朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-07/05/28)

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5月28日号(第269号)


 身近なビジネス 
「民間刑務所誕生」
 5月中旬に山口県美袮市に全国初の民間刑務所が誕生しました。正しくは警備、職業訓練などの運営の大半を民間に委託する「美袮社会復帰促進センター」ということになります。凶悪犯を除いた初犯の受刑者を対象にした刑務所で、これによって経費が約48億円削減されるということです。  
 しかしまだまだ国、地方公共団体のやっている事業の中には効率化を図るべき点があるように思えます。たとえば公共団体の交通、清掃などの現業部門の運転手、清掃員の給与は、民間の1.5倍から1.6倍になっているというデータがあります。公共団体ですから業績に関係なく一律の給与体系によって算出された結果そのような数字が出てくるのだと思いますが、既得権に捉われ、これはあまりにも採算を無視していると思います。
 いかに公共性重視の赤字覚悟のバス路線・清掃事業とはいえ、採算を度外視して良い訳がありません。一定の赤字額を補填する形で民営化するといった方法はいくらでもあるはずです。
 ところで、実は4年半前にコラムで「近未来をテーマにして映画の中で、刑務所が民営化されていました。そこまでいくと、サービスや顧客満足度をどのように判定するのかなと、ふと考えてしまいます」(2002年10月28日付-第30号-「日本郵政公社と効率性」)ということを書きました。この時はまさか刑務所が本当に民営化されるとは思いもよりませんでした。日本の規制緩和のスピードは私の想像をはるかに上回るようです。  (田ノ上)

 パソコンで遊ぼう 
「電子マネー、普及期に」
 
 今年に入っていろいろな電子マネーが登場してきました。それまでは「Edy」、「Suica」の2大勢力による覇権戦争が繰り広げられていましたが、今年、セブン&アイとイオンの流通2強がそれぞれ「nanaco」と「WAON」の名称で電子マネーを登場させたことで交通系に加え流通業界の2強の電子マネー事業への参入によって、私たちの生活の中に電子マネーがより身近なものになってきました。  
 現金を持ち歩かなくても、スーパーマーケットのレジや鉄道運賃支払いが簡便にできるところがうけて、年々利用者を増やしてきていましたが、首都圏中心のシステムかな? との感がありました。しかし最近では、コンビニやタクシーなど地方での利用も拡大してきており、加えて、利便性以外に電子マネーを使えば現金のときよりもさらに割引をしてもらえたり、ポイントも付加されてさらに買い物がお得、という利用者メリットもあるようです。若い人には「オサイフケータイ」が人気で、電子マネーの残高チェックや残金不足の場合にはその場で現金チャージができるなど、カードにないメリットもあってすでに2500万人ほどが契約されているそうです。  
 電子マネー普及の影響でしょうか、ある民間のシンクタンクが発表した調査データでは、この1年間の硬貨流通量が6億枚減ったそうで、電子マネー時代への予兆なのかもしれません。中でも「オサイフケータイ」は幅広い利用性をもち、いつでも、どこでも、誰でも、使え、セキュリティ性も高く、落としたときも盗られたときも、不正アクセスへの安全性が高く、安心して使える情報端末として増えているようです。 電子マネーが単に利便性・効率性追求にとどまることなく、現金を持ち歩かなくなることで、犯罪が減り、より安全な社会形成につながることに期待を寄せています。    (大山)

 今週の話題 

「電子マネーと流通」
 JR東海の「TOICA」に続いて、7&I、イオンなど流通大手の参入によって、東海圏でも電子マネーが身近な物になってきました。
 首都圏では、JR東日本の「Suica」が乗車券として使われ、「EDy」がコンビニや飲食店など使用できる店舗数を急激に増やしています。これに加えて関東圏の私鉄各社の共通乗車券としても使える「PASMO」が参入し、一時販売中止に追い込まれるほどの状況となっています。ICチップを組み込んだカードや携帯電話を読み取り機にかざすだけで瞬時に決済が行われ、小銭を持ち歩かなくてもよいという利便性から普及が進んでいます。   電子マネーは、大きく「交通系」と「買い物系」に大別され、交通系はJR東日本「Suica」、JR西日本「ICOCA」、JR東海「TOICA」、関東私鉄共通「PASMO」、そして、買い物系がSony「EDy」、7&I「nanaco」、イオン「WAON」、NTTドコモ「iD」、JCB「QuicPay」、三菱UFJニコス「SmartPlus」、VISA「VisaTouch」など種類が急激に増えています。
 これらの電子マネーは、金額の補充方法などによって、盗難や紛失による保証などにも違いがあります。また、利用者の使い方によってメリットも異なります。交通系はほとんど「プリペイド型」で、事前に専用の端末からお金を入金して、その金額の範囲で利用する物です。一般に上限は2万円程度に設定されていて、購入時に審査などの煩わしさはありませんが、盗難紛失での保証は無く、カード残金のチェックも必要です。
 これに対して、クレジット会社や携帯電話系のものは、「ポストペイ型」で、事前審査を受ける必要があります。一定期間使用した金額を一括クレジット決済する方式のため、残金管理は必要なく、盗難紛失時に連絡することで保証を受けることができます。
 7&Iやイオンが電子マネーに参入する理由は何でしょう。釣り銭を調達する手間の削減、レジの待ち時間短縮、目視で行っていたお客の年齢、性別の正確性、顧客の囲い込みなどの理由を各社の広報は言っていますが、7&Iでは100円に1ポイント、イオンでは200円に1ポイントのインセンティブを付けてでもお客に電子マネーを使ってもらうメリッとは、なんと言ってもPOSで決済された金額と、レジに入った金額が一致しないために起こる人的、金銭的なロスの解消です。このため、コンビニ各社は電子マネー導入に積極的な動きをすると考えます。
 現在、EDyが3,000万枚、Suicaが2,000万枚と普及が進んでいますが、JR3社のカードが来年3月相互利用可能となるなど、カードの相互利用拡大と各カード共通利用可能な端末機の設置が進むことで電子マネー、そして流通は大きく変わります。    (田村)

 


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