朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-07/09/10)

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9月10日号(第284号)


 身近なビジネス 
「経営環境の変化にスピード対応」
 2006年の福岡市職員による飲酒運転事故を機に、取り締まりが強化されるとともに、飲酒運転に対する社会の目も厳しくなった。先日、岐阜市郊外でラーメン店を営む経営者が大学の市民相談室を訪れ、飲酒運転に対する社会的批判が高まった影響で、客数が急激に減少し困っているとのことだった。もちろんそれまでも、ビールを飲んでラーメンを食べて車に乗って帰る客が容認されていたわけではないが、そうした客からの売り上げで店が支えられていた。突如として沸き上がった飲酒運転に対する社会的関心によって、経営が揺らいだのである。すなわち、自分自身ではコントロールできない要素によって、いつ、どのような形で経営環境が変わるかわからないという、まさに身近な例である。  
 飲酒運転して帰る客を中心に店の経営を考えるわけにはいかないのは当然で、その店主は、さっそく新規顧客の開拓に乗り出した。いくつかアドバイスしたことを参考に、まずは、「この店ならではのメニュー」を開発することを目指した。
 といっても、単品のラーメンをメインとする店にとって、他店と差別化できるようなメニューを創り出すことはなかなか難しいと思っていたが、2ヶ月もしないうちに、その店主は新しいメニューを開発した。ラーメン店としては珍しい「モーニングサービス」を始め、中華麺とちょっとした小鉢にデザートとコーヒーがついてかなり値ごろ感があるメニューを提供した。店頭に看板も設置し、アピールも積極的に行った。
 たまたま看板を見て、地元の新聞記者が立ち寄り、「ラーメン店のモーニングサービス」という話題で、大きな写真入りの記事となった。そして、その新聞記事をみたラジオ局が面白いとラジオ番組で取り上げた。このメニューで顧客を定着化していくには時間はかかるが、店主の一連の取り組みの早さには感心する。
 経営が成功するための因子は数多くあるが、その因子の中で自分自身がコントロールできる因子はごく僅かで、ほぼ9割はコントロールがきかない。できることは、勝手に変わっていく外部環境に迅速に適応していくことである。適応のスピードが重要であって、適応できるかどうかは、トライ&エラーを繰り返すしかない。    (中畑)

 パソコンで遊ぼう 
「研究者の目線」
 
 9月3日の日経新聞に大変興味深い記事を見つけました。「国際分業の隠された真実」とタイトルされたコラムで、米カルフォルニア大学アーバイン校の研究者による分析です。  話題の携帯音楽プレーヤiPodをバラバラにして、使用している部品から組み立て、販売までの全てのルートに係わっている企業と国を割り出すという地道な分析を行い、付加価値が生み出される過程を追跡したレポートを取り上げていました。
 iPodに使用されている部品で最も高いのは東芝製のハードディスクですが、このハードディスクもモータや、ヘッドなどの主要部品は他のメーカから調達、組み立てはフィリピンという様に部品メーカ同士の分業だけでなく、日本および、その他の国による国際分業によって製造されています。
 企業では、売上金額、開発費や人件費などの費用、そして利益を上げることには大きな関心を持ち研究努力しますが、国などの地域単位での利益という視点を持っていませんでした。新聞紙上でも貿易収支という統計上の数字が公表され、iPodも最終組み立て地である中国から米国へ完成品としての輸出金額が中国の貿易黒字額として計上されます。
 iPodの米国での価格は約300ドル。中国から約半分の150ドル程度の金額で米国に輸出され、貿易上の統計ではこれが中国の対米黒字額とされます。しかし、中国は単に組み立てを行っているだけで、東芝からハードディスクを購入するなど、ほとんどの部品を中国以外の国から調達するという複雑な国際分業が行われていて、研究者達の分析では実質的な中国の対米黒字額は組み立てを行った、たった4ドル程度にしかならないというのです。
 私も企業からの目線だけでなく、研究者としての目線を持つ訓練が必要だなと考えさせられるレポートでした。    (田村)

 今週の話題 

「今、高齢者が元気」
 9月1・8日の2日間にわたって、2007年度朝日大学公開講座(第21回)が「豊かな人生を送ろう」をメインテーマとして、瑞穂市総合センターで開催されました。募集定員1000名のところへ1200名の応募があり、初日(9月1日)にはおよそ900名の参加者がありました。参加者は社会の第一線から退いて第二の人生を送っておられる60歳代、70歳代の方々が大半を占めていました。80歳以上の高齢者も数多く参加されていたようです。
 今年度の公開講座は本学の4名の教員がそれぞれの専門の立場から「老後を豊かに暮らすための参考になれば」という思いをこめて講演しました。私もその演者の一人として「貯筋のすすめ-老後を楽しく元気に暮らすために-」と題して、第二の人生を元気に暮らすために運動や筋力トレーニングを日常生活に取り入れ筋力を高めることを勧めるお話しをしました。参加者の皆さんに元気を与えるつもりでした。ところが、講演を終えた時には、逆に、参加された高齢者の方々のパワーに圧倒されている自分に気がつきました。確かに、体力や筋力は若者と比べれば劣りますが、豊かな人生を送るためのヒントを得ようとする「意欲」、あるいは何かを学ぼう、知識を吸収しようとする「気迫」が本学の学生をはじめとする現代の若者以上だと感じたからです。  
 現代のような豊かで平和な時代だからこそ「生活の質(QOL; Quality of Life)」を高めるために何をしたらよいのか考えなければいけないと思います。高齢者の方々は真剣に考えています。残された人生を無駄に過ごしたくないという気持ちの現われかもしれません。  現代の若者(学生の皆さん)は高齢者に比べれば残りの人生まだまだあります。しかし、時はアッと言う間に過ぎます。
 現代の若者(学生の皆さん)が高齢者になってから生活の質を考えて頑張るのも結構ですが、今、頑張ればもっと楽しい余生が待っているかもしれません。今から、体や心を鍛えて、遠い将来のためにエネルギーを蓄えておきませんか?「若者よ、高齢者に負けるな!」    (山本)

 


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