朝日大学ビジネス企画学科~Webマガジン(News&コラム-10/03/08)
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「買い物で学ぶ」 <ファイナンシャルコース>
サッカーのワールドカップが近づいてきたので、大型テレビを買いに行きました。スポーツを見るには、液晶よりプラズマの方が残像を残さず圧倒的に優位です。ちらっと写る選手の特徴や足技がスタジアムでの観戦のように見て取れます。 近くの大型店に行って色々なテレビの画面を見比べていると、次々に店員さんが寄ってきて説明してくれます。それぞれこのテレビの特徴は、お値段はという説明です。ちょうど南米の鳥の番組が流れており画面の解像度や動きへの対応が比較しやすい状態だったのですが、説明のためチャンネルを回す店員さんが多く目的を持った買い手としてはちょっと閉口しました。残念ながら、その量販店ではどのような目的でテレビを買おうとしているのか聞いてくる人は皆無でした。もしこれを聞かれ、それにそった選択のアドバイスをしてくれれば間違いなくその店員さんから買ったでしょう。結果一番ぶきっちょそうな店員さんに同情して買ったのですが、案の定手順が悪く代金を払うまで時間がかかり、一緒に買おうと思っていたスピーカーなどを選択する時間がなくなったので改めて訪れることを告げて帰りました。 3日後その店を訪ねると以前注文した店員さんはいませんでした。そこで、別の店員さんに展示されていたスピーカーの中で、買ったテレビと相性の良いこれを下さいというと在庫はないとの返事。取り寄せできますかと聞くと、入ってくるものを予約することはできないという返事。ではこれに相当するモノで在庫があるのはどれと聞くとどこかに消え、5分待たせてこれですと言うのですが、選択基準である大型テレビとのリンク端子がついていないモノを紹介されました。あきらかに売る気も知識もなさそうです。スピーカーに詳しい人を呼んできてもらえませんかと言うと、ガラガラの店内でそれから10分待っても誰もこず、あきれて帰ってきました。 さて「店員さん」を就活している「あなた」に、「買い手」を「採用担当者」と置き換えてみると、就活でなにをやったら評価され、何を感じさせたら絶対不採用になるかがよくわかります。普通の店員さんのようにあなたが、マニュアルに書いていることを一通り自分のペースで話しだすと、採用担当者は迷惑な人だなと思います。一方採用担当者の興味をつかんでそれに関する自分の話ができると、採りたいなと思います。採用担当の興味とは、その会社にあなたがどのような貢献ができそうかということです。あなたがその会社に行けばどのようにハッピーになるかではありません。 最悪なのは、何となく嫌々オーラを発している場合です。4万円のスピーカーじゃ、まともに取り合ってもネーと考えた店員さんの気持ちはわかります。しかし彼はその後僕がブルーレイとガタがきたエアコン、冷蔵庫を買うつもりだったことを知りませんでした。中小企業だからナーとか、本当は公務員志望という雰囲気を出している場合も同じ事です。中小企業でも従業員が相互に認めあい幸せを生み出す基盤を創り上げ、実質給与の高い会社は少なくありません。宣伝すると変な店員ばかり寄ってくるので宣伝しないだけなのです。 (岩崎)
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