朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-08/02/11)

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2月11日号(第306号)


 身近なビジネス 
「卒研という名の冒険」
 4年生の卒業研究が出そろいました。順調に進んだ学生も、書けないと涙声だった学生も、助言を参考に徹夜で完成させた後は充実した清々しい顔を見せてくれました。ところで時々就職活動もあるのになぜ卒業研究が必要なのか、と質問を受けます。卒研は自分自身を探す冒険、潜在能力と自信を見つけ、将来様々な仕事に幸せを見つけ出せる出発点になる体験だというのが、僕の答えです。  
 卒業研究は最低180時間かけて完成させることになっています。1日5時間やっても1ヶ月以上かかります。南極大陸の冒険と同じく、事前の計画と準備が必要です。①おおよそのテーマや疑問を決める(南極行きを決心する)、②テーマの概要を調べる(南極の気候や地図)、③教員に先行研究や理論を聞く(行った人の話)、③期間で調べられる課題に目標を絞る(いきなり南極は無理とわかったら冬山登山に冒険を切り替える)、④研究の設計図、章立てを作る(冒険の段取りを計画する)、⑤概要を書いてみる(冒険の企画書を書く)、⑥資料を集め分析検討する。(冒険を始める)といった手順で進めます。  
 冒険がオモロイのは、もちろん準備より冒険を始めてからです。検討していくと、色々な疑問が頭の中に浮かんできます。ゼミの仲間と議論すると、今まで考えてもいなかったピンポーン! や、アイデアが突然見えてきます。この経験が、社会で仕事の面白さを発見できる力として生きます。僕自身も毎回学生の議論から新しいヒントをもらい、感謝しています。
 ただし準備不足は危険です。通常のレポートと違い、他人を説得できるよう自分の意見を根拠づけたり、疑問を解いたりすることを何十ページも書くことは今までにない経験です。書くのに自信がある人ほど安易な気持ちで冒険に出発して、毎年何人かが遭難(「先生、書けません・・・(涙)」)します。中には、冒険を途中であきらめ、飛行機に乗って帰ってくる学生(ネットや本からの丸写し)もいます。飛行機では冒険した感動も単位もありません。
 僕自身社会にでて最初の金融調査は、調べても何も書けないという遭難状態に陥りました。会社には教員のような助言者はおらず、やけで毎晩駅前の違法駐車自転車をけっ飛ばしていたら、お巡りさんに補導されました。 見かねた先輩の「書けなくても、調べた結果を書き出してみたら。」との一言で救われました。書き出すと、頭で考えていたイメージと全然違います。要約を何回か直してハッとしました。今まで結論が先にあり、それにあうデータを一生懸命探していたのですが、失敗だと思っていた集めたデータの示しているのは別の結論。自分では思いつきもしなかったオモロイ事が見えてきました。
この経験で、その後嫌な仕事(株の売買)に回されても何かが見つかると信じられ、仕事を続けられました。卒研は、ビジネスという冒険の経験値も高めます。 (岩崎)
 パソコンで遊ぼう 
「利用者の義務」
 
 2月7日の日本経済新聞の一面に「ネット取引も被害補償」の記事が掲載されています。2006年2月に施行された預金者保護法では、キャッシュカードの偽造・盗難により銀行預金を引き出された被害者に対しては、銀行がその被害額を保障することとなっていますが、インターネットを利用したインターネットバンキングについては補償の対象外でした。しかし近年、インターネットバンキングの利用増加とともに、預金の不正引き出し等の被害も増加しています。このような現状を踏まえ、全国銀行協会では補償基準についての自主ルールを定め、会員銀行はそのルールに従って補償を行っていくことになりそうです。また全国銀行協会に加盟していない信用金庫、ゆうちょ銀行等の金融機関についても同様の補償を行うよう金融庁が要請していくこととしています。  
 ATMの普及、そしてインターネットの普及に伴い私達は印鑑と通帳を手に銀行・郵便局の窓口に立った時代では想像すらしなかった便利さを享受していますが、同時に当時では考えられない犯罪の危険に身をさらしています。インターネットバンキングを利用すれば、預金の管理、振込処理、投資信託・株式の売買等のほとんどを自宅のパソコンのキーボードを叩くことで済ましてしまうことができます。ということは、もし悪意を持つ他人があなたのIDとパスワードを入手すれば簡単にあなたの預金口座のお金を他の口座に移し変えることもできるということです。銀行が補償してくれるかどうか以前に、身を守る対応をとっておくことが必要です。また被害を銀行が全額補償してくれるかどうかは、あなた自身に重大な過失が無いことが条件です。使用しているパソコンのセキュリティー管理は大丈夫ですか?パソコンウィルス、スパイウエアへの対処はとっていますか?ID・パスワードの管理は?・・・・等々自分の身を守るために必要なことは確実に行っておかねばなりません。利用者としてインターネットの快適さを享受するにはそれなりの義務も果たさなければならないことを理解しておいてください。      (妹尾)

 今週の話題 

「世界のトヨタ」
  
 世界販売でトヨタは、米自動車最大手のゼネラル・モーターズ(GM)と肩を並べました。07年の年間販売台数はトヨタが936万6418台、GMが936万9524台とそれぞれメーカー発表があり、3106台の差でGMが世界一の座を確保しました。トヨタがGMを抜けば、1931年以来76年ぶりに自動車業界の盟主が交代するところでした。しかし、07年生産台数ではトヨタがGMに約20万台の差をつけて、トヨタ世界一が確定しており、世界の自動車業界は日米のトップメーカー2社が覇権を競う「2強時代」に突入したといえます。  
 トヨタの渡辺社長はこう言い続けています「一台一台の積み重ねで今があることを忘れてはならない」。トヨタ社内では販売世界一を逃した落胆は聞こえず「むしろ、これでよかった」との声もあります。09年に業界未到の1千万台超の計画を掲げる中、緊張感を保てるからでしょう。  
 トヨタが本格的なグローバル化に踏み出してから意外に日は浅い。それまで「こわごわ」進めてきた海外生産を一気に加速したのは、1990年代の後半以降です。バブルの崩壊で国内市場は低迷が続き、さらに円高や貿易摩擦も重なり、慎重なトヨタも世界生産に踏み出しました。当時の奥田社長の口癖は「第2の創業」で、そこから海外工場の新設ラッシュが始まりました。現在では世界27カ国に53の生産拠点を置くにいたりました。07年に初めてトヨタ単体の海外生産台数(約431万台)が国内(約423万台)を上回りました。    世界の自動車産業の覇権をかけたGMとの競争は、急成長する新興市場のBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の攻略と原油高、地球環境問題への対応がカギとなります。トップランナーになると風当たりが強くなります。国内でトップになってからも世界のトップを見て走ればよかった。しかし、これからは「実るほど頭の下がる稲穂かな」の姿勢を堅持していかなければ、トップランナーを続けていくことはできません。     (亀井)

 


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