No.759 Sapporo Sight-Seeing (4) 札幌を作った佐賀の人(北海道神宮)

 札幌市民にとっては…というか私が不勉強なだけかもしれませんが…島判官というと漠然と「円山に登って碁盤の目の町並みを構想した人」というイメージしかないように思えます.小学校3年生の社会科副読本「わたしたちの札幌」で習った時には「“判官”って何!?」と思った記憶があります.これは明治新政府の王政復古的な官職名で,開拓使の副次官的な立場,位階は従四位とのことです.後で「判官贔屓」という言葉を知って,島判官のことだと思いこんでいたのは,ここだけの秘密….

 島判官こと島義勇は,出身地の佐賀市では江藤新平とともに「佐賀の乱」を起こし,明治新政府の理不尽に立ち向かった英雄という捉え方をされているようです.佐賀市内には多くの史跡や顕彰碑などが残っています(まだ行けていない…行きたい…).“佐賀の七賢人”にも数えられ,欧米諸国の圧力に対抗するためいち早く西洋文明を取り入れた藩主・鍋島直正の下,先駆的な教育を受けた能吏としての活躍が知られています.ちなみに“七賢人”は他に,大隈重信,副島種臣,佐野常民,大木喬任という錚々たるメンバー.佐賀の乱で刑死した島義勇と江藤新平,早世した鍋島直正以外は,明治期日本を支える重要な役割を果たしています.

 この“佐賀での英雄”という立ち位置や,漢詩を詠む教養人であるというバックグラウンドは,残念ながら近年出版されたコミック「島義勇伝」(エアーダイブ/Dybook,リンク先はAmazon)を読むまで知りませんでした.てか,漢詩は札幌市役所に掲示されているほど有名なのだそうで,要は小学3年生の時から知識が更新されていないということか….こういうのが「自分の地元こそ知らない」ことの典型となるのでしょうね.どの地域でも初等教育において「郷土の歴史を知ろう」ということは為されているはずですが,どうしても小学生向けなりの内容となり,少し深いところは学び続けなければならないということです.

 札幌市と佐賀市,北海道と佐賀県についても,特に姉妹都市・姉妹県になっているということでもないようです.札幌・北海道側にとって,関わりのある全ての地域と友好協定を結ぶことは難しいということなのかもしれません.ただ,多くの札幌市民が「古めかしい衣装を着ている偉人」とだけしかイメージを抱いていない人物が,出身地・佐賀では英雄として崇められているというギャップについては,内外から見た地域イメージのギャップの例として,捉えておくべきではないかと思います.

→佐賀の子供たちへの島義勇に関する教育内容については「佐賀の七賢人」(佐賀県「こどものサイト」内)をご参照ください. (畦地)

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