No.717 本気、行動、自信、ニーズ

 

ちょっと想像してください。マンガ「宇宙兄弟」のように大学で学んで惑星探査に挑戦できる機会があったら、ただし技術水準も予算もアメリカや中国の1/10以下だったら夢を追い続けるでしょうか? ハイと答えた宇宙ファンもこちらはどうでしょう。バイト先で「来年から接客もミーティングも英語以外禁止。」と言われたら。普通、無理ですよね。

大学は面白いところで、色々な講義や議論から無理を解消するアイデアに気づく機会があります。同じ日に聞いた二つの講演が、惑星探査と英語習得が実は同じ挑戦であり、無理を承知で本気で行動すると、自信と新たなニーズを生むことに気づかせてくれました。

朝日大学の産学連携協定先いちい信金主催新春講演会で、世界初の地球重力圏外惑星着陸とサンプルリターンを実現したハヤブサのプロジェクトリーダー川口先生の話を聴きました。アポロ月着陸で宇宙開発に憧れ、学生時代米国との技術力、予算の違いにおののきながら、何とか日本が一番になれないかと、がむしゃらに行動して歴史を開いた経緯を伺いました。その中でユーモアを交え強調されたのは、自分を切り替えて自信を持て! 行動から生まれる自信が次につながる経験を、若い人には知ってもらいたいとのことです。

アメリカが巨大な予算を投じ、ただ命中しただけの形ばかりの着陸を史上初の小惑星着陸と宣伝する中で、川口先生のチームはNASAの計画より13年も前1985年から小惑星着陸調査を企画していたそうです。今となっても無謀に思える技術的予算的制約の中で、イオンエンジン開発に10年、容量が限られた通信手段での制御技術にさらに10年近く時間と知力を投じました。ついに2005年小惑星イトカワへの着陸に成功、さらに帰還への5年の工夫の結果、採取したサンプルを回収できたのです。そこで培われた自信から次のニーズが生まれ、低コストの安定宇宙飛行を可能にする小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」に結びつき、現在夢はさらに広がっています。

その夕方、大学の教職員研修会で楽天の社内公用語英語化プロジェクト責任者の葛城さんから、当初はすべての社員を英語で会議に参加できるようにすることは無理と思っていた話をお聞きしました。ある時、推進する自分が本気でなく無責任なことに気づき、なぜ英語を学ぶのか、データを集めどうやれば上達するかを伝え続けた結果、遅れていた社員の英語力も急激に伸び全会議を英語に移行できました。しかし、英語公用語化達成の最大のメリットは社員の自信だそうです。英語化のニーズから社員の行動につながったのではなく、行動できた自信からニーズが生まれ、ビジネスチャンスが広がりました。国内派の社員も、英語で得た素早い情報があると商売で先んじる経験から海外スタッフとコンタクトするニーズが生まれ、その結果さらに英語学習の行動が広がるというのです。

何かを始めるときは、ついニーズを、好きなことをやりがいを見いだせずあきらめてしまいがちです。逆です。二つのケースとも、本気でやり方を煮詰め行動を起こすことこそが成功へのスタートで、あとからニーズ、やりがいがついてきたことは、僕等の不安を解消してくれます。 (岩崎)

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