No.721 若者は何度もだまされる

 

大学時代の恥をさらします。海外への憧れに向け努力せずに英語を覚えようとした僕は、教材業者の手口にまんまと乗せられ何年もローンを払い続ける高価な教材を契約してしまいました。最近自分の子ども達の世代もネット通販やゲーム、確定拠出年金等で同様の行動をとっていることに気づきました。時代にかかわらず、若者は常に何度もだまされます。

冒険できるのが若者の特権ですが、冒険心の動因は動物の子育てを見ると想像できます。鳥などの動物は一代で世代交代するわけではなく、子育てが終わると子どもを親の縄張りから追い出します。子どもは未知の世界に飛び出して行かなくてはいけませんが、それをサポートするように好奇心がまさる遺伝子が生き残って親を当てできないなら飛び出そうとの本能が働くのでしょう。若者だけが駆け落ちするようなものです。

人間の場合はもう少し複雑に、今、ここ、だけではなく先を考えられます。将来を想像できる知能を得て不安は生まれ行動を促しますが、複雑化した人間社会では、若者の不安による行動を商売の糧とする大人も少なくありません。自分の不安を努力せずに解消しようとすると、誰かの絶好の餌食になります。英語教材やダイエット器具ならまだかわいい授業料です。将来の就職や収入の不安につけ込むマルチ商法やFX取引などの儲け話、結婚の不安につけ込む貴金属や絵画の対面販売、さらには精神的な不安感をいやす新興宗教や占い等は、立ち直れないダメージを与えられることがあります。

不安に立ち向かうには、きちんと向き合い努力して知識を得て自分で正否を決断することが必要です。不安を思い悩み知識なく考えるだけでは危うい判断しかできませんし、知識だけで自分の頭で考えなければ知識を活かすことができません。どちらが欠けても大学でのレポートは評価されなかったことを、是非思い出してください。

明日は卒業式、先週末は同窓会30周年記念式典で多くのOBが集まってくれました。卒業後社会にでると、今までと様変わりに多くの問題に自分で対処することになります。上記のような自分の生活や家族への問題だけではなく、ビジネス面での不安も同じく誰かの絶好の餌食となり、こちらはかなり経験を積んだベテランでも引っかかります。1人で不安を抱えず、相談できる知己が大切になります。信頼できる業界の先輩や他業界の同期、そして大学時代の恩師が強い味方となってくれるはずです。

同時に過去の大人達には当たり前でも、これからの若者にとっては変えた方が良いルールも多いでしょう。記念式典で講演された野田聖子衆議院議員によれば、予算委員長になって議員同士を君付けで呼ぶのをやめ、さん付けで呼ぶことにしたら、年配の他の男性委員長の追随もあり明治以来の慣行が崩れたそうです。結婚改姓も日本以外では例外で、今の時代一人っ子の世の中に合わず合理的でないと話されていました。悩んだら話を聞き、学ぶ。そして自分で考えて決断し動く。これから時代が動く中で、騙されないためにも卒業後忘れてはいけないプロセスです。 (岩崎)

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