朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-08/08/25)

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8月25日号(第334号)


 身近なビジネス 
「管理職の仕事」
 北京オリンピックの興奮も冷めませんが、次のビッグゲームは米国大統領選挙です。25日から民主党の、9月1日から共和党の党大会が開かれ、両党の大統領候補と副大統領候補が正式に指名されます。党大会に先立って両党はそれぞれ予備選挙を通じて複数の候補者が指名を争い、最終候補となったものが党大会後に11月の選挙を目指して総力で大統領を目指します。1年以上かける勝ち抜き方式の大統領選びもいよいよ終盤、アメリカ人が最も熱狂するゲームです。  
 今回は準決勝とも言える民主党の指名候補争いでオバマ、クリントン両候補が党大会目前までもつれ込む大接戦を演じました。そこで競われるのは力や腹芸ではなく、政策を立案しそれを国民に訴えかけ納得させる力量とリーダーシップです。日本人にはなじみのない制度ですが、このゲームを楽しみたいなら現在インターネットの無料動画サービスGYAOで配信されている「ザ・ホワイトハウス」というドラマシリーズを見るとその仕組みがよくわかります。  
 ハラハラドキドキ途中でやめられなくなる番組で、選挙制度だけでなく日本と異なる三権分立の仕組みや国際政治、家族、社会、恋愛、ウィットに富んだ会話まで楽しめます。大統領と彼の上級職員たちが主人公ですが、注目すべきは彼らの劇中での仕事ぶり。これがまさに世界中の組織での管理職の仕事そのものなのです。管理職の仕事がどんなものなのかをリアリティ十分に描いたドラマは、めったにありません。  
 学生時代、会社で働くというのはどういう事かまったく想像がつきませんでした。調査や企画の仕事がしたいと思っていましたが、たいていの仕事は営業と知っていましたので色々と売り込みをするのだな、くらいの感覚でした。しかし、実際に仕事をはじめて10年もしてチームを率いるようになると、まったく違った世界に突入しました。
 営業でも企画でも、交渉や報告といった一つの業務に数時間さけることはまれで、色々な業務を10分から30分くらいの細切れの時間で次々と手がけます。それぞれの業務は一回で完結せず、しばらくしてまた短時間続きをこなしていきます。複数の業務を同時進行でやり遂げる能力、それが管理職の能力です。
 面白いのは、「お忙しいでしょう。」と挨拶すると、多くの管理職が嬉しそうに「いや大変ですよ。」と答えることです。忙しいのが快感なのです。とはいっても、すべての業務が巧くいっているわけではありません。ドラマと同じように、交渉に失敗したり、うっかりミスをしたりの連続です。だからこそ成功したときの快感も大きく、仕事の緊張感がたまらないのです。その感覚はオリンピックの興奮に似ています。昼間のパパはちょっと違う、のです。 (岩崎)  

 パソコンで遊ぼう 
「次世代高速無線」
 
 次世代高速無線回線を利用した通信サービス事業に松下電器産業、セコム等が参入するとの新聞発表がありました。
 次世代高速無線はKDDIとウィルコムが来年から回線の提供をスタートする予定になっている新しい通信回線です。KDDIは世界標準となっているWiMAX(ワイマックス)方式、ウィルコムは日本で開発したPHS方式をベースにした次世代PHS方式と違いはありますが、どちらも毎秒40メガビット以上の回線速度で、鉄道・車等の移動体からでもインターネットに接続できるという特長を持っています。松下電器産業はこれらの回線を借り受けるとともに、自社で販売するパソコン等にこの回線に接続するための機能を搭載、パソコン購入者が月々の回線利用料を支払えば松下電器産業が提供する通信回線を経由して簡単にインターネットに接続できるという仕組みを考えています。ハードウエアと通信サービス(ソフトウエア)を組み合わせた新たな商品開発といっても良いでしょう。また、セコムは子供たちの安全を守る防犯システムにこの無線回線を利用していこうとしているとのこと。社会問題となっている子供たちを巻き込んだ犯罪の多発に着目した事業開発ですね。
 回線が高速であること、移動体からの接続が可能であることを利用すればまだまだいろいろな応用が考えられます。例えばタイでは数キロメートル離れた病院と2か所の診療所をWiMAX方式の無線回線で結び、診断画像の転送を行う遠隔医療システムが作られようとしていますが、我が国でも僻地の医療システム、あるいは救急医療システムの充実にこの次世代高速無線回線が利用できそうです。
 ユビキタスコンピューティング社会(いつでも、どこでも、だれでも使えるコンピュータ社会)の実現は着実にその歩みを進めています。   (妹尾)

 今週の話題 

「暫定順位」
 
 8月24日で北京オリンピックが閉幕です。驚異的な新記録や日本人選手の活躍に、大いに活力をもらいました。事前のメダル皮算用には届きませんでしたが、一方で大健闘の選手もありました。
 さて、重量挙げやカヤックなどのように、選手が一人ずつ順番に競技を行い、その記録や点数で順位を決める種目では、決勝で選手が競技を済ませる都度、暫定順位がテレビで表示され、後の選手がより高い点数をとると、順次、順位が繰り下がっていくというものが多くありました。予選での成績順位の低い選手から順に決勝の競技が行われる種目も多いので、当初の順位からひとつずつ繰り下がっていき、最終結果はメダルに遠く及ばず、がっかりした方も多かったのではないでしょうか。私も、注目している選手が今どのあたりの位置にいるのか、わからなくなることがあります。
 ところで、リスクマネジメントが各企業で当たり前のように用いられるようになりました。リスクとは、「未だ結果が確定していないこと」のうち、悪い影響を受ける可能性があるものを意味します。何がすでに確定していて、何が確定していないかを、明確に峻別することが、リスクを的確に認識するコツです。まだ競技を終えていない選手が残っている状況での暫定的な順位を考えることは、リスクを考えるのに似ている面があります。
 例えば、暫定2位で、まだ競技していない選手が3名いるとします。このとき、「現在のところ2位、銀メダルの可能性も十分にある」と考えるのは、すでに確定した事実をうまく使えていない儚い期待です。「現在までのところ5位以上が確定。後の競技者の結果次第で、さらに順位が繰り上がる可能性もある」と認識することのほうが、余ほど現実を踏まえています。
 私はこの積み上げ思考で、順位がひとつずつ繰り上がっていくのを楽しむようにしています。  (横井)


 


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