朝日大学ビジネス企画学科~Webマガジン(News&コラム-12/09/03)

 
9月3日号(第544号)


 
「熱中しよう」
 あいかわらずの猛暑ですね。日々、クラブ活動に勤しんでいる皆さん!?「熱中症」には、くれぐれも注意して下さいね。ただし、チャンピオンになるため、レギュラーの座をとるために、トレーニングは「熱中しよう!?」。今日は、暑さと頑張りがひしひし伝わる写真をとりました「パシャ!」。  (藤野)

   
「このまま行けば・・・」       <消費者心理コース>
  数年前、大リーグのイチロー選手が3000本目のヒットを打った際に頻繁に報道各社が試算を行った。ちょうど1年あたりのヒット数が200本を超えていた時代だ。このままのペースで行けば、4000本に達するのは何歳くらいで、世界一に達するのは何年後のことだ、というものだ。今だから言うわけではないが、その報道を目にするたびに苛立ちを覚えたことを思い出す。ずいぶん勝手で根拠のない数字を大々的に報道して、世間を煽っているなと思った。昔のままの状態で、将来にわたって何も変化が起こらないならば、確かにその通りだ。しかし、誰が考えてもそれは有り得ない。昨日と明日が、先月と来月が、去年と来年が、まったく同じ状態で繰り返されるはずがないことは誰でもわかっている。過去の結果から単純計算で未来を予測できることなど有り得ないのだ。情報番組などでそういった単純な報道を目にするたびに、制作側は何を伝えたくてこのような情報をテレビで流しているのだろう、と感じた。
 同じような事例は他にも簡単に見つかる。例えば、マラソンの中継だ。前半の状況から得られたデータをもとに、レース全体の結果を予測しようとするものだ。このままのペースで行けばという設定で、ゴールタイムを予測する。しかし、ほとんどの選手は前半と後半を同じペースで走り続けることはできない。多くのマラソン大会では、中間地点(約21km)までは集団で走っていることが多い。これを単純計算の論理にあてはめてしまえば、全員が同じタイムでゴールできる。実際は中間地点を過ぎた後で、調子が良くなることも、悪くなることもある。天候やアップダウンなどコースの状態が前後半で異なる場合もある。単純計算は作業がわかりやすく、結果の予測にも興味が集まりやすい。仮定の数字として、現実と区別して扱う分には、話のタネとして楽しい。しかし、いつしかその数字が一人歩きしてしまう危険性を含んでいるのだ。
 ここではスポーツの事例を引用したが、一般的な経済活動でも「このまま行けば・・・」は良く耳にする言葉だ。ある期間に好調な売上を継続した場合、それを将来にもそのままあてはめてしまうのだ。仮定の数字を根拠に、店舗や設備の拡張を安易に行ってしまう。日本の電機メーカーなどはその最たる例だ。一見して根拠があるように見えるが、単純計算からはじき出した数字は、しっかりした地盤の上に立つものではない。現実は複雑な要素が絡み合っており、割り算や掛け算だけで未来を推し量れるはずがない。 ビジネスでもプライベートでも「このまま行けば5年後には資産が2倍に増えますよ!」という言葉に惑わされないように注意したいものだ。    (常川)

 


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