No.710 東京おもちゃ美術館と木育

 東京おもちゃ美術館の多田館長のお話しをお聴きして、「木育」に関心を持ち、東京都新宿区にある「東京おもちゃ美術館」に行ってきました。

 東京おもちゃ美術館は旧四谷第4小学校の校舎を再利用したNPO法人日本グッド・トイ委員会が運営する美術館で、世界のおもちゃ、国産のおもちゃなど様々なおもちゃが展示されています。

 特に最近この美術館が力を入れている取り組みは「木育」で、木を使ったおもちゃというだけでなく、子供たちが木と触れあい、木を使った遊びやものづくりを通じて様々なことを体験しながら、単に木についての知識だけでなく、自然や環境について理解し、豊かな暮らしや生活の基礎を育むとの考えからいろいろな試みが行われています。Hanb710b

 日本は法隆寺という世界最古の木造建築を造る技術を持ち、フィンランド、スウェーデンに次ぐ世界第3位の森林王国で、技も材もありながら、国産の木のおもちゃの自給率は5%以下しかない非常に残念な状況だと館長はおっしゃいます

 この様なことから、木育のシンボリックなものとして0~2の3歳未満児向けの「赤ちゃん木育ひろば」という部屋を作ろうと、全国の木材の専門家に赤ちゃんが心地よく、はいはいできる材は何かと聞いたところ、多くの専門家が口を揃えて、柔らかく暖かい材は杉だと答えたのだそうです。また、ある大工さんからフローリングの厚さは30mmにしなさいというアドバイスをもらったのだそうです。これらのアドバイスをもとに、2011年に「赤ちゃん木育ひろば」をオープンさせました。

 すると、冬でも暖房無で暖かく、とても心地の良い部屋が出来上がり、求めていた理想的な赤ちゃんサロンとなったのですが、この心地よさや木育の効果は、科学的、数値的に立証されたものではないため、木育の第一人者である埼玉大学の浅田教授との共同研究によって、一般的な子育てセンターの部屋との比較による効果測定を実施して、杉材を多用した赤ちゃん木育ひろばは、圧倒的な差として赤ちゃんが泣かずに気持ちよく遊んでいる。お父さんの滞在時間が絶対的に長い。など多くの点で優れていることが証明されたといいます。

Hanb710a 実際に東京おもちゃ美術館に行き「あかちゃん木育ひろば」で観察を行ったのですが、不思議な力を持った空間であることを実感しました。本当に赤ちゃんの泣き声を聞きませんでした、お母さんたちはみんな笑顔でした。

 私は「木育」を誤解していたと反省しています。それは、わたしが見てきた「木育」は、木で何かを作ることだけで終わっていたからです。しかし、東京おもちゃ美術館が実践している木育は、子供たちが実際に木に触れ、木で遊び、そして遊びを通じて五感を使い協調性などの社会性を学ぶ教育場としての道筋が作られていました。

  長期間、じっくり時間をかけながら、少しずつ子供のスキルを磨いていくという、現在の学校教育では欠落している部分を補う、幼児・児童向けの実践教育教材として活用していくことがとても重要な「木育」の目指す方向と考えています。 (田村)

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