No.685 リア充のために その1

 

メモ取ったり本を読んだりするのにiPad miniを愛用しているのですが、最近よく置き忘れます。つい学生への連絡しようと思いついたりすると、本を読んでいたことを忘れ失敗します。老化が始まっているのでしょうが、首からぶら下げたiPhoneのようにこれから手首にもひもでもつけようかと迷っています。置き忘れはすぐ見つかりますが、住宅のような大きな買い物をする時にはついつい欲がでて、駅に近くて日当たりがよくて買い物が便利で静かなところなどと考え、結局本当に一番重視したいことが曖昧でおろそかになり大失敗することがあります。先日大学で行われた第13回商品開発塾では、味の素(株)食品事業本部の谷口基先生から商品プロモーションにまつわる失敗話をたくさんうかがうことができました。

CM製作はタレント起用やシナリオ作り等、面白そうであこがれです。今では有名な中華調味料「香味ペースト」、東海地区でのテスト販売時は作り手であるお母さんと食べる人である腹ぺこ高校生の両方がターゲットでした。「作る」と「食べる」の両面を意識してSKE48を起用したCMキャンペーンを行ったのですが、まったく広告の効果があがりません。SKE48の宣伝だと思った人がほとんどで、商品をまったく認知してもらえなかったそうです。製品の特徴も「これ一本で100の料理」と長所が絞れていませんでした。

この失敗からまずユーザーであるお母さん方にインタビューすることで立て直しを図ります。すると、この調味料で作ったチャーハンでいつもは口をきいてくれない息子がうまいと言ってくれたのでリピーターになったとの反応を見つけます。そこで訴求ポイントを「香味ペースト」だけで家族が喜ぶ抜群に美味しい炒飯が作れることに絞り、ターゲットも作り手のお母さんだけに絞りました。「食卓革命」として高校生に扮したHey!Say!JUMPの山田君が美味しいと驚くCMを開始すると、売上は7倍に急増しました。

大きな失敗を通じてターゲットの絞りこみを学んだのですが、実際のビジネスはここでは終わりません。CMを打てば売上は短期的に伸びるのですが、その効果が徐々に弱まっていくのです。この失敗でも谷口さんはユーザーに聞いてみることから道を見出しました。ユーザーの簡単で美味しいという満足感だけでなく、手抜きをしているという罪悪感を見つけ出し、どういうときに罪悪感を覚えるかを細かく分析します。その成果は、「秒速メシ」としてYouTubeで多くのシリーズになっています。こうして受ける動画ではなく売れる動画作りに目覚め、現在では個店や他社商品とタイアップしたデジタル動画を、お店の近隣の方々に配信するサービスも進めています。

リア充、恋人作りも二兎を追ってはうまくいきませんし、プレゼントを続けるだけでは関心を引き続けられません。相手の本当の気持ちに寄りそい、それをさりげなく表すことできっとうまくいきます。 (岩崎)

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