朝日大学ビジネス企画学科~Webマガジン(News&コラム-2014/5/19)

 
5月19日号(第633号)


 
「積み重ね」
 
 5月の連休も終わり、今週は穏やかな日常が戻ってきました。新学期スタートからの努力が具体的な成果に結びつくまでには、まだ暫く時間を要するこの時期ですが、学生のみなさんが、1周1週を大切に積み重ねて、焦らず成長の道を歩んで行くことを期待しています。 (横井)

   
「成長する資源」

 

 久しぶりに飛行機に乗りました。1時間前に空港に行って自動チェックイン機で手続きをしようとすると、まるで映画のように10台近くある機械の画面が、順次「この機械ではお取り扱いできなくなりました」との表示に代わっていきます。表示が変わらなかった一台の機械で発券できたのですが、出発10分前になって飛行機が遅れるとのアナウンスが入りました。同じ飛行機に搭乗する予定の乗客のチェックインがまだ半分しか終わっていないというのです。30分経つと、まだ30人ほど手続きを待っているので、搭乗口を変えてお待ちくださいとのアナウンス。2時間遅れでやっと飛行機に乗るバスへの案内が始まりました。実際に出発したのはさらにその1時間後、なんと出発予定時刻からずっとエンジンを回していたら燃料が足りなくなったらしく、再度給油をするということで乗客はもう一度飛行機を降りて待機した結果です。
 現在の航空会社では搭乗発券手続きにはほとんど人が関わらず、乗客が発券システムにクレジットカードやコードをかざすだけになっています。このような効率化で昔のようにカウンターの前に行列を作って地上の職員とやりとりする必要もなく、航空会社も人件費が下がり、航空運賃を安くすることに成功しました。しかし、ひとたびこの仕組みが崩れると、簡単な作業でも予想以上の時間がかかり、乗客にも負担を強いますし、ガソリン代や欠航など航空会社の余計な出費も大きくかさみます。さらに問題なのは、組織のメンバーが頭を使わなくなり、機械のようにしか行動できなくなることです。働く喜びは消え仕事は苦役になり、チャップリンの映画「モダンタイムス」になってしまいます。
 今回のトラブルでは、登場予定のわずか70人ほどの乗客を確認して飛び立つのに、3時間以上かかっています。この間、搭乗口にいた二人の社員はあわてる様子もなく下を向いて端末の画面を見つめるだけで、同僚との会話もほとんどありません。時々、クレームに来る乗客に形通り謝罪するだけです。マニュアル通りに行動することに満足し、会社にも乗客にも大きな損害が発生していることは意に介していないようです。もし自分の頭で考えて行動していたら、70人の予約乗客名簿を作り手書きで搭乗券を発券し乗客を機内に誘導するには二人で1時間もかからないでしょう。大変ではあっても、社員も自分で工夫して仕事をすすめた達成感を味わえたはずです。中には感謝を述べる乗客もいたでしょう。社員の創意工夫には期待せず、権限や信頼を与えないのがこの組織の隠れた基本理念なのでしょう。
 ビジネスの基本は創って作って回す。効率的に回すために人手を介さない自動化を進めたのですが、ヒトを単なる労働力と見て、ヒトだけが成長する資源であることを忘れると、幸せな職場は消えうせ、長期的には社員もお客様も離れていきます。    (岩崎)


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