No.703 AIと仕事

 

仕事は本当にAIに奪われるのか。世の中で言っている「今のAI」とは何か、何が出来るか、自分たちでまず手応えをつかむためここ1年ほどのビジネスニュース(WBS)の見出しをゼミで見返してみました。すると昨年はぽつぽつと取りあげられていたAI関連ニュースが、今年は毎週のように取りあげられていることに気がつきます。確かにAIは広がりを見せているようです。ニュースは多岐に渡ります。ぼーっと見ても実感がわかないので、とりあえず分類してみます。どこでAIが使われているか、AIは情報の収集、分析、助言、提案、意志決定(行動)のどこまで使われているのか、その際人間は何をやっているのか、そのサービスが実用としてどの段階か、簡単に記録しながら録画を見返します。

学生と意見を交え分類すると、①単にデータの収集、分析だけを行っているもの、②データの収集、分析から最適と思われる解答を導き、人間に助言を行うもの(自動翻訳機、カロリー管理アプリ、AIスピーカー)③その解答と人間によるサービスを組み合わせたもの(ライザップのような健康管理、会計管理、財務アドバイス)④完全に人を介せず何かの仕事を成し遂げるもの(自動運転車、清掃ロボット、無人店舗・販売システム)の大きく4つに分かれているようです。今AIと称して実用的に動いているものは①が大半で②が成果をあげ始めている(本当に儲かっているものは、ニュースに取りあげられていないのかも知れませんが)。③は新サービスとしてスタートしつつありますが、④は実験中でした。

単なる情報収集、分析(プログラムを書いただけ)で、やや多めにリアルタイムでデータを集めたものをAIと呼んでいる①、②のケースは、分析結果を判断し仕事に活かす人間の存在が必要で、助言自体のレベルも高くありません。この場合は、医療画像をお医者さんが診断するように、情報を読み取れる経験値がこれからの人間の仕事になりそうです。

③のAIと人間のサービスの組み合わせでは、最終的な顧客満足はコミュニケーション次第で、その力のある人にこれからの仕事の中心は移りそうです。④は人間が完全に置き換わりますが、AIそのものもさることながら、機械と電気を組み合わせた精巧なメカトロニクスには開発の時間もコストもかかりそうです。この部分も人間の支援に頼った方が今後も安あがりです。

「今のAI」は人工知能というより人間の分析的思考の支援ソフトであり、臨機応変に回答を返しているようでも、決められたプラグラムに従って素早く答えているだけであることがわかりました。そう考えるとあまり怖くありません。さらに深く考えるには、AIとつながっているメカトロニクス、IoT、AR/VR、フィンテック等についても調べる必要がありますが、少なくともNHKの番組のように人間が追い出されることはなく、専門性、コミュニケーション、動作を伴う判断労働など、変化しながら人の仕事は続きそうです。 (岩崎)

関連記事

  1. No.779 IoTとAIの未来って?

  2. No.692 節約意識に関するマーケティングデータ⑦

  3. No.739 産業情報研究所公開講演会を運営して

  4. No.822 効率の良い宝くじ

  5. No.764 1年以上、継続購入しているネットショップの有無

  6. No.835 自分で判断する癖

  7. No.711 3年生へのアドバイス②

  8. No.701 家事に関するマーケティングデータ①

  9. No.705 奴隷の自由

最近の記事