No.755 前回までの4回分のまとめ

■「なじみの店・行きつけの店」となるには人間関係も大切だが、店舗におけるマーケティング施策も必要

顧客が考える「なじみのお店・行きつけのお店」の要件としては、「利用頻度が高い」(66.4%)が突出した
最上位に挙げられた。その他で上位に挙げられた要件は、「会員証や会員カードを持っている」(34.1%)、「そのジャンルでは主にそのお店を利用し、他店はあまり利用しない」(33.6%)、「お店の雰囲気が自分に合っている」(30.8%)であった。「知り合い」「顔見知り」「名前を憶えている」「気の合う」などの店主や店員との関係性よりも、「利用頻度」「会員証、会員カード」「お店の雰囲気」など顧客とお店自体との関係性のほうが上位に挙げられた。「なじみのお店・行きつけのお店」というと人間関係を思い浮かべがちだが、顧客サイドから見れば、顧客自身がお店とどの程度強く関わっているのかという視点で定義されるものとの意識が強い。顧客に「なじみのお店・行きつけのお店」として認めてもらうには、やはり数多くお店を利用してもらうことが欠かせない。「なじみのお店・行きつけのお店」となるためには、店主や店員が顧客の顔や名前を憶えることも大切だが、顧客がお店を何度も訪れたくなるような施策を考えるほうが、より効果的である。

■お店のジャンルによって「なじみのお店・行きつけのお店」のメリットは異なる

「なじみのお店・行きつけのお店」であることにより、その店で購入しようとする気持ちが他店に比べて「強い」としたのは61.8%であり、実際に購入回数が「多くなっている」としたのは49.7%であった。実際の行動は気持ちに比べて12.1ポイント低かった。「なじみのお店・行きつけのお店」であることで、購入意向や実際の購入回数が高まるメリットがみられた。実際の購入回数が「多くなっている」お店をジャンル別でみると、「喫茶店、カフェ」「居酒屋、飲み屋」「自動車販売店」で7割以上と高かった。これらは様々なジャンルのなかでは実際の成果が出やすく、「なじみのお店・行きつけのお店」となることのメリットが高い。逆に、「パン屋」「クリーニング店」「百貨店」では5割台前半に留まる。顧客に浮気されやすく、「なじみのお店・行きつけのお店」となるメリットが相対的に低い。「なじみのお店・行きつけのお店」となることで、少なからずメリットは得られるが、その効果はお店のジャンルによって異なる。効果を見ながら、施策の内容を変えていくことが大切である。

■55.5%が店主や店員と親しくなることに肯定的 利用頻度が高いお店の店主や店員と親しくなることについて、55.5%が「好ましいことだと思う」と回答した。
他に「どちらともいえない」が29.9%、「好ましいことだと思わない」が3.8%、「お店のジャンルによって異なる」が10.8%であった。全体的には肯定的な意見が多数を占めた。「好ましいことだと思う」の割合は女性より男性のほうが高く、店主や店員と親しくなることには男性のほうが、より肯定的であった。一方、女性は「お店のジャンルによって異なる」の割合が男性より高めであり、店主や店員との関係性に慎重な姿勢がみられた。「好ましいことだと思う」の評価理由としては、「お店を利用しやすくなる、行くのが楽しくなる」「情報が得られる、気軽に相談できる」「人間関係が楽しくなる」「サービスが良くなる」などの意見が多くみられた。裏を返せば、これらは店主や店員と親しくなった場合の、顧客の期待事項とも言える。(常川)

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