朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-08/06/30)

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6月30日号(第326号)


 身近なビジネス 
「卒業生からの電話」
 今まで多くの優秀な経営者やビジネスマンと接してきました。彼らは仕事を通じて独自の判断力を様々な「目利き:『
:お宝鑑定団』
」レベルで持っていますが、共通点もあります。自分を信じていることです。信じられる自分を造りあげるには準備が必要です。ただし、この準備を一人で実行できる人はまれです。友人、チームメイト、先輩、恋人、家族のサポートがあって実現します。
 会社勤めをしたものの離職した卒業生から、新しい仕事が一年ぶりに決まったという電話をもらいました。学生の時と違い電話の声が力強いのにちょっと驚きました。卒業時は就職難、卒業ぎりぎりで就職した彼の職場は厳しい営業の日々だったようです。人間関係にも疲れしばらくして退社、半年ほどぶらぶら日を過ごしていましたが、長年つきあっている彼女からのこのままなら別れる、の一言で彼の人生は変わります。彼は「就職するまではキミと会わない。」と宣言したのです。
 就職活動を開始したものの、ある会社で「技術のない人は採用できない。技術を身につけてまたいらっしゃい。」と言われます。以前の彼であればここでくじけていたでしょう。しかし愛は無敵でした。彼は半年間専門学校に通い、自分の作品のポートフォリオを持ってその会社に再度挑戦しました。リベンジは果たせなかったものの、彼の技術を買ってくれた別の会社に採用が決まったのです。
 高校時代までスポーツに打ち込み、もともと練習も自分で色々と工夫する職人肌だった彼は、全国クラスの選手目前まで行きながら怪我と人づきあいで挫折して大学にきました。ゼミで色々話しても、自分にはできない、無理なら質問なんかしないで静かにしてる、といった後ろ向きの発言を繰り返していた彼が今、「自分の技術では、まだ現場では通用しないかもしれない。もっと腕をあげないと。」とおそれもてらいもなく語ってくれました。自分への信頼がなければ口に出せない言葉です。静かな自信を手に入れた彼は、これからタフに生きていくことでしょう。
 私自身も就職して3年目に、自らの過信を「おまえは仕事のできないごくつぶしだ。」と上司にぺちゃんこにつぶされました。人間として否定されたように思えて逃げ出すことばかりを考えていた時期があります。その時も、私の長所を話し続けて励ましてくれたある友人と見守ってくれた家族のおかげで、別の分野で腕を磨き2年後に立ち直ることができました。この経験は、その後ダメだと思う場面に直面し自分への信頼を失いそうになるたびに思い出されます。何年かの回り道は、そのただ中では自分を否定したい衝動にかられますが、誰かの伴走で抜け出した後は、80年の人生の中では短い時間であるだけでなく、自分を信じられる強い証拠になります。      (岩崎)

 パソコンで遊ぼう 
「ネットショップの作り方⑦」
 
「選ばれないネットショップ」にならないための基本要件をいくつか挙げていきます。否定の否定、論理学で言うところの二重否定ですが、初っ端から、わかりにくい表現になってしまいました。わかり易くは、アクセスしてきたお客様が、商品やサービスに直接関わらない理由で退散することなく、スムースに店内を見て回れるように、間接要件をちゃんと整えておく、という意味です。当たり前なことを当たり前に備えておくということですが、当たり前のことだからこそ、意識しないと疎かになってしまいます。何だかもっとわかり難くなったような気もしますが、難しい言葉は使っていないので、じっくりと読んで頂ければ、きっと理解して頂けるでしょう。本題に入りましょう。
 ひとつめは、本当に当たり前すぎて、つい見落としがちですが、最も大切な要件です。画面を操作するにあたり、お客様にストレスを感じさせないこと、具体的には「画面が正しく動くこと」を指します。どこかのホームページにアクセスしたときのことを思い出してください。画像やキーワードに貼り付けてあるリンクをクリックしてみたけれど、思い通りのページにジャンプできない、なんて経験ありませんか。最悪なのは、「指定されたページがありません」なんて、表示されるケースです。私は執念深いので、そんなときでも「戻るボタン」を押して、もう一度くらいはトライしてみます。それでもダメな場合は、もう止めて、さっさと別のページに移動します。一度「見たい!」と思ってしまっただけに、そのページが見られないと余計にストレスが溜まり、イライラしますよね。でも、判断はほんの一瞬です。何かのきっかけでお客様がせっかくアクセスしてきても、画面設備の不備により、そのご縁はいとも簡単に消え去ってしまいました。ちゃんと動いていれば、ショップの魅力やセールスポイントをアピールして、末永いお付き合いができたかもしれないのに、とても残念です。この事実を店主が認識し改善できれば、まだ良いのですが、ネットショップは仮想かつ無人店舗ですから、アクセスログを詳しく分析しない限り、知ることすらできません。実店舗なら自動ドアが開かずに、そのまま立ち去るお客様の姿を見れば、少なくともドアの不備に気付くことは可能です。~⑧に続く~      (常川)
 *GO :「ネットショップの作り方⑧」はここをCLICK!

 今週の話題 

「質問力」
 私が講義を担当している「起業アイディア」の学外授業として、中京テレビ放送のご協力をいただき、テレビ局の見学会を実施しました。今回は、見学を希望する学生のみの参加としたこともあり、参加学生数は、私の予想よりもかなり少数となりました。そのため、寂しい見学会になるのではとの心配が、私の頭を離れませんでした。
 しかし、この心配が全くの杞憂でした。テレビ局の方からのビジネスモデルの説明が、事前に学生に与えていた課題の論点を射抜く興味深い内容であったこともあり、少数精鋭(?)の学生たちから活発に質問が投げかけられました。
 質問は、割愛された情報の中から、重要な情報を想定し、論理展開を補う役割があります。つまり、まず情報を正確に受け取って整理し、これと自分が理解すべきこととを比較検証し、さらに必要な情報は何であるかを見出すスキルがなければ、的確な質問は出てきません。有名な質問の場面としては、国会での質問や、マスコミの取材、記者会見などが挙げられます。しかし、いずれでも、十分な質問力を発揮していると感じられたことは、ほとんどありません。興味本位で知りたいことを聞くだけでは、野次馬以上に迷惑なだけです。逆に、自分の考えを押し付けて、強引に認めさせるような質問も、何も生み出しません。さらに、他人の説明に対する質問だけでなく、自分の考えに対しても的確に質問を出せるようになれれば、思考力が相当程度高まったと見ることができます。私の起業アイディアの授業では、この質問力を高めることも狙いのひとつです。  
 今回の見学会では、「番組の視聴率によって、所定予算でのCMの放映本数が決まると説明がありました。しかし、視聴率は放映後にしかわからないはずだと思うが、契約の段階でどのように決められていますか」との学生の質問では、契約時つまり放送数ヶ月前の同時間帯の番組の視聴率を参考にレーティングが決定されるが、実際には相当の誤差が生じることがあるとのことでした。そして、米国などでは、実際の視聴率に応じて保証するという合理的な仕組みが一般的になっていることなどの説明が引き出されました。また、「キー局で製作された番組をローカル局で流すケースでは、その収入モデルはどのようになっていますか」との質問では、まず、CM付の番組をローカル局で放送してキー局から収入を得るいわゆる「黒ネット」と、CM抜きで番組のみのいわゆる「白ネット」との二種類のケースについて説明をいただきました。白ネットの場合は、東京のキー局で制作された番組がローカル局へ提供され、ローカル局が独自の営業努力でスポットCMの契約を獲得し収入を得るとのことです。しかし、キー局の収益が低迷している状況を反映して、キー局がコストをかけて製作した番組を提供することを渋り、ローカル局に自社制作を求める動きが目に付くようになってきたという課題が引き出されました。そのため、地方のローカル局では、お金をもらって放送枠を埋められる通販番組が急速に増加していることにもつながっていることについて解説していただくことができました。
 このように有益な情報を引き出したり、潜在的な課題を掘り起こしたりする鋭い質問を次々に繰り出す学生の姿に、大いに頼もしく感じた一日となりました。     (横井)


 


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