朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-08/08/25)
パソコンで遊ぼう |
「次世代高速無線」
次世代高速無線回線を利用した通信サービス事業に松下電器産業、セコム等が参入するとの新聞発表がありました。 次世代高速無線はKDDIとウィルコムが来年から回線の提供をスタートする予定になっている新しい通信回線です。KDDIは世界標準となっているWiMAX(ワイマックス)方式、ウィルコムは日本で開発したPHS方式をベースにした次世代PHS方式と違いはありますが、どちらも毎秒40メガビット以上の回線速度で、鉄道・車等の移動体からでもインターネットに接続できるという特長を持っています。松下電器産業はこれらの回線を借り受けるとともに、自社で販売するパソコン等にこの回線に接続するための機能を搭載、パソコン購入者が月々の回線利用料を支払えば松下電器産業が提供する通信回線を経由して簡単にインターネットに接続できるという仕組みを考えています。ハードウエアと通信サービス(ソフトウエア)を組み合わせた新たな商品開発といっても良いでしょう。また、セコムは子供たちの安全を守る防犯システムにこの無線回線を利用していこうとしているとのこと。社会問題となっている子供たちを巻き込んだ犯罪の多発に着目した事業開発ですね。 回線が高速であること、移動体からの接続が可能であることを利用すればまだまだいろいろな応用が考えられます。例えばタイでは数キロメートル離れた病院と2か所の診療所をWiMAX方式の無線回線で結び、診断画像の転送を行う遠隔医療システムが作られようとしていますが、我が国でも僻地の医療システム、あるいは救急医療システムの充実にこの次世代高速無線回線が利用できそうです。 ユビキタスコンピューティング社会(いつでも、どこでも、だれでも使えるコンピュータ社会)の実現は着実にその歩みを進めています。 (妹尾)
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今週の話題 |
「暫定順位」
8月24日で北京オリンピックが閉幕です。驚異的な新記録や日本人選手の活躍に、大いに活力をもらいました。事前のメダル皮算用には届きませんでしたが、一方で大健闘の選手もありました。 さて、重量挙げやカヤックなどのように、選手が一人ずつ順番に競技を行い、その記録や点数で順位を決める種目では、決勝で選手が競技を済ませる都度、暫定順位がテレビで表示され、後の選手がより高い点数をとると、順次、順位が繰り下がっていくというものが多くありました。予選での成績順位の低い選手から順に決勝の競技が行われる種目も多いので、当初の順位からひとつずつ繰り下がっていき、最終結果はメダルに遠く及ばず、がっかりした方も多かったのではないでしょうか。私も、注目している選手が今どのあたりの位置にいるのか、わからなくなることがあります。 ところで、リスクマネジメントが各企業で当たり前のように用いられるようになりました。リスクとは、「未だ結果が確定していないこと」のうち、悪い影響を受ける可能性があるものを意味します。何がすでに確定していて、何が確定していないかを、明確に峻別することが、リスクを的確に認識するコツです。まだ競技を終えていない選手が残っている状況での暫定的な順位を考えることは、リスクを考えるのに似ている面があります。 例えば、暫定2位で、まだ競技していない選手が3名いるとします。このとき、「現在のところ2位、銀メダルの可能性も十分にある」と考えるのは、すでに確定した事実をうまく使えていない儚い期待です。「現在までのところ5位以上が確定。後の競技者の結果次第で、さらに順位が繰り上がる可能性もある」と認識することのほうが、余ほど現実を踏まえています。 私はこの積み上げ思考で、順位がひとつずつ繰り上がっていくのを楽しむようにしています。 (横井)
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