No.705 車は家電になる?

AIについてのニュースを分類していると、自動車関連企業に就職が決まっている学生から「車は家電になるのでしょうか? 」と質問されました。自分に結びつく、このような質問を待っていました。まず彼の問題意識を皆に説明してもらいます。「電気で動いて、エンジンのような技術の固まりがモーターに変わると、コストが下がって価格も安くなって、量販店で売られるような感じです。」との彼の意見を皆で分解します。まず、他のメンバーに今の時点での車と家電の違いを思いつく限り、あげてもらいます。

燃料が電気とガソリン、から始まって、家電の方が安全、楽(操作不要あるいは少ない)高機能(贅沢な調理や快適な空調)、音楽や映像ゲーム等嗜好性が強い、等があがります。一方車は、便利な移動手段、高価格帯、大きい、重い、自己責任、走ること自体が楽しい、彼女や周囲に自慢できる等、わかりやすい違いから説明しづらい違いまで色々見つかりました。単純なイメージでは電気自動車は家庭で充電でき、ガソリンスタンドがなくなる程度しか思いつきません。そこで、エンジンがなくなれば車の価格は家電並みに下がるか、車と家電の違い(特徴)がなくなるか、安全から一つずつ考えていきます。

最近は軽くて遅い自転車でも危険性が叫ばれ保険が義務化されました。車はさらに重く高速で移動するわけですから、万一の安全確保にコストがかかりそうです。実際に現在の安全試験では1車種数十億円の費用をかけないと役所の認可が得られません。電気自動車になっても同じでしょう。自動運転AIの安全性が高まればコンパクトになるかも知れませんが、安全面から頑丈(重く)にする必要があり、エネルギー消費は多く維持費がかかります。自動運転が完璧になれば、今度は高いお金を払ってでも車を買う動機の一つだった走る楽しみがなくなります。またブランド品として自慢できても使用頻度はテレビより低いですからから、相対的に割高です。一時はやったお正月しかつかわない電気餅つき器を今新たに買う家庭はほとんどありません。電気で動いても使用頻度を考えると超高価な家電? です。

もしそうなら車は「家電」ではなく、レンタカーやタクシーのように時と場所を選ばずに移動でき、公共交通より便利で投資が少額で済む「交通サービス」になるのかも知れません。個人が自家用車で運転手をするシェアライドのUberと同じネットの仕組みを使えば、将来は自動運転車を1台もてば運転せずにサービス提供の商売ができます。金儲け目的で車を買う個人が出てきますが、家電(消費財)としてではなく、賃貸アパートのように稼いでくれる投資として、です。

トヨタがソニーではなく、Uberや滴滴(ディーディー 中国版Uber)に出資しているソフトバンクと戦略的提携を結んだのは、こう考えると当然といえることが解ります。車は家電ではなく、金融商品のような投資財になる可能性があるのです。他にも居住空間、店舗や電源になったり、よりセクシーで刺激的になったり、色々な変化が考えられます。自分に結びつく質問を深く考えた人が、成功のそばにいます。 (岩崎)

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