No.698 親子アユ釣り大会

中津川市の自然環境団体が町興しの一環として開催した親子アユ釣り大会に行ってきました。小学生を子供に持つ若い親子対象の大会ですから、アユ釣りに精通している親子は数少なく、「友釣り」なのに「おとりアユ」を付けずに釣りを始める親子や、エサは何を付けるのかと聞いてくる子供もいる中で、着々と準備を進め、手際良くおとりアユを仕掛けて釣りを始めるベテラン釣り師親子も見られました。

Hanb698b 何年か前に私が担当したゼミ生で親がアユ釣りに凝っていて、自分も一緒について行っているうちに面白くなり、今では夏休みは毎日の様に長良川に行っているという学生を思い出しました。

彼が使っている道具は、親のお下がりだといいますがセット全部で50万円以上もするそうで、そんな大金を道具に投資したらアユ1匹当たりのコストが跳ね上がって料亭で食べるより高くなってしまうと話すと、その学生は「アユ釣りの醍醐味を知らない人には理解できないでしょうね」といって笑っていました。この学生の様に親がやっている趣味やスポーツを引き継いで自分も始めたという学生は体育会所属の学生たちには結構いるのですが、スポーツをやっていない学生たちからは減ってきている様に思います。

親たちの仕事が忙しく子供との接点が減っていること、家庭と職場が分離したことなどいくつもの理由がありますが、子供は勝手に遊びを覚えるのではなく、親の仕事や行動を観察し、その真似から遊びが始まりますから子供の前で仕事や家事をすることは子供の成長に大きな影響を与える重要なことです。

アユ釣りにしても簡単にアユは釣られてくれません。親でも簡単に釣れないアユですから子供が簡単に釣れるわけがありません。何年もの時間を費やして、親の仕草を盗み、ノウハウを教えてもらうなどしてスキルを手に入れて、やっと自力で釣り上げる喜びを体験できるのです。この様に長期間粘り強く続け、経験を積み重ねていくことが子供たちの生活の中から無くなってきている様に思います。

私も、岐阜県の中でも特に美しいと言われる、清流馬瀬川のフィッシングセンターでアユの友釣りを体験する機会がありましたが、とても難しい釣りであることが良く理解できました。Hanb698c

川に生息しているアユは自分の縄張りをもっていて、美しい魚体に似合わず非常にどう猛な面を持っています。縄張りの中に見知らぬアユが侵入してくると、猛然と体当たりをして侵入アユを追い出そうとします。しかし、この侵入アユには釣り人が仕掛けた針が付いていて、突進したアユはこの針に引っかかって捕まってしまうというのがアユの習性を利用した友釣りの仕掛けです。

友釣りでは、「おとりアユ」が川の中を泳ぐので、通常の川釣りとはまったく竿さばきが異なります。おとりアユに無駄なストレスを与えないように泳がせ、縄張りの主が侵入者と思って体当たりをしてくるように泳がすのが釣り師の腕なのだそうで、釣り糸から伝わる感覚だけで合わせをするテクニックが必要で、初心者が簡単にアユを釣れるはずもありません。

私がもっと早く岐阜に住んで子育てをしていたら、一生懸命アユ釣りに励んで、子供にどうだお父さんが釣ったアユ凄いだろう。お前も頑張って努力しないとお父さんのような立派な大人になれないぞ! などと息子に言ってみたかったな。 (田村)

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