No.697 安いにはワケがある

 近々娘が家をでるので、彼女の都合に合わせ7月の3連休に弾丸旅行に行きました。1日だけ休みをとって金曜朝に日本を発ちロンドンでミュージカルを3本見て、火曜日の朝に着いてそのまま仕事に行く計画です。格安航空会社は避けつつそれでも安いチケットを探しましたが、旅程を見てちょっと嫌な予感がしました。名古屋からは直行便がなくフィンランドのヘルシンキ経由なのですが、帰りの乗り継ぎ時間が50分しかないのです。セットで売っているのだから同じ飛行機が名古屋まで来るのかなとも思いましたが、運行会社はロンドンからは英国航空、ヘルシンキからはフィンエアーです。ネットで調べるとヘルシンキ空港は乗換が非常にスムースなこと、同じ旅程で旅行した旅行者が短時間で十分乗り継げたことなどが分かり、マーいいかと出発しました。

 この時期のロンドンは短い夏を楽しむ雰囲気にあふれ、観光客で一杯です。10時過ぎまで明るいので午前中は観光、午後は観劇と土日2日間十分楽しんで月曜の朝空港に向かいました。ロビーで気がついたのは、自分の乗る出発便の搭乗ゲートが出発時刻の30分前に案内すると表示されていること。他の便とは明らかに違います。嫌な予感を高めながら待っていると、案内はさらに送れるとの表示が。出発ロビーには航空会社の職員は一人もおらず、同じ便に乗る客が表示ボード前に溢れています。結局出発は1時間以上遅れたのですが、搭乗口のフィンエアーのおばさんに聞いても「遅れたのは英国航空だからヘルシンキのことは分からない、あっちに着いたら走ってね。」としか言いません。飛行機に乗ってしばらくして、「当機は50分遅れでヘルシンキに着くが、乗継ぎに不安のある人はCAを呼んで相談して」と機内アナウンスがあり、やってきたお姉さんは「二つの可能性があるの、間に合うか間に合わないか、でも間に合わなくても安心して、英国航空が最善を尽くしてもっとも早く帰れる便を手配し万一ヘルシンキ止まりになってもホテルも用意するから、とにかく落ち着いてね。」と大きな目に同情をこめながら、まくし立てます。

 結局、多くの乗客がヘルシンキに一泊し翌日の同じ便での帰国となりました。英国航空が用意したホテルはいかにもという部屋で従業員の態度も最悪、白夜なので色々考える時間が出来ました。ヘルシンキから日本には夕方発って朝着くパターンです。乗継ぎにちょうど良い昼につく便は早朝ヨーロッパ各地を飛び立ってヘルシンキに向かう便なのですが、この時期ヨーロッパからのバカンス客も同じ便を利用したがるはずで、夕方以降ヘルシンキに着く便は人気がないでしょう。このすいた便にアジアからの観光客を回し、安いチケットとして売り出しているのです。ロンドンから隣に座ったイギリス人はバカンスで早い便に乗りたかったけど一杯でね、と話していました。

時々遅延が発生し乗継ぎ客の宿泊費がかかっても、全ての便を満席に近い状態で飛ばした方が儲かります。格安チケットの観光客は遅れようと遅れまいとリピーターにはならないでしょうし。なるほどと納得できたので、カリカリせずに翌日はヨーロッパ人のように半日ヘルシンキ観光を楽しみ、1日遅れで日本に帰国しました。授業をすっぽかした学生の皆さん申し訳ない。安いものにはワケがあるのです、反省。 (岩崎)

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