康・カロリーをキーワードに商品展開するなど、コンビニ業界全体でこれから団塊の世代に照準を合わせた事業展開がさらに進められようとしています。
 テレビをみていた中で大変印象に残ったことが、すべてに東京一局集中傾向が強まる中で、またシニア世代が利便性・安心を考えて都市部のマンションを志向する中で、“シニア世代が望むスローライフを過疎地においてコンビニエンスストアがその役割を果すことができるのでは”とのコメントに、なるほどな、と考えさせられました。    (大山)

 今週の話題 

「現地現物」
 文部科学省は教員免許を持つ入省数年の若手キャリア職員を、全国各地の公立中学校に1年間派遣し、教員として教壇に立たせる研修制度を2007年度から導入することを決めました。教育現場を肌で感じて国の教育行政に生かしてもらうほか、政策の発信役をしてもらって「現場との距離を縮める」のが狙いだそうだが、大変良いことだと思います。昨年相次いだいじめによる自殺や高校必修科目の未履修問題で、現場の状況把握に手間取ったことなどの対策として、若手官僚に教員修行をさせることになったと思われます。  
 トヨタでは「現地現物」という言葉で現場重視の考え方を表現しています。すべての仕事の基本は現場にあるといわれます。現場というのは、製造現場に限らず、設計でも販売でも仕事の成果が出る場所です。何が良かったのか、何が悪かったのかは現場に出てみないとわかりません。常に現地に行って、現物を確かめる心掛けが大切です。現場が分りやすくなっていなければ何か問題が起きた時、何が悪くてどこを直すべきなのかが見えてきません。そこで、誰が見ても分かるようにするために「目で見る管理」や「視える化」が必要になってくるのです。そしてPDCAを回し、チェックの段階でよい結果が出れば「標準化しましょう」「横展しましょう」となり、悪い結果であれば「もう1回改善しましょう」というアクションにつながります。  
 現場を重視することは、そこから良いチエが生まれ、良い製品が生まれ、高い利益を生み出すことができるからです。    (亀井)

 


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