朝日大学ビジネス企画学科~Webマガジン(News&コラム-11/07/25)

 
7月25日号(第486号)


   
「夏本番」
 前期の授業は先週で終了、今日から1週間は期末試験期間です。1年生にとっては大学生活で初めての試験、自信をもって試験に臨む者、少々不安を感じている者、すでに開き直っている者といろいろですが、試験後に始まる夏季休暇を楽しみにしているのは皆変わりありません。8月初めから約2ヵ月間の夏休みというのは1年生にとっては初めての経験です。体育会の学生にとっては練習・試合の期間となりますが、一般の学生達はそれぞれが、帰省、旅行、アルバイト等々計画を立てていることでしょう。いよいよ夏本番、事故等無いよう気をつけて“思い出に残る夏”となることを願っています。  (妹尾)

   
「なでしこはなぜ勝てた?」       < ファイナンシャルコース>
サッカーのなでしこジャパンが女子ワールドカップで優勝しました。45年サッカーを見てきて、生きている間に日本がワールドカップで優勝する場面に出会える日が来るとは思ってもいませんでした。ホッケーの日本代表監督を務めた長屋先生と雑談していると、「身体接触のあるボールスポーツで体格に大きな差がある日本人が優勝するのは不可能に近い。一体どうやって勝ったのか本当に知りたい。」とのこと。代表監督の疑問ですから重みが違います。確かに試合を見ると、体格はもちろん走るスピードでもボールの速さでも、アメリカが圧倒していました。欧米では震災復興への思いが優勝を後押ししたという意見もあるようですが、あきらめない気持ちと運だけで優勝できるものでしょうか?
 そこで素人なりにFIFAのホームページからデータを集めてみました。アメリカは予選決勝6試合で118本のシュートを放ち、日本は同80本でした。本数はアメリカが大幅に上回っているのですが、そのうち枠に飛んだシュートの比率は米42本35.5%、日29本36.3%とゴールに飛ぶ確率はほぼ互角になっています。日本もシュート技術は高いことが分かります。決勝だけ見ると、米国はシュート25本、枠へは5本(18.5%)、日本はシュート14本で枠へは6本(42.9%)と米国は枠内確率を大幅に下げたのに対し、日本は確率を上げています。つまりアメリカはいつものように枠にシュートを打てなかったのです。調子もあるでしょうが、日本のディフェンスが思い通りにシュートを打たせなかったとも言えます。体を寄せられるポジションを取り、大きい相手を自由にさせない技を駆使したのでしょう。
 もう一つボールの保持率を見てみましょう。試合を通じどの程度ボールを支配していたかの保持率は米国の予選・決勝ラウンドを通算したプレー時間の50%に対し、日本は同56.1%でした。米国も予選リーグでは53%保持していますから、相手に持たせて勝つチームではありません。それが決勝戦では47%の保持に止まり、あれだけ押されていた日本がボール支配は上回っていたことが分かります。日本のパス回しのカットを狙ったアメリカは結果として走り回らされ、日本より疲労を深めたと想像されます。しかも、試合時間で実際にボールが動いていた時間は決勝戦では90分と、女子にしては異様な長さ(試合が止まっている時間が少なかった)であったことが分かります。アメリカはブラジルとも延長戦を戦いましたがこのときは67分でした。アメリカは普通の延長戦以上に走らされたのです。
 男子と違いFIFAのデータでは選手の走行距離やパスの成功率は示されていませんが、以上の数字だけからも日本は身体接触を避ける技術がありボール保持が可能になったこと、枠に飛ばすテクニックと体の大きい相手に正確にシュートさせない技(ポジショニング)があったこと、走力のあるアメリカに走り勝つ持久力を磨いていたことがわかります。マラソンをすると代謝の関係で体格の良い人より小柄な人が有利です。つまり、なでしこは欠点が長所になるようなトレーニングをし、戦い方をしたということになります。経営戦略でいう差別化のお手本のような勝利だったと言えそうです。    (岩崎)


 


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