朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-08/02/11)
パソコンで遊ぼう |
「利用者の義務」
2月7日の日本経済新聞の一面に「ネット取引も被害補償」の記事が掲載されています。2006年2月に施行された預金者保護法では、キャッシュカードの偽造・盗難により銀行預金を引き出された被害者に対しては、銀行がその被害額を保障することとなっていますが、インターネットを利用したインターネットバンキングについては補償の対象外でした。しかし近年、インターネットバンキングの利用増加とともに、預金の不正引き出し等の被害も増加しています。このような現状を踏まえ、全国銀行協会では補償基準についての自主ルールを定め、会員銀行はそのルールに従って補償を行っていくことになりそうです。また全国銀行協会に加盟していない信用金庫、ゆうちょ銀行等の金融機関についても同様の補償を行うよう金融庁が要請していくこととしています。 ATMの普及、そしてインターネットの普及に伴い私達は印鑑と通帳を手に銀行・郵便局の窓口に立った時代では想像すらしなかった便利さを享受していますが、同時に当時では考えられない犯罪の危険に身をさらしています。インターネットバンキングを利用すれば、預金の管理、振込処理、投資信託・株式の売買等のほとんどを自宅のパソコンのキーボードを叩くことで済ましてしまうことができます。ということは、もし悪意を持つ他人があなたのIDとパスワードを入手すれば簡単にあなたの預金口座のお金を他の口座に移し変えることもできるということです。銀行が補償してくれるかどうか以前に、身を守る対応をとっておくことが必要です。また被害を銀行が全額補償してくれるかどうかは、あなた自身に重大な過失が無いことが条件です。使用しているパソコンのセキュリティー管理は大丈夫ですか?パソコンウィルス、スパイウエアへの対処はとっていますか?ID・パスワードの管理は?・・・・等々自分の身を守るために必要なことは確実に行っておかねばなりません。利用者としてインターネットの快適さを享受するにはそれなりの義務も果たさなければならないことを理解しておいてください。 (妹尾)
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今週の話題 |
「世界のトヨタ」
世界販売でトヨタは、米自動車最大手のゼネラル・モーターズ(GM)と肩を並べました。07年の年間販売台数はトヨタが936万6418台、GMが936万9524台とそれぞれメーカー発表があり、3106台の差でGMが世界一の座を確保しました。トヨタがGMを抜けば、1931年以来76年ぶりに自動車業界の盟主が交代するところでした。しかし、07年生産台数ではトヨタがGMに約20万台の差をつけて、トヨタ世界一が確定しており、世界の自動車業界は日米のトップメーカー2社が覇権を競う「2強時代」に突入したといえます。 トヨタの渡辺社長はこう言い続けています「一台一台の積み重ねで今があることを忘れてはならない」。トヨタ社内では販売世界一を逃した落胆は聞こえず「むしろ、これでよかった」との声もあります。09年に業界未到の1千万台超の計画を掲げる中、緊張感を保てるからでしょう。 トヨタが本格的なグローバル化に踏み出してから意外に日は浅い。それまで「こわごわ」進めてきた海外生産を一気に加速したのは、1990年代の後半以降です。バブルの崩壊で国内市場は低迷が続き、さらに円高や貿易摩擦も重なり、慎重なトヨタも世界生産に踏み出しました。当時の奥田社長の口癖は「第2の創業」で、そこから海外工場の新設ラッシュが始まりました。現在では世界27カ国に53の生産拠点を置くにいたりました。07年に初めてトヨタ単体の海外生産台数(約431万台)が国内(約423万台)を上回りました。 世界の自動車産業の覇権をかけたGMとの競争は、急成長する新興市場のBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の攻略と原油高、地球環境問題への対応がカギとなります。トップランナーになると風当たりが強くなります。国内でトップになってからも世界のトップを見て走ればよかった。しかし、これからは「実るほど頭の下がる稲穂かな」の姿勢を堅持していかなければ、トップランナーを続けていくことはできません。 (亀井)
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