朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-07/06/18)
パソコンで遊ぼう |
「Wiiが切り開いたもの」
昨年末に相次いで発売されたニンテンドーWiiと、SonyのPlayStation3(PS3)ですが、半年を過ぎて販売台数はWiiが200万台以上、PS3が100万台弱と2倍以上の差がついてWiiの圧勝という結果が報じられていました。 PS3は、超高速画像処理能力を得るために新規にCPUを開発し、次世代DVDと言われるBlu-ray Diskの搭載という最強・最新鋭ハードを装備し、莫大な開発費をかけて発売されました。対するWiiは、何といってもリモコンの操作性に尽きると思います。 Wiiの電源を入れると「Wiiメニュー」が表示されます。ここで登場するのがテレビ画面に表示されたメニューアイコンを選択するための「立体マウス」です。リモコンを画面に向けて上下左右に動かすと画面上の指さしマークが移動します。 テレビの画面の近くに「リモコンの動きを感知するセンサーバー」を置くように書かれていますが、このセンサーバーをカメラ付き携帯電話で見ると左右に5個ずつの赤外線LEDが点灯しているのが見えます。どうやらセンサーバーがリモコンの動きを感知しているのではなく、リモコン側に赤外線を感知するカメラが付いていてセンサーバーを基準としてリモコンが向けられている方向を検出し、指さしマークを移動させていると思います。カメラ付き携帯電話を使うとテレビのリモコンなどの赤外線を見ることができるので、試してみてください。 この他に、Wiiリモコンに内蔵されているのが3次元加速度センサーで、これが大きな働きをしています。加速度センサーは自動車のエアバッグやカーナビに使われているもので、自動車の衝突方向の検出や、交差点を直進したかカーブしたかなど移動方向の検出にも使用されているもので、主に左右の動作方向を検出するために使用されていますが、Wiiリモコンでは、これに上下方向の検出を加えた3次元(立体)の方向検出ができるもので、バットやラケットなどの動作検出にこのセンサーが使われています。ベースボールのバットの様に、リモコンをゆっくり縦から横にするとバットをかまえた状態からバントの位置などに動かすことができます。これは3次元加速度センサーの重力検出機能によるものです。 また、リモコンにはスピーカと携帯電話と同様にバイブレータが内蔵されていて、ボールなどを打つと音と共に振動が手に伝わります。本体とリモコンの間はBluetooth(ブルートゥース)と呼ばれる無線方式でむすばれていて、テレビのスピーカからの音とリモコンのスピーカをあわせたおもしろい立体音響効果を作りだします。 ゲームで汗が流せたり、息が切れるほどの運動ができることは画期的であり、ファミコン以来、十字キーとボタンでのゲーム操作方法から飛躍的な進歩です。ドコモの新型携帯電話にも加速度センサー内臓のものが発売されるなど、この体感型操作方式は、ゲームだけでなく人間と機械のコミュニケーションの新しい方向を切り開きました。 (田村)
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今週の話題 |
「一人は皆のために・・・」
過日、「キリンカップサッカー2007」の最終戦(勝つか引き分けで優勝)で日本代表は南米の強豪コロンビアと対戦し、0対0の引き分けで優勝という結果でした。結果はともかく、日本代表の試合としては近年にない見ごたえのある良い内容だと感じたのは私だけでしょうか。辛口でさまざまな迷言?を残してくれるオシム監督も、 「ボクシングなら、合計点では判定勝ちの内容でした」と、この試合に関しては賞賛の言葉を残しています。よほど内容に手ごたえを感じたのでしょう。この試合には海外で活躍している中村俊輔(スコットランド:セルティック)や高原直泰(ドイツ:アイントラハト・フランクフルト)といったすばらしい選手が加わっていましたが、彼らの力を頼っての結果ではなく、オシム監督の求める「考えるサッカー」、「走るサッカー」そして「エレガントなサッカー」が出来ていた、いや、出来つつあることが確信できたために飛び出したコメントではなかったでしょうか。ゴールには繋がらなかったものの、流れるようなパス回しとTV画面の外から湧いて出てくるかのように次々に画面に現れる選手たちによってショートまでこぎつけたシーンはオシムサッカーの求める一つの形を見たような気がします。このようなシーンは後半に今までになく多く観られました。 さらに、オシム監督の試合後のインタビューで「一人は皆のために、皆は一人のために」という言葉があったような気がします。これは、フォワードの選手がボールを奪われたらその瞬間からそのボールを追いかけるという一選手の努力がディフェンスを整える時間を作ってチームを助ける《一人は皆のために》、また、パスを受け渡した選手のみならずそうでない選手も自分が動くことによってチームにとって有利なスペースを作るなどして全選手の連携で繋いだボールをゴールする《皆は一人のために》、と言うようなことです。「スター選手は要らない、全員でサッカーをしよう」という彼の思いが伝わるフレーズです。これこそ「チームワーク」の原点ではないでしょうか。スポーツ経験(特に団体競技)のある人なら、自分自身のプレイの中で体験済みで十分理解していただけると思います。このことを社会で実践できたら、なくてはならない人物になれるかも。 ところで、このフレーズを私たちの身のまわりの社会に当てはめてみると、「お父さんは家族にために、家族はお父さんのために(ちなみに6月17日は父の日でした)」、「先生は学生のために、学生は・・・」、「社長は社員にために、社員は・・・」etc.。さて、私たちは誰のために何ができるのでしょう。 (山本)
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