朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-07/10/22)

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10月22日号(第290号)


 身近なビジネス 
「今そこにある不安」
 早朝、大学のそばの河原で三脚を立てて渡り鳥の写真を撮っていたら、「何がいるんですか?」と声をかけられました。振り返ると小ぎれいなスポーツジャンパーにジーパン、薄く色のついた銀縁めがねの細身の初老の男性です。魚釣りに来た人かなと思いながら、色々と話していると、「実は私ここに住んでるんです。」と言って橋の下を指さします。 
 サラリーマンで最近定年を迎えた彼は、独身でアパート住まいでしたが定年後の就職先がなかなか見つからず定収入がなくなると同時に退去を求められたそうです。借地借家法での借り主の権利は、契約内容によっていつでも返還を要求できる「債権」ではなく、あたかも絶対的な「物件」のようにかなり守られています。しかし、最近は、家主と借り主の間に代行会社が介在し、代行会社と借り主間の契約内容を「債権」的なものとするため、ひどい滞納等がなくても簡単に追い出されることが茶飯事となりつつあるようです。  90年代バブルが崩壊するまでは、日本の賃貸物件のオーナーは地価の値上がり(キャピタルゲイン)が経験的に期待できたことから、賃貸料の水準(インカムゲイン)についてはおおらかで、契約更新時に物価上昇分程度を値上げする程度でした。土地は寝かせておけば財産は自然に増えるので税金程度まかなえておつりが来ればよいくらいの感覚です。
 しかし、90年代後半からは地価の値下がりからオーナーは土地に投資したお金が年何%で回ったかを示す投資利回り(インカムゲイン)を重視するようになりました。そのためには、家賃の滞納やごねたりしない優良な借り主を見つける必要が高まります。オーナーが自分で優良借り主を捜し出すのは至難の業ですから、その代行をする会社がどんどん生まれました。普通の借り主をオーナーにとって魅力的にするためには、オーナーが望むときに出て行ってもらい、家賃を利回りにあわせられる必要があります。そのため厳しい契約を借り主と結ぶ代行会社も増えてきたようです。
 一方代行会社は、保証人のない借り主には安い保証料で保証代行をしてくれます。敷金、礼金ももらいません。借り主としては保証人もいらず便利な時代になったように見えますが、突然生活が不安定になるリスクを負うことになります。それを避けるためには、契約の内容を自分で理解できる知識を身につけるか、信頼できる家族を持つかしかありません。
 冒頭の男性は全く崩れたところがなくどちらかといえば上品な人でしたが、我が身に起こったことがまだ良く理解できていないようでした。住所がないと普通の就職は難しくなります。それでも、たまたま橋の下の前の住人を知っていて、彼が入院したためそこの権利? を譲ってもらった私はラッキーだった、と語っていました。    (岩崎)
 パソコンで遊ぼう 
「ものづくりの力」
 
 10月2日から5日間、CEATECジャパン2007が千葉県の幕張メッセで開催されました。CEATECジャパンは、情報・家電分野を包含したアジア地域最大の展示会です。今年の家電分野の目玉はやはり薄型テレビジョン受像機です。ソニーは今話題となっている有機ELを、シャープ・日立は厚さ20mm以下の新型液晶を使った製品の展示を行いました。  テレビジョン受像機といえば既に日本の家庭に浸透した目新しさのない商品ですがその中身には年々新しい技術が組み込まれていきます。特に最近は表示部品の薄型化を目指した技術開発が盛んです。「何もテレビをそんなに薄くしなくっても・・」という声も聞こえてきそうですが、薄型表示部品はテレビジョン受像機だけに利用されるわけではありません。薄くすることで、さらにはフレキシビリティー(自由に湾曲させること)を可能にすることで新たな用途が生まれてきます。このような部品の量産技術を高めていくための応用商品として最適なものがテレビジョン受像機・・ということであると私は理解しています。
 近年、情報産業分野を中心に自社の工場を持たないで製造は他社に委託する企業の活躍が目立ち、「ものづくり」は古臭いという考えも生まれてきています。確かに成熟しきった商品の多い家電業界で従来の商品を作り続けていれば先細りは確実でしょう。しかし新たな部材・部品の開発と量産に必要な自社独自の製造技術を確立していくことで海外メーカには無いコンセプトを持った商品を生み出すことができます。日本のメーカが得意とする「ものづくりの力」を発揮するチャンスはまだまだある・・私はそう考えています。 (妹尾)

 今週の話題 

「フェアプレー」
 
 世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトルマッチ12回戦で、重大な反則行為があったとして、挑戦者の亀田大毅は日本ボクシングコミッション(JBC)から、1年間のライセンス停止処分を下されました。ゴリ押しでセコンドについた父・史郎トレーナーは無期限のセコンドライセンス停止、兄の興毅は厳重戒告処分を受けました。33歳の世界チャンピオン内藤大助に挑戦する18歳の亀田大毅の、WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦は話題豊富でした。チャンピオンの内藤大助は貧しい家庭で育ち、いじめを受けた過去もあります。心身ともに強くなろうと19歳でボクシングを始めました。22歳でプロデビューし、2度の世界挑戦に屈しながら、今年7月に3度目で王座を獲得した類まれな精神力の持ち主の大人のプロボクサーです。一方、挑戦者の亀田大毅は態度が悪くて有名な亀田一家の次男で18歳、世界王座奪取の日本人最年少記録を狙っていました。試合前日の調印式では15歳年下の亀田大毅が「負けたら切腹や」と大言を吐いて、悪役振りを発揮していました。  
 試合は内藤大助が序盤から着実に有効打を重ね、大差で判定勝ちしました。終始劣勢にたたされた亀田大毅は反則を繰り返し、最終回の12回には内藤を抱え上げて投げる前代未聞の試合でした。  
 ボクシングはルールを決めてリングの上で殴りあう格闘技です。正々堂々とフェアプレーで戦うから美しいのであり、試合後にお互いに相手をたたえあう姿は見るものを感動させるのです。ルールを無視して戦えば「ガキ の喧嘩」になってしまいます。亀田一家は戦法や技術より、まず先に学ぶべきことがあるのを痛感すべきです。  
 フェアプレーの精神を忘れたスポーツ選手はただの運動馬鹿になってしまいます。 
(亀井)

 


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