朝日大学ビジネス企画学科~Webマガジン(News&コラム-12/08/27)

 
8月27日号(第543号)


 
「夢ナビ」
 夏休み中、大学では「オープンキャンパス」が開かれたくさんの高校生のみなさんに大学の授業を体験してもらっています。このオープンキャンパスの体験授業がインターネットでも見ることができるので、Googleなどで「夢ナビ」を検索してみてください。  
 最初のページには、「関心ワード検索」や「大学名検索」という項目が有ります。例えば、関心ワードに「商品開発」と入力して検索すると、私の研究や全国の大学で商品開発に関する研究をしている先生の研究内容を見ることができます。そして、大学名検索で「朝日大学」を検索して朝日大学の他の先生の研究内容も見てください。  
 高校生のみなさんは、9月8日(土)にも朝日大学のオープンキャンパスがありますので是非参加してください。    (田村)

   
「チームの遺伝子」       <ファイナンシャルコース>
  チームの威力を実感できる実例は、ちょっと注意してみると僕たちの周りにたくさん観察できます。妖刀ムラマサ、徳川家康の父や祖父を殺した刀として徳川家から恐れられたとされる実在する刀ですがマンガで知っている人もいるでしょう。ついには海外のテレビゲームでも登場する有名な日本刀のブランドになりました。この刀を作り出したのは、室町時代後期から今の三重県桑名市あたりで活躍した村正を名乗る刀工集団です。  
 このような刀鍛冶の集団は鎌倉末期から各地に存在し、有名なところでは岐阜県関市の関の孫六や岡山県瀬戸内市の備前長船などがあります。この中で現在も刃物の産地として名をはせているのは関市だけです。なぜ関だけが700年近くも生き残ってきたかを調べると面白いことが観察できます。刃物という武器から生活用品への転換を地域のチームの力で乗り切ってきたからです。  
 江戸時代に入り戦乱がおさまると、各地で刀を製造していた刀鍛冶集団は次第に各藩に抱えられた武士専用の修理屋さんか普通の鍛冶屋になって生き残りました。関の刀鍛冶の数も大きく減りましたが、江戸大阪の包丁や鋏などの生活用実用刃物を生産する地域として生き残ります。そして多品種少量生産のための分業が生まれます。その後明治維新を経て西洋化が進む中で、ポケットナイフの量産や調理包丁、安全カミソリ等の手工業的生産で地場産業化していきます。このとき調理包丁の製造技術を関に伝えたのは、妖刀ムラマサの生産地桑名で細々と生き残っていた技術者でした。  
 故郷桑名で生産を続けるのではなく関を選んだのですが、その理由はチームにあったと思われます。現在でも刃物はたくさんの工程を経て作られます。プレス、熱処理、研削、研磨、刃付、メッキ等です。関にはそれぞれの仕事の専門家が生まれていました。つまり地域でチームが作られており、その結果桑名から製造技術を持ってきても簡単に移植できました。チームのおかげで地域産業の生き残りが果たせたのです。  
 このことは、昭和に入って日本各地で作られた軍刀(日本刀)の生産を見てもよく分かります。各地では大量生産品から一品ものまで刀を個別の会社が製造しましたが、関だけは関刃物工業組合が金属試験場を設置し、機械鍛造に加えて昔の刀鍛冶の技術の取り込みを研究して仲間に伝え、研磨刀を含めた分業で品質の良い製品の効率的な生産量を高めます。これらの製品は刃物工業界の検査を経て合格品には「関」の刻印を打って出荷されました。ブランドなどの意識がない時代に、まさにブランド(本来は牛に焼きごてで印したマークのこと)を地域のチームで作り上げたのです。  
 太平洋戦争後、今度はアメリカ向けのナイフや洋食器、国内の包丁などで「関」は浸透していき、世界でも有名な本物のブランドになります。残念ながら現在はリーマンショック後の輸出の落ち込みでまた苦しい状況にあります。しかし、700年近く生き残ってきたチームの遺伝子(目的の共有、貢献意欲、コミュニケーション)は、再び関に元気を取り戻してくれるのではないかと楽しみにしています。   (岩崎)

 


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