朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-07/09/03)

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9月3日号(第283号)


 身近なビジネス 
「予想する能力」
 最近、ある菓子業者が主力商品の賞味期限を変更し、食品から細菌が検出された事件がありました。この事件で同社の製品を販売していた観光業者は大きな影響を受けたのですが、地元のJリーグチームも対応に追われました。この菓子業者がJリーグチームの大スポンサーで、ユニフォームには問題の商品のロゴが入っていたためです。
 このように企業は予想が困難な状況に直面することがあり、その状況にいかに的確に対応するかが企業の将来を大きく左右します。  こういった突発的な事件に備えるため、リスク管理の重要性が叫ばれています。リスク管理の難しさは、予想もしなかったことに対して、判断の難しい対応をスピーディーに行う必要があることです。そのために、事件に的確に対応できる準備をしておくことが重要ですが、事件が生じたときに発生する事態についてできるだけ具体的に予想することも重要です。予想の良し悪しが準備の良し悪しにつながるからです。
 こういった能力は一朝一夕には作れません。いろいろな過去の事例が起きたときに、それを教訓として企業内にノウハウとして取り込み、それを生かして将来を予想し、できるだけ適切な対応を行おうとする地道な努力が必要です。そして、日本の勝ち組の企業はそういった能力を着実に身に着けつつあるように思います。  
 学生を見ていると、実際に問題が起こって初めて行動することが多いようです。そのときの痛みをぜひ次に生かせるよう、予想する能力も鍛えていってほしいと思います。
(村橋)

 パソコンで遊ぼう 
「備えあれば憂いなし」
 
 首都圏では、電力の供給が需要に追い付かなくなる懸念が連日報道されています。お盆休みが終わり、企業活動が本格的に再開し、猛暑による冷房使用が大幅に増加しているためです。地震被害を受けた柏崎刈羽原発の停止も、需給逼迫に追い討ちをかけています。最近の気候変動や原発再開に要する時間を考えれば、今後も同じ(もしくは更に悪い)事態が続くと思われます。
 一方で、ノートパソコンや携帯電話の動力源であるリチウムイオン電池の不具合が、昨年来、相次いでいます。先日も、世界最大の携帯メーカーであるノキア製機器の火災が報道されました。多機能、大画面が大きな動力源を要する一方で、小型化も図られています。 現在の技術力では、電池の小容量高密度化は、安全レベルの確保とトレードオフの関係にあるようです。高性能化と小型化が同時に進められる中で、問題はなかなか解消されないでしょう。
 電力は日常生活に欠かせないエネルギーですが、改めて観察すると、その供給体制は極めて不安定なものだと気付かされます。各方面の努力によって、無風状態が長く維持され、その安定性が絶対的なものであると錯覚しているだけなのです。
 電力需給の逼迫を受け、暑さの心配をした人に比べて、パソコンの心配をした人はどれだけいたことでしょう。一時的な暑さは凌げますが、停電で失ったデータは元には戻りません。電池の不具合で故障したパソコンは、新機器と交換できますが、保存データが問題なく回復するとは限りません。これらは、パソコンを利用する際には、常に「あるかもしれない」と想定しておくべきです。パソコンは万全ではなく、実は、電力を含めた不安定要素を頼りに動いているに過ぎません。
 パソコンの予期せぬ不具合を防ぐことはできませんが、データ消失の被害を最小限に抑えることは可能です。文書作成時は一定間隔で保存作業を行う、大切なファイルはパソコンとは別の記録媒体に複写(バックアップ)しておく、などです。想定される事態に備えて、必要な措置を講じておくことは、パソコンを利用する上での基本事項です。他者に依存するのではなく、「自ら備えて自ら守る」という意識が必要です。    (常川)

 今週の話題 

「女子マラソンに期待」
 8月25日に世界陸上が開幕しました。連日テレビで放映されており、残念ながら日本選手のメダル獲得はありませんが(8月31日現在)、陸上競技の面白さは十分に伝わってきます。以前のコラムでも書いたとおり、「一瞬の風になれ」「風が強く吹いている」など陸上小説に熱中した後ということもあり、感情移入しながら見ています。  
 多くの種目・選手の中で、私は女子マラソンの橋本康子選手に注目しています。  
 橋本選手は、日本生命女子陸上部の廃部に伴い、セガサミーに移籍をしました。年を追うごとに実力を伸ばし、ベルリン・マラソンや名古屋国際女子マラソンでの優勝を経て世界陸上の代表に選出をされました。  
 私が橋本康子選手に注目する理由は、知人ということもありますが、企業チームの廃部に伴う移籍を機にレベルアップした、という点にあります。  
 もちろん、移籍以前から橋本選手は好選手であり、あるいは順調に日本代表に駆け上がったかもしれません。しかし、やはり粘りのある走りや、30歳を越えてからの成長を見るにつけ、「チームを失った者の強み」を感じずにはいられません。  
 同様の例は、東北楽天ゴールデンイーグルス(以下楽天)を見ても感じます。楽天は、オリックスと近鉄が合併する際に、プロテクトされなかった選手を中心として結成されました。現在は5位ですが、戦いぶりから来季はAクラス入り(プレーオフ出場)が期待されます。6位がオリックス・バファローズであることを考えると、「チームを一度失った者」の強さを感じます。  
 月並みな言い方ですが、チームが消滅し、「自分はプレーをする場・チームががあるのだろうか」という問題に直面した選手は逞しさが違うように思えます。「プレーが出来る環境に感謝する」ことを、多くの選手が言います。しかし、この本当の意味はチームを失った者にしか分からないのかも知れません。  
 日本選手の苦戦が続く世界陸上ですが、橋本選手の逞しさと粘りに期待したいと思います。    (林)

 


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