朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-07/03/19)

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3月19日号(第259号)


 身近なビジネス 
「卒業生への送辞」
 社会にでると、一生懸命にやっても自分にはコントロールできない事情でうまくいかないことがたびたびおこります。その時あなたはへこみますか、それとも最初の目的とは違う何か別のものをつかむ可能性を信じますか。  
 入社して10年たち仕事を覚えた後、僕は商品を企画・開発する楽しさにのめり込みました。すると2年後に設立が予定されていた金融先物取引所(TIFFE)の商品設計を他の銀行の人と練り上げるという、やりたかった仕事が回ってきたのです。それから1年、色々情報を集め工夫を凝らし、他銀行との調整に夢中で取り組んでようやく形になりこれから最後の詰めにはいるぞ、と意気込んでいたある日、突然上司に呼ばれ今まで経験のない仕事を長期出張して手伝うよう命じられました。いわゆる左遷というやつです。  
 「金融先物はどうするのですか。」という僕に上司は「それは別の人に引き継いでくれ。」との返事。完全にへこんだ僕はそのままデスクを離れて銀座の町をあてどなく歩き回り、小さい映画館に飛び込みました。大人げなくグレたのです。映画は何でもよかったのですが「タッカー」という洋画でした。  
 今から60年前に生まれたタッカー・トーピードというかっこいい車は知ってはいました。エアロダイナミックスを意識した流線型のボディ、居住性を意識したリアエンジン、セミAT、シートベルトなどの安全設計、40年は時代を先取りした車です。その名車がどうして生まれたのか、なぜ50台しか作られなかったのか、映画は主人公タッカーとその仲間について史実をたどりながらも夢のように描いていきます。ラストシーン、大企業の陰謀による裁判ですべてを失ったタッカーに仲間が「悔しいだろう。」と声をかけます。しかしタッカーは裁判中に落書きしたスケッチを見せてこう答えます。「50台だけだけど車は作ったから満足だ。それよりこの小型電気冷蔵庫はどうだい。これが作れれば牛乳を保存でき、アメリカ中からくる病の子供をなくせる。」  
 今から考えればタッカーとは比べようもないのですが、その日は自分の状況に重ね合わせ、暗闇の中で泣きました。そして次の仕事でまた夢を追えばいいのだと、不思議とすがすがしく思い直すことができました。グレなければ、偶然映画館に飛び込まなければ、違う映画だったら、それからはずっと後ろ向きで仕事に取り組んでいたかもしれません。コントロールできない事態はそのあと何回も起きましたが、そのたびに「タッカー」を思い出しました。
 もし仕事で落ち込んだときには、そのことばかり考えず身のまわりの些細な偶然に目を向けてみてください。あなたの「タッカー」が見つかるかもしれません。    (岩崎)

 パソコンで遊ぼう 
「LED照明と地球環境」
 
 卒業シーズンを迎えました。この時期、卒業生の多くは社会に巣立つことに期待と不安でいっぱいではないかと思います。新しい門出は、やっぱり明るい環境で迎えてほしいものですね。
 そんな配慮かどうかは?ですが、愛知県瀬戸市にある中堅の電子部品メーカーが、新入社員向けに新しく建設した社員寮のすべての照明にLEDを採用したという記事が紹介されていました。
 LEDは、近年青色の商品化や大電力化などの技術の進化や、またLEDがもつ特徴でもある高輝度、低消費電力、長寿命、小型軽量化、と相まって、用途開発が急速に進む状況にあります。いままでは車や電子機器、などの工業用中心であったものが一般家庭をターゲットにした応用商品の開発が行われ始めました。
 この電子部品メーカーでは、LEDを社員寮の照明に全面採用することで、傘下におさめた照明機器メーカーの持つ新しい照明技術を最大限生かして今後の事業拡大の柱にしたいとの思惑もあってこの社員寮をショウルームとしても利用するようですが、家庭で照明用に消費される電力を十分の一以下に減らす効果が得られることは間違いなさそうです。
 地球環境破壊による危機への関心が急速に高まる中で、省電力(=省エネルギー)を正面でとらえて地球環境保護につなげようとする企業姿勢に大きな拍手を贈りたいと思いますし、このような地道な活動の積み重ねによって地球保護につながっていければいいですね。     (大山)

 今週の話題 

「トヨタウエイ」
 トヨタ自動車は2007年11月、創立70年の節目を迎えます。今年の生産台数は942万台、販売台数は934万台の計画であり、米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜いて世界の自動車業界の頂点に立つと予想されています。世界の自動車産業は大量生産の技術を開発したヘンリー・フォードが1903年に米フォード・モーターを興し、幕を開けました。
 トヨタはそれから30年後の33年、創業者の豊田喜一郎が豊田自動織機製作所(現・豊田自動織機)に自動車部を設置して、スタート台に立ち、37年トヨタ自動車工業を設立しました。戦後まもなく経営危機に見舞われましたが、朝鮮動乱の特需に救われ、60年代の高度成長期とモータリゼーションの波に乗って成長しました。
 私がトヨタに入社したのは66年ですが、そのころは米国のビッグ3を抜いて世界一になるなんて、誰一人として夢にも思いませんでした。ただ創業時から脈々と流れる「モノづくり」へのこだわりは、トヨタ生産方式として開花し、海外展開でも日本から大勢の技術者が世界を回ってトヨタ生産方式を広めました。トヨタの事業の世界的広がり、事業領域の拡大に伴ってグローバルトヨタとして共通の経営上の信念・価値観を共有するために2001年に「トヨタウエイ」ができました。「暗黙知」としてトヨタの中に受け継がれている経営上の信念・価値観を、誰の目にも見え、体系だって理解できるよう「トヨタウエイ2001」として整理・集約されました。これはトヨタに働く人達の行動原則となるものです。
 トヨタウエイの2本の柱は「知恵と改善」そして「人間尊重」です。現状に満足せず、より高い付加価値を追求しそのために知恵を絞り続けること、あらゆるステークホルダーを尊重し、従業員の成長を会社の成果に結びつけること、この2つを念頭において行動することが、トヨタで働くものに、求められています。     (亀井)

 


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